2005年12月18日

世界各国の歴史歪曲主義

・・・その昔(?)、「南京大虐殺は無かった」「ホロコーストはウソだ」「日本の支配下の朝鮮人は幸福だった」などと主張するアホは日本のクソウヨやヨーロッパのネオナチだけかと思っていたのだが、それは全く甘い認識だった。

たとえば「シオニシトの国はヨーロッパに作れ」などと息巻いていたイランの大統領の発言は、ついにホロコーストを否定するまでエスカレートしてしまった。
イラン大統領、「大虐殺は作り話」 発言エスカレート
2005年12月15日01時21分
 イランのアフマディネジャド大統領は14日、南東部シスタンバルチスタン州の州都ザヘダンで演説し、「ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)は作り話だ」と述べた。国営テレビが実況中継した。同大統領の一連の反イスラエル発言はエスカレートしており、イスラエルや欧州各国から激しい怒りの声が起こっている。
 アフマディネジャド氏は大勢の民衆の前で「西欧はユダヤ人大虐殺の名で話をでっち上げた。神を否定しても誰も気に掛けないのに、この話を否定すればシオニスト体制が大声で叫ぶ」と力を込めて演説した。
 10月末の「イスラエルを地図から消すべきだ」との発言以降、反イスラエル発言は3度目。イスラエルを国家として認めないのはイスラム体制であるイランの国是だが、ホロコーストそのものを疑うのは異例だ。
 欧州側からは早速、「まったく容認できない。教養のある政治論争には加われない」(英国の欧州連合大使)などと強い非難が飛び出している。
救い難いヴァカである。しかし迂闊にコイツを笑えるもんでもない。ナチスに肩入れする奴は世界で少数派だと思うが、自国の行った行為に対してナイーブなまでに否定し続ける連中も珍しくないのである。

たとえばベトナム戦争に参加した韓国軍のおぞましい所業については広く知られているが、
韓国の週刊誌「ハンギョレ21」がベトナム戦争での韓国軍による残虐行為について特集したとき、一部の韓国人による反発が凄まじく、ハンギョレ新聞社に2000人を超す退役軍人が押し寄せる事件があった。真相究明を求める市民団体と退役軍人との討論会では、「お前達はベトコンと同じ共産主義者だ。ここが戦場だったら殺すぞ」などという怒号が飛んだという。
ある退役軍人はこの事実についての討論会にて、
「ゲリラ戦だから民間人を誤って殺したかもしれないが、日本軍のような組織的な虐殺とは違う」と強調したらしい。ソンミ村事件発生当時に実行犯のカリー中尉に同情を寄せたアメリカ人や、旧日本軍の虐殺事件を否定するようなクソウヨと同列の、お話にならない寝言である。(以上は2002年にNC4歴史ボードに投稿したものから転載。当時、朝日新聞の記事から引用した)

また、トルコという国の歴史認識も困ったものである。(以下は12/15の朝日国際面より)
(前にも書いたが)第一次世界大戦中の1915年より、オスマン帝国は約100万人ものアルメニア人に対して追放・虐殺を行ったが、トルコは現在もその事実を否定している。(参考)しかしこの歴史事実に言及した「『ノーベル文学賞に最も近いトルコ人作家』と言われるオルハン・パムク氏」という人が、「国家侮辱罪」で訴えられ16日に初公判が行われる。(審議は来年に持ち越し)

今年2月、「パムク氏」は「100万人のアルメニア人が殺された。だが私以外にだれもそのことを語ろうとはしない」とスイス紙のインタビューに答えた。するとトルコ国内のメディアは、「議論するだけでも、謝罪や賠償を求める相手側を利し国益を大きく損なう」と、日本のバカウヨでも滅多に口にしないような戯言をほざき、「過激な民族主義者からと見られる脅迫も相次いだ」という。
今年5月には、「この史実を客観的に論じようとする初のシンポジウム」が開かれる予定だったが、司法当局による「国家への反逆だ」という馬鹿げた介入によって二度に渡る中止を余儀なくされ、9月下旬にようやく開催に至ったが会場周辺では「民族主義者」らがデモを繰り広げていた。トルコは国ぐるみで歴史の隠蔽・歪曲、そして言論弾圧に躍起になっているようだ。
しかしソ連崩壊後、アルメニア人らの働きかけによってヨーロッパ各国が次々とトルコの行った行為は虐殺だったと認め、今年は「欧州議会がトルコの欧州連合(EU)加盟の前提としてアルメニア人虐殺を認めるべきだとする決議」を出した。
しかしトルコの態度は上記にように頑なである。2001年にフランスの議会が「大量虐殺を『民族虐殺』と認める法律を公布した際、トルコ側は強く反発した。市民が仏製品のボイコット運動を展開したほか、国も仏企業からの軍事衛星や戦闘機導入計画を見直した」そうである・・・。なんとも言葉が出ない。

しかし、そういうフランスも他の国のことを言えた義理ではない。前にも書いたがフランスはかつての植民地支配を美化、正当化している。
(古いニュースだけど続報)
仏、「歴史問題」に直面 植民地政策と奴隷制で
 移民社会の若者による暴動が続いたのを機に、フランスが過去の植民地政策と奴隷制をめぐる2つの歴史問題に直面し、論議が活発化している。
 植民地政策については、アルジェリアなどでフランスが果たした役割に、積極的に評価できる点があったと認めるかどうかが論争の中心。暴動の背景にアフリカ系市民が直面する差別への不満があっただけに、差別の遠因となった負の歴史を見詰め直す契機となった。
 フランスでは2月、植民地の「肯定的役割」を学校で教えるよう義務付ける法律が公布された。フィガロ紙によると、昨年の国民議会(下院)審議では反発がなかったが、その後、教師や人権団体、アルジェリア政府が非難。野党の社会党が最近になって法律の見直しを提案した。
 社会党は「官製の歴史の押し付けだ」と強調したが、与党側は「(過去を)悔やみ自らを責めることには疲れた」と反発、11月29日の下院審議で数の力で社会党案を葬った。
 もう一つの歴史問題はナポレオンの時代にさかのぼる。ルモンド紙によると、奴隷制を復活させたナポレオンに対する批判が高まっている。かつてフランスや英国が黒人奴隷を使って大規模農園を経営したカリブ海のアンティル諸島では、反ナポレオンの示威行動も予定されているという。
 12月2日はナポレオン率いるフランス軍がオーストリア、ロシア連合軍を破ったアウステルリッツの戦いから200年で、さまざまな記念行事が予定されているが、こうした動きを受けてか、フランス閣僚らによる参加は限定的になりそうだ。(共同)(12/01 19:32)
植民地を経営するにあたって、ただ現地人を弾圧し搾取を続けるだけではままならない。生産性・輸送の向上のために「インフラの整備」が必要となる。伝染病を抑えるために医療・衛生面の向上も必須だろう。そうして現地人の生活が向上すれば、「宗主国」の工業製品を購買する経済力も増すだろう。また現地人の言語がバラバラでは不都合なので教育を行う必要もあり、同時に「宗主国」の宗教を押し付けるだろう。
当たり前のことであるが、これをブラックユーモア的な表現を行えば「植民地支配には良い面、有意義な役割もあった」ということになる。朝鮮の植民地支配を美化する日本のクソウヨと同じ屁理屈である。大虐殺を正当化するよりは目立たないが全く同質の歴史歪曲に過ぎない。
しかし、世界中のあちこちにバカがいることは実に悲しいものである。

(関連ニュース)
「大虐殺」指弾のトルコ人作家、侮辱罪審議持ち越し2005年12月17日20時17分
 第1次世界大戦中にオスマン帝国でアルメニア人100万人が殺されたと発言し、国家侮辱罪に問われたトルコ人作家オルハン・パムク氏に対する初公判が16日、イスタンブール市内の裁判所で開かれた。しかし、公判手続きの確認に時間がかかるとして、実質審理は来年2月7日の次回公判に持ち越された。

 アルメニア人の大量殺害について、トルコ政府は「大戦の混乱で30万人が殺された」としている。アルメニア側は「150万人が殺された民族虐殺(ジェノサイド)だ」と主張している。

 裁判所周辺には、出廷したパムク氏に「裏切り者」と怒声をあげる民族主義団体や、同氏を支持する人権団体、作家らが詰めかけた。欧州連合(EU)加盟交渉で、欧州側はトルコの言論の自由をはかる尺度として裁判の行方に注目している。
posted by 鷹嘴 at 00:08 | TrackBack(2) | 歴史認識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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