アメリカに本拠地を置く中国語のニュースサイト「博訊」は、下で書いた貴州事件 のデモの写真を掲載したので中国国内からはアクセス不能にされたが、このサイトに情報を提供していた南京市の記者は逮捕され、懲役4年の判決を受けたという。
◇ ネット記者に懲役4年 中国、秩序かく乱罪 (魚拓)
この事件に限らず中国はネットへの監視と干渉を強めている(以下は朝日新聞特集「奔流中国21」より引用)。
06年、中国のある製薬会社と国家食品薬品監督管理局の、新薬認可についての疑惑が浮上した。このニュースを職場のネットで見た30代の男性が掲示板にコピペすると、警察にIPアドレスを突き止められ、「商用信用損害容疑」で逮捕されてしまった。
しかし翌年になって監督管理局の局長が逮捕され、巨額の収賄罪で死刑判決を受けた。ニュースで報じられた疑惑が真実だったのであろう。コピペしただけで9ヶ月も拘束されていた男性は釈放されたが職を失い地元にも住めなくなった。
当局を批判するニュースをコピペしただけで逮捕!俺だったら何千回逮捕されるだろうか?
また、中国のニュースサイトにも掲示板機能が付いているものがあるそうだが、政権や政策を批判するような書き込みがあると、当局がサイト管理者に削除を命じ、IPアドレスの提出も求める。
東シナ海ガス田開発については、批判的な意見も中立的な意見も削除され、政策に賛同する意見だけが残される。四川大地震の被害を拡大させて手抜き工事についての議論もご法度である。
当局はこうして批判を削除しまくる一方で、工作活動も怠らない。
広東省深圳市の政府機関に勤める30代の男性は、毎日帰宅後に、政権に対して批判的な意見に対して反論を書き込むのが日課になっている。日本の「プロ奴隷」はボランティア活動(笑)だが、彼の場合は仕事である。ネット世論を操作するために反論を書き続けなければならないのである。
「ネット民兵隊」「ネット評論員」などと呼ばれる彼らは、
●一つのマイナス情報に対して最低3つ反論する
●自作自演がバレないように、同じハンドルネームを使わない、文体も変える
●職場のパソコンは使わない
などの指示に従い、夜な夜な政権を擁護するための書き込みを続けている。そんな虚しい行為に自己嫌悪に陥ることもあるらしい。「ネット評論員の意見ばかり並ぶこともある。それが世論を正しく誘導したことになるのか」
彼らは一般のユーザーから、「5毛」と蔑まされている。5毛(日本円にして約8円)程度の報酬で「自説を曲げて書き込む連中」という意味である。
しかし、このような当局の方針にも屈せずに情報を発信し続ける人々もいる。
5月4日に四川省成都で、化学工場建設に反対するデモが起きたが、あるブログはこのデモの模様を詳しく伝えていた。広東省広州市の元テレビ記者・温雲超さんは、現場にいた人々から携帯メールで情報を得て、ブログに綴ったのである。各地の社会問題を取り上げるサイト「公民報道」も運営している。
「警察に踏み込まれるのも覚悟している」という温さんは、「当局に不都合な情報でも数秒間掲載すれば無数に転載される。言論の空間は確実に広がっている」
共産党政権が、どんなに批判的な書き込みを削除し、どんなにサクラを動員しても、ネットを制御することは出来ない。新しい情報は瞬時に伝わり無数にコピペされ、国民に政権の不正を知らしめるのである。
中国の社会に普及しつつあるネットは、共産党政権を打倒するための剣となるだろう。そして中国国内だけでなく全世界から、共産党政権への批判、非難を集中させなければならない。
この、全世界に広まったインターネットという媒体は、人類を国境を越えて結びつけることが出来る。平和と人権を守るために、中国共産党政府のような暴虐な政権を地球上から消滅させるために、我々は国境を越えて手を組まなくてはならない。
2008年07月04日
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