(問答有用より転載。議論はあちらでどうぞw)毎年日本の船団が南極海まで出かけて行っている「調査捕鯨」の07年度の捕鯨数は、グリーンピースやシー・シェパードなどの環境団体の抗議活動によって、目標の6割強(クロミンククジラ551頭)という結果に終わりました。シー・シェパードによる、薬品入りの瓶を捕鯨船に投げつけた行為は許しがたいことですが、そうした行動によって無駄な鯨の殺戮が防がれたのもまた事実です。
今後も日本は、世界中の非難を背に「調査捕鯨」を強行するのでしょうか。環境団体は、捕鯨船の船員や自らも危険に晒すような過激な活動を行うのでしょうか。そして日本には売れ残りの冷凍鯨肉が溜まっていくのでしょうか。
月刊誌「世界」3月号に、「なぜ調査捕鯨論争は繰り返されるのか」(東北大学・石井敦准教授)という興味深い論文が掲載されましたので引用します。
■ 2000年に開始されたJARPNU(水産庁による北西太平洋芸鯨類捕獲調査計画・第二期)は、イワシクジラやマッコウクジラの胃内容物調査を予定していましたが、これらのクジラの胃内容物はすでに従来の調査で分析済みだそうです。わざわざ同じ調査を繰り返すことに意味があるのでしょうか?
■ 水産庁は「クジラを捕らえて胃の内容物を調査しなければ、クジラが何を食べているのか分からない」と主張していますが、この調査方法が唯一の方法ではなく、かつ限界のある方法だということです。
胃内容物調査では、「捕殺される直前に食べ、かつ消化されにくいもの」しか発見できません。考えてみれば当たり前のことです。たとえば宇宙人が私を捕殺して胃の内容物を調査してみても、さきほど食べたスルメは発見できますが、昨日食べたカツ丼や一昨日食べたカラアゲはすでに消化されているので、食性を正確に判断することはできません。血液検査でもしたほうが普段何を食べている生物か判断しやすいでしょう。
■ この論文は、非致死調査である「脂肪酸分析」のほうが、多くのデータが得られ、コスト面でも優れた調査方法だと主張しています。水産庁も非致死調査の有効性を認めていますが、JARPAU(水産庁による南極海鯨類捕獲調査計画・第二期)には、「脂肪酸分析に真剣に取り組む姿勢は見られない」そうです。
(非致死調査の方法について私は全然知りませんが、こちらをご参考にどうぞ)
■ また、「クジラが増えて、魚を食べすぎている。漁業にダメージがあるのでクジラを間引かなければならない」という主張がありますが、そもそも人間が遠洋で大規模な捕鯨を始める前はどうだったのでしょうか?間引くのが目的なら死体を分解して冷凍庫に詰めて持ち帰るような手間のかかることはせず、軍用ヘリで狙撃すればいいことです(笑)
この素人が考えてもおかしい妄言は、今までの研究によって逆効果になる可能性が指摘されているそうです。クジラのような食物連鎖の最上位を占める海産哺乳類を間引きしても「複数種間の間接効果によって逆に漁獲量が減少する可能性」が示されているのです。
この「複数種間の間接効果」とは、クジラが漁業対象魚種Aと漁業対象外のBを捕食し、BはAを捕食している場合、クジラを間引いてもAが増えない可能性があるということです、
たとえばクジラがイワシとサメを食べ、サメがイワシを食べている場合(実際にはクジラはサメを食べたりしませんが、あくまで喩え話です!)、クジラを間引くことによってクジラによるイワシの捕食数は減少しますが、クジラによるサメの捕食数も減少するため、場合によってはサメによるイワシの捕食数が増えてイワシが減少する可能性があるということです。サメにとっては天敵が少なくなってイワシ食い放題でしょう。
かつてのJARPAUの報告書でも、この間接効果を考慮した捕食関係を計算していたそうです。
■ 2006年12月に開催された科学委員会主催のJARPA評価会合では、
(JARPAが収集したデータは)「IWCで採用されている捕鯨の科学管理には一切必要のないデータである」、
「クジラの自然死亡率や個体数増加率、生態系における役割に関してはほとんどなにも解明できていない」
という手厳しい評価を受けました。「調査捕鯨」を行っているはずなのに全く「調査」になっていないのです。
また、JARPAの研究が「査読つき英語論文誌」にほとんど発表されていないことも指摘されています。1987年の発足以来約90億円の国庫補助を受けて行われているプロジェクトがほとんど成果を出していないのです。それでも水産庁はこの評価会合が行われる前にJARPAUの開始を決定し、2005年のIWC総会で調査計画を提案しています。
■ このような無意味な調査捕鯨について、JARPAの立案に関った粕谷俊雄という人は当時を振り返って次のように述べたそうです。
「私は80年代に水産庁に在籍し、調査捕鯨計画の立案にかかわった。その際、我々に与えられた条件は『経費をまかなえる頭数を捕獲でき、しかも短期では終わらない調査内容の策定』だった。今では、法の網をくぐるような調査捕鯨の発足に手を貸したのは、うかつだったと悔やんでいる」(2005年10日3日毎日新聞)日本が行っている「調査捕鯨」とは、当初から調査の名を騙って商業捕鯨を行う計画だったのです。
しかし水産庁は、本気で「モラトリアム解禁」を望んでいるのでしょうか?
■ 捕鯨推進派は二言目には「捕鯨は日本の文化」を繰り返しますが、「日本の文化」だから再開しなければならない、というのは、商業捕鯨再開の理由になるでしょうか?
明治以降日本人は西洋化によって多くの自国文化を捨て去りました。文化が大切だというのなら捕鯨を論じる前に日本独自の文化について見直すべきではないでしょうか。また、沿海ではなく南極海まで出かける捕鯨は、これが仮に「文化」だとしても、将来に渡って守り続けるべき「文化」でしょうか?
そもそも「捕鯨は日本の文化」になったのはそんな古いことではないそうです。1970年から2005年までの朝日新聞の捕鯨に関する記事の中で、「文化」という単語が出てくるのは、1979年になってからです。
1972年にアメリカがモラトリアム提案を行いましたが、その時日本は「鯨肉は重要な蛋白源」という主張をしていました。つまり「文化」は後からとってつけた主張だったのです。
1970年代、日本捕鯨協会が「国際PR」という広告会社を使って「捕鯨は日本の文化」という宣伝を行わせていたことが、「国際PR」自身の報告書によって明らかになりました。メディア戦略によって「捕鯨は日本の文化」だという信仰が刷り込まれたわけです。
■ 「日本は商業捕鯨を再開するためにIWCを脱退すべきだ」という暴論も見かけますが、この論文によると、そもそもIWCを脱退しても自由に捕鯨ができるわけではないそうです。「国際海洋法条約第65条の規定に従い、捕鯨のための適切な地域管理機関を関係国とともに設置し、その機関を国際的に認知させなければならない」というのです。
■ IWCを脱退するにせよ、しないにせよ、商業捕鯨再開には国際的な承認が必要になりますが、日本がその努力を行っているとは言い難いものがあります。
IWCから不必要な調査であると勧告を受け、全世界からの激しい非難を受けながらも毎年「調査捕鯨」を強行し、オーストラリアに対しては「捕鯨条約の精神を尊重していない」としてIWCからの脱退勧告を行うなど、対立を煽っているようにしか見えません。
■ 知りませんでしたが、1982年にIWCで「モラトリアム」(商業捕鯨の一時停止)が採択された後、捕鯨推進国は異議を申し立てましたが、これらの諸国の中で日本とペルーは異議申し立てを撤回したそうです。
日本は本気で商業捕鯨を再開する気があるのでしょうか?
■ ある日、突然商業捕鯨が解禁されれば、どのような事態が起こるでしょうか?
以前述べたように南極海で「調査捕鯨」を行っている「共同船舶」は実質的な国策企業であり、民間企業の捕鯨への意欲は乏しく参入は望めません。
必然的にこの「共同船舶」が商業捕鯨事業も引き継ぐことになりますが、現在の「調査捕鯨」とは国からの補助金によって行われています。商業捕鯨が解禁された場合、つまり「調査捕鯨」を行う必要がなくなった場合、今までのような補助金は拠出されなくなります。
つまり商業捕鯨が解禁されることによって、日本は捕鯨が出来なくなるのです。商業捕鯨解禁は水産庁にとって最も望ましくない事態ではないでしょうか?
■ 以上のように鋭い論考をしているこの論文を丸ごとパクり、「IWCはいっそ商業捕鯨を認めたらどうか?(逆に日本は捕鯨できなくなるから)」というタイトルで投稿しようと思いましたが、モタモタしているうちに日本の「調査捕鯨」について重大な疑惑が浮上してしまいました。
グリーンピースによって捕鯨船乗員による鯨肉持ち帰りが明らかになってしまったのです。これは単なる横領などではなく組織ぐるみの密輸ではないかと疑われています。
もし商業捕鯨が可能になれば、どのような不正が行われるか想像もできません。冗談でも「商業捕鯨を認めたら?」などという発言は控えるべきでしょう。
税金を浪費し、関連組織は天下りの受け皿となり、調査と称しているがロクな調査にならず、実態は商業目的であり、かといって満足な需要も望めない日本の「調査捕鯨」は、今すぐ中止させなければなりません。
■ しかし、グリーンピースの告発が不起訴処分となり、逆にグリーンピース側が窃盗罪として起訴されてしまったのは実に残念ですが、考えてみれば「調査捕鯨」は国家レベルの犯罪的行為ですから、それにまつわる犯罪を日本政府が処断できるわけがありません。グリーンピース側はこのような事態も予想していたことでしょう。期待していた私が甘かったわけです。
しかし彼らの勇気ある行動がなければ、乗員の持ち帰りも発覚しませんでした。環境テロ国家による迫害を恐れずに行動する彼らを今後も強く支持したいと思います。
■ 蛇足ですがこの論文は、日本のような捕鯨推進国と、反捕鯨国やグリーンピースやシー・シェパードなどの反捕鯨団体との間に、ある種の共生関係が存在すると指摘しています。
たとえば「日本は調査捕鯨を継続するために商業捕鯨を再開させようとしない反捕鯨国を必要とし」、「反捕鯨団体も捕鯨団体を叩くことによって、会員からの寄付収入を確保している側面がある」というのです。実際私がグリーンピースの「サポーター」になったのも、日本の捕鯨船の乗員がグリーンピースのボートを長い棒で殴っているシーンを見てからです。
シー・シェパードについてはどうやら捕鯨全てを否定しているようなので私も共感できませんが、グリーンピースもかなり嫌われているようです。グリーンピースが嫌いならば彼らの資金源を少なくするためにも、日本の調査捕鯨には反対したらどうでしょうか(笑)
しかし環境問題は日本の調査捕鯨だけではありません。日本がこの愚かな行為を速やかに中止すれば、環境団体の負担も少なくなり、もっと全地球的な問題に力を絞ることができるでしょう。そして日本の国際評価も少しは改善するかも・・・?
追記:
玄洋日誌のコメント欄に反論を書き込んだが、消される恐れがあるのでこちらにも載せておく。
>> 水産庁は「クジラを捕らえて胃の内容物を調査しなければ、クジラが何を食べているのか分からない」と主張していますが、この調査方法が唯一の方法ではなく、かつ限界のある方法だということです。
> スーパーや魚屋などで店頭に並んでいる魚を見たことがないのですかね?不条理日記の鷹嘴さんを初めとするグリーンピースの方々は。
あの投稿は私の勝手な思い込みではなく、月刊誌「世界」の2008年3月号に掲載された「なぜ調査捕鯨論争は繰り返されるのか」(東北大学・石井敦准教授)という論文からの引用です。グリーンピースは関係ありません。(そもそも私はグリーンピースの単なる「サポーター」ですからw)
断片的な引用でしたので分かりにくかったかもしれませんね。ぜひ現物をお読み下さい。(図書館に行けばあると思います)
> 不条理日記の鷹嘴さんを初めとするグリーンピースジャパンの方々は誰一人英語を読めないのでしょうな。鯨類研究所の英語サイトに1989年から2007年までに英論文誌に登載された論文のリストがありますからご覧になりなされ。
それは「査読つき」ですか?
2006年12月に開催された科学委員会主催のJARPA評価会合では、JARPAの研究は「査読つき英語論文誌」にほとんど発表されていないことが指摘されたそうです。
そもそも、あの投稿は私の勝手な思い込みではなく(同上)
> さて、「鯨の売れ残り」問題については以前にも当ブログで「売れ残り」と書くこと自体間違っていることを指摘しましたが、この指摘に対する異論は私はいまだに目にしたことがありません。にもかかわらず、不条理日記の鷹嘴さんはいまだに鯨肉の在庫量が「売れ残り」と妄信し鵜呑みにしているようです。
しかし、在庫量の折れ線グラフには山の部分と谷の部分がありますが、毎年の谷の部分が徐々に上昇していますよ。
◇ 暮らし・捕鯨問題・鯨肉はさばけているのか(1)
http://www.news.janjan.jp/living/0803/0803040970/1.php
こちらもご参考にどうぞ。
◇ グラフで解る鯨肉在庫のカラクリ
http://chikyu-to-umi.com/kkneko/zaiko.htm
また、とっくにリンク切れしてますがサンケイのニュースによると、水産庁も「指摘された傾向は事実だ」と認めたそうです。
こちらにコピペされています。
◇ 「クジラ」在庫 10年間で倍増 調査捕鯨拡大で供給過多 - おもてなしの空間
http://d.hatena.ne.jp/amt/20060129/KujiraZaiko
つーか07年度は551頭しか捕獲できなかったそうですから在庫も減るでしょうなw
> どうやらサメが重要な水産資源であることもご存じないようで。フカヒレが何でできているのかすら知らなければ恥ずかしくてかけない文章です。まあ、某半島ではサメを食べる習慣もなければフカヒレについて情報においても触れる機会すらないというのであれば話は別ですが。結果は同じことでサメも捕獲すればいいだけのことなんですよね。
「漁業対象外だけどクジラが捕食している魚」が思いつかなかったのでサメにしただけなんですけどね。「実際にはクジラはサメを食べたりしませんが、あくまで喩え話です!」と但し書きしてあるじゃないですか。
> それならば、オーストラリアで最上位をしめるカンガルーが間引かれていますが、これによってカンガルーが捕食する植物や飲料する真水も減少するという結果が生じることになりますが、
(゚Д゚)ハァ? カンガルーはどうかしましたか?
>> 日本が行っている「調査捕鯨」とは、当初から調査の名を騙って商業捕鯨を行う計画だったのです。
> ですが、以前にも取り上げたとおり、国際捕鯨取締条約(ICRW)第8条の第2項目によって「前記の特別許可書に基いて捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また、取得金は、許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない。」と定めれているのですから、
ですからそういう取り決めが悪用されているのです。
> いちいち「文化」と叫ばなければ「文化」と指定されないような浅はかな国ではないのですよね日本て。どこでも「ウリナラ起源」と主張するどこぞの半島と違って(笑)9000年も鯨を食べ続けているのですからこれは立派な食文化ですな。米と同じで。1979年あたりから日本の西洋食の増加とそれに従う生活習慣病のあおりから食文化の重要性について主張され始めた時期でもあったと考えたことがなかったのですかね?
まあ、一部の地方で昔からクジラを食べていたことを「文化」と呼ぶことには反対しません。(ただし「一部」に限られていることです。「天皇や貴族もクジラを食べたことがある」などという資料を並べても意味はありませんな)
しかし捕鯨推進派の論理は、
「日本人は昔からクジラを食べていた」
「つまりクジラを食べるのは日本の文化だ」
「だから南極海での商業捕鯨を認めて欲しい」
というものです。こういう理屈をモラトリアム開始からしばらくしてから考え付いたのです。
古来からの沿岸での捕鯨と20世紀に入ってからの南極海での捕鯨をごちゃ混ぜにしているのです。
「そもそも『捕鯨は日本の文化』になったのはそんな古いことではないそうです」
という文章は、
「そもそも日本の捕鯨推進派が『捕鯨は日本の文化』という主張を始めたのはそんな古いことではないそうです」
という意味です。
>> 考えてみれば「調査捕鯨」は国家レベルの犯罪的行為ですから、それにまつわる犯罪を日本政府が処断できるわけがありません。グリーンピース側はこのような事態も予想していたことでしょう。期待していた私が甘かったわけです。しかし彼らの勇気ある行動がなければ、乗員の持ち帰りも発覚しませんでした。環境テロ国家による迫害を恐れずに行動する彼らを今後も強く支持したいと思います。
> はて、なんの法律に違反しているのですかね?憲法9条を愛しているようですからどの法律に違反しているか述べてみなければ話になりません。なんだか読み進むにつれて某半島でよく発生する「火病」患者の発言に近くなってきているなー。
・・・喩えですが、中国政府はチベット族やウイグル族だけでなく漢族に対しても酷い弾圧を続けていますが、そういう弾圧行為は中国の国内法に違反するものではありません。なにしろ法律を押し付ける側がやっていることですからね。しかし中国共産党政権の犯罪性は誰もが認めています。
かつて日本や欧米諸国がクジラを乱獲し絶滅の危機に追い込んだこと、欧米諸国は油を採取するだけで肉は捨てていたことも、犯罪的行為だと言えます。しかしそれは当時の国際法や各国の国内法に違反するものではありませんでした。
現在日本が南極海で行っている、調査捕鯨の名を騙った実質的な商業捕鯨についても、同じように考えているわけです。
しかし、法律に違反しているわけではなくても「**は犯罪的だ!」という表現、巷に溢れていますが?
「売国奴**の言動は犯罪的だ」なんて表現はウヨもよく使うじゃないですか。
>> 「日本は商業捕鯨を再開するためにIWCを脱退すべきだ」という暴論も見かけますが、この論文によると、そもそもIWCを脱退しても自由に捕鯨ができるわけではないそうです。「国際海洋法条約第65条の規定に従い、捕鯨のための適切な地域管理機関を関係国とともに設置し、その機関を国際的に認知させなければならない」というのです。
> ふーん、アイスランドやノルウェーはどうやって鯨を取っているんでしょうね。
> 第65条 海産哺乳動物
http://www.geocities.co.jp/wallstreet/7009/m0008333.htm
> この部のいかなる規定も、沿岸国又は適当な場合には国際機関が海産哺乳動物の開発についてこの部に定めるよりも厳しく禁止し、制限し又は規制する権利又は権限を制限するものではない。いずれの国も、海産哺乳動物の保存のために協力するものとし、特に、鯨類については、その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて活動する。「このいかなる規定も、沿岸国又は適当な場合には国際機関が海産哺乳動物の開発についてこの部に定めるよりも厳しく禁止し、制限し又は規制する権利又は権限を制限するものではない。」と「「適当な場合」と述べているわけですからこのばあい、IWCを脱退すれば日本沿岸の大型鯨類は日本政府の管理の下に小型鯨類同様、捕鯨できることも可能でしょうな。
リンク先では、
「特に、鯨類については、その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて活動する。」
となっています。つまり国際的な指導、監視が必要なんですね。
しかしあなたは、
> 「「適当な場合」と述べているわけですからこのばあい、
と書いていますが「適当な場合」というフレーズはどこから引いてきたのですか?
> 調査捕鯨と商業捕鯨の区別もついていないようですからここは引用だけにしておきますが、利益は十分上げられるという主張の一部を
1万頭捕獲したとしても売れなきゃ意味がないですよ。「獲らぬ狸の皮算用」です。
「捕獲頭数が少ないから値下げできない、だから売れない」という主張もありますが、安くすれば売れるとは限りませんよ。100グラムあたり同じ値段のクジラ肉とマグロの赤身、あるいは牛肉があった場合、消費者はどちらを選ぶでしょうか?
売れ残るのは値段が高いだけが原因ではありません。まあこれは人類が貨幣を発明したころからの常識ですな。
それに、あなたは無視していますがかつて捕鯨を行っていた水産会社はいずれも、仮に商業捕鯨が解禁されても参入するつもりは全くありません。
たとえば「マルハ」の経営者は、
「捕鯨船は数十億円の投資がかかり、収支があわない」
と述べたそうです。
http://s03.megalodon.jp/2008-0614-2348-01/www.asahi.com/business/update/0613/TKY200806130280.html
ですから事実上の国策企業である「共同船舶」が引き受けることになるはずですが・・・捕獲量を増やせばコストも上がり、調査ではないのですから補助金や無利子融資も受けられなくなります。こういうご時世ですから無謀な挑戦は避けるでしょうね。
「共同船舶」を巡るお金の動きについてはこちらを参考にどうぞ。
http://himadesu.seesaa.net/article/82230370.html
このように、仮に南極海での商業捕鯨が解禁されても日本の参入は絶望的だし、そもそも解禁されっこありません。