昨日のテレ朝の「報道発 ドキュメンタリ宣言」で、高知の白バイ冤罪事件の特集をしていた。
道路を右折して横断しようとしていたスクールバスに白バイが猛スピードで衝突した事故(白バイ隊員は死亡)で、バスの運転手だった片岡晴彦さんにあらぬ罪が着せられた事件である。
■ 検察側は、白バイが時速60km/h程度で走行していたのにバスが時速10km/hほどで交差点に侵入して事故が発生したと主張するが、片岡さんによると衝突の瞬間、バスは停止していたという。乗っていた生徒も白バイが猛スピードで突っ込んできたことを証言している。また事故の直前に白バイに追い越されたトラック運転手も、「自分は時速55km/h程度で走行していたが、白バイが猛スピードで追い越していった」と証言した。
しかし高知地裁は「第三者の証言といえども信用できるわけではない」とこれらの証言を不採用とした。かわりに、対向車線から走ってきた別の白バイ隊員の「衝突した白バイは通常のスピードだった」という証言を、「白バイ隊員の目視性は優れている」として採用したのである。第三者の証言を信用せず、身内の証言を信用したのである!つーか対向車線のバイクより、自分を追い越していくバイクの方が、どれくらいのスピードなのか分かりやすいと思うけどな普通は?
また、検察側は事故から7ヶ月も経ってから「事故現場のバスの急ブレーキによるスリップ痕」の写真を提示し、これも採用され被告の片岡さんに実刑判決が下った。
■ この不当判決に対し、片岡さん支援グループが同タイプのバスを使って生徒らを乗車させ、再現実験を行った。検察側の主張している時速10km/hで急ブレーキをかけてみたところ、生徒らは「事故当時、こんなひどい急ブレーキはなかった」と語り、また検察側が主張するような長さのスリップ痕は発生しなかった。つーかほとんど判別できないような痕が薄っすらとついただけである。
また検察側の提示したスリップ痕の写真には、タイヤの溝が無かった!F1マシンかよ?支援者の実験によると清涼飲料水を使ってブラシでアスファルトをこすると、おなじような痕が出来てしまうのである。これが偽造されたものであることは明らかだ。
しかし高松地裁はこれらの実験を「審理するにあたらない」として却下、そして「被告に反省の色が無い」即日結審、一審判決が維持された。やってないことを反省しろっつーのか??
最高裁でも審理は再開されず却下され有罪判決が確定し、片岡さんは今年10月23日に収監された。支援グループは片岡さんの出所後、再審請求を行う予定だという。
◇ 片岡晴彦さんを支援する会HP 被告収監中ですが署名活動中
■ チラシを配れば逮捕、デモやれば逮捕とひどい事件が続いているが、それらは国家権力の政治目的に沿った、警察による弾圧である。しかしこの事件は、警察の保身のために容疑者をでっち上げた事件である。というか警察の市民に対する八つ当たりである。身内である白バイ隊員が事故死したんだから、いくら隊員に過失があっても、事実を捏造して事故の相手を檻にぶち込まなければ気がすまんのだろう。日本の警察は市民を守るものではなく、組織を守るために市民に危害を加えることも躊躇わない暴力組織であることがよく分かった。
つーか警察と裁判所は別の役所であると思っていたが違うようだ。警察が冤罪事件を起こせば、裁判所はそれを審理するようなフリを見せながら警察の思惑通りに罪も無き容疑者を犯罪者に仕立て上げてしまうのだ。事件を捜査し容疑者を拘束する組織の意向通りに刑が確定する・・・まるで三権分立など存在しない古代社会のようではないか?こういう未開野蛮な国に我々は住んでいるのである。
2008年12月02日
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「バスは『こんにゃく』で出来ている」- 猿でもわかる、おかしな証拠その2
Excerpt: 警察、検察の主張するバスの前輪のスリップ痕。 警察側が作成した資料で、バスが「こんにゃく」のように変形した事になっている。 「高知に未来はあるのか?」から引用 http://kochiu..
Weblog: 高知検察審査会に求む!!「高知白バイ事故の再審」 - 竜馬の土佐の高知で
Tracked: 2009-01-03 22:10
警察の既得権益を許していて良いのでしょうか。
警察の既得権益に比べれば国営時代の郵便局の受けていた既得権益など小さい小さいと思うであります。
警察は桜の代紋しょった日本一の暴力団でまちがいないと思いました。
治安を警察には任せて置けません。自警団をこさえてジャッジドレッドよろしく逮捕裁判処罰を自分らでこなすようにこの日本を変えていく必要があると思います。
「治安を」と「警察に任せては置けません。」の間に「現行の」を挿入。
「〜置けません。」と「自警団をこさえて〜」の間に「民営化しても変わらなかったら」を挿入でお願いします。
http://enzaix.jugem.jp/?eid=337
今井亮一の「裁判中毒」という本に、検察が警察に頭が上がらない、そして、検察と裁判所は家族である旨書いてありました。
残念ですが、その通りのようです。
この不当な判決が再審で覆ることを祈っております。