2005年12月25日

【「姉歯」23物件、大手から木村建設に“丸投げ”】

やっぱ丸投げか。
「姉歯」23物件、大手から木村建設に“丸投げ”
 耐震強度偽装事件で、姉歯秀次・元1級建築士(48)による偽装が判明した85物件のうち、少なくとも23物件の施工は、元請けのゼネコンなどから木村建設(熊本県八代市、破産)に一括下請負(丸投げ)されていたことが国土交通省の調査で分かった。

 元請けには鹿島(東京都港区)などの大手ゼネコンも含まれている。マンション購入者にとっては実際の施工者が分からないうえ、建築に欠陥があった場合の責任の所在も不明確になるため、国交省は、民間の“丸投げ”について何らかの規制を行うことも視野に入れ、実態調査を進める方針だ。

 工事をそっくり下請けに出す“丸投げ”は、公共工事では中間搾取などを招くとして建設業法などにより禁じられている。しかし民間工事では、発注者が書面で了承すれば認められており、元請け業者は監理技術者1人を常駐させるだけで、全体の工程管理などを含めてすべて下請けに出すことが許されている。

 85の偽装物件のうち、25物件は木村建設が元請けとなっていた。その他については、実際の施工者は建築確認申請の書類では分からないため、国交省が元請け業者を通じて調査を進めているが、これまでに12社が計23物件の施工を木村建設に“丸投げ”していたことが判明している。

 姉歯偽装物件のうち、分譲マンション「グランドベイ横浜」(横浜市)と「グランドステージ町屋」(東京都荒川区)の施工元請けは中堅ゼネコン「東鉄工業」(新宿区)だった。だが実質的に施工したのは木村建設。東鉄工業は「建築主のヒューザーの意向で木村に下請けに出した。当社がどこまで工事にかかわったかは調査中」としている。

 ホテルでは、「プラザホテル舞鶴」(京都府舞鶴市)の元請け施工者が鹿島、「ヴィアイン新大阪ウエスト」(大阪市)が大林組(東京都港区)だが、実際の施工者は木村建設だった。

 鹿島は「建築主の不動産業者から『欠陥があった場合の責任は木村に負わせる。ポイントで監理をしてくれればいいから元請けになってほしい』と頼まれ、建設費の数%を受け取る契約で応じた」(広報室)と話しており、責任の所在のあいまいさが浮き彫りになっている。鹿島は、現場に技術者1人を月数回派遣しただけで、鉄筋不足などには気付かなかったとしている。

 “丸投げ”が横行しているのは、各業者にメリットがあるからだ。マンションなどの建築主は「有名ゼネコンが手掛けた」などとPRできる。元請け業者は「監理料」が得られる上に、工事実績を上げることができる。また下請け業者も、大手の下に入ることにより大型物件の受注が可能になる。

 しかし、マンションの購入者らにとっては、大手が施工したと信じて購入したマンションが、実は別の業者が手掛けていたという事態が起きるため、「実質的に工事を行った業者名を表示させる仕組みなどを検討すべきだ」(国交省幹部)との指摘も出ている。
(読売新聞) - 12月25日11時21分更新

で、仕事を貰った木村建設は↓こういうズサンな工事をしてたんだろうなあ。
水多い生コン使用=木村建設、工事も手抜きか−グランドステージ藤沢・耐震偽装
 耐震強度偽装事件で、姉歯秀次元1級建築士(48)が構造計算書を偽造した分譲マンション「グランドステージ藤沢」(神奈川県藤沢市)について、施工した木村建設(熊本県八代市)が、JIS規格外の水の多い生コンクリートを使っていた疑いが強いことが22日、分かった。
 また、地震の際、揺れが柱に伝わり難くする「遊び部分」の数や位置が構造図、施工図、実際の建物で食い違っており、最低クラスの0.15とされる同マンションの耐震強度がさらに低下する可能性も出てきた。 
(時事通信) - 12月22日22時1分更新
(違う所にも書いたことだが)らくちんランプで紹介されていたサンケイの記事によると、
あるビジネスホテルチェーンの社長は、木村建設の売り込みを断った。木村建設の工法では「工期が半分になる」ことに疑問を抱いたという。
「ホテル工期半分でお得」木村建設セールス 不審…ルートイン断る
「コンクリの強度問題」
 「木村建設」が、ビジネスホテル最大手「ルートイングループ」(東京)にも「工期が半分になる」と営業活動をしていたことが十七日、分かった。ルートインは極端な工期短縮を不審に思い、断ったという。木村建設が工期短縮によるコストダウンを“売り”に、全国で営業展開していた実態が明らかになった。
 ルートイングループは全国で百二十三のビジネスホテルを展開し、グループ内にホテル建設・施工、設計部門を持つ。偽装問題発覚後、全ホテルの調査をしたが、問題物件はなかった。
 同グループは十七日、ビジネスホテル全体への信頼が揺らいでいるとして、同社のホテル建設を手がけたグループ内の建築士や、社外の設計事務所代表ら約四十人を集め、「耐震構造に関する設計会議」を開いた。
 会議後に会見した永山勝利社長は、約二年前に木村建設が営業に来たことを明かした。永山社長によると、木村建設は「ドイツから移入した工法で、工期が半分になる」と、ホテル建設を売り込んできた。
 木村の工法について、永山社長は「鉄筋コンクリートで工期が半分なんて、とんでもない話」と批判。「大手ゼネコンにもある工法だが、工期は半分になどならない。コンクリートは打ってから強度が出るまで一定の時間がかかる。養生期間が必要だが、木村は強度が出る前に次の上の階を積み上げている」と語った。このため木村物件は鉄筋だけでなく、コンクリート強度にも問題があると指摘した。
 木村建設は十一月に熊本で行った会見でも、「ドイツから移入した工法で、建設業逆風の中、大きな商品になる」などと工法を紹介。これについても永山社長は、「ドイツには地震がほとんどない。そのまま地震大国の日本に持ってきても通用しない」と語った。
 一方、総合経営研究所の内河健所長(71)についても、「初めて名前を知った。要するに、不動産業者などホテルを知らない人たちに話を持ちかけているのではないか」と話し、一連の偽装関連企業を厳しく批判した。
流し込んだコンクリートが固まって(水分が蒸発して)強度が出るまでに1ヵ月はかかるらしいが、木村建設のやり方だと、下の階のコンクリートが固まる前に上の階をどんどん作っていったみたいだね。潰れるんじゃねえの?
それにコンクリートポンプで流し込む時の流動性を増すために、水を多く加えてたんじゃねえか?水が多すぎてもコンクリートは固まるが、内部の微細な空隙が多くなって強度は低下する。・・・というようなことが「コンクリートが危ない」(岩波新書616)に書いてありました!
posted by 鷹嘴 at 12:34| Comment(0) | TrackBack(1) | 工事のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 建設業法建設業法(けんせつぎょうほう、1949年|昭和24年5月24日法律第100号)とは建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによつて、建設工事の適正な施工を確保し、発注..
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