毎年AMLで告知されていた「天皇在位20年も昭和の日も祝わない!4.29行動」に、今回初めて参加した。天皇制などという無意味かつ有害な物の廃止を主張するという、実に有意義な集会である。
この日は夜勤明けで、帰りの京浜東北線の中でこの集会のことを思い出して引き返した。危なくこの集会のことを忘れるところだったぜ。AML閉鎖して不便になったな。(そういうわけでデジカメは用意してなかった。残念!)
ムキンポさんの写真集に俺の後頭部とか足とか写ってる。つーかムキンポさんがいたことに全然気付かなかったぞ。やっぱあの人は「忍者ブログ」やってるぐらいだから忍者に違いないw
集会は東京ドームの近くの文京区民センター。方向音痴な俺も今回は迷わなかった。右翼の街宣車が、すっさまじい音量で、
「文京区はなんで反日左翼に毎年会場を貸すのか!!」
「つぶーせつぶせ、反天連!」「ころーせころせ、反天連!」
などと怒鳴りながら周回していたからね。お兄さんたちがそういうこと叫んでると冗談に聞こえないから怖いのよ。古い建物だけどけっこう広い会議室に参加者125名。
■ まず植民地教育史の研究家である四国学院大学の佐野通夫教授が発言した。日本の植民地支配と戦後の在日外国人子弟の教育行政から見られる、天皇制日本がもたらした排外主義を論じた。
日本は朝鮮や台湾を植民地支配し「同化政策」を布いたが、これは何度も言うように「同化」を唱えながら同化しようとはせず、差別は続いていた。「創氏改名」によって金田、金本、李家、張本などという姓が誕生したが、これはいくら日本名を名乗っていても元は朝鮮人である、という識別のためだという。
戦後の1947年、「外国人登録令」によって在日朝鮮人・台湾人の外国人としての登録が行われた。1948年には朝鮮人学校への閉鎖命令が出た。1949年には@在日朝鮮人も原則は公立学校に通わせること、A朝鮮人学校には公的補助を行わないことを閣議決定すると同時に、閉鎖した朝鮮人学校を「公立朝鮮人学校」と名を変えて接収、朝鮮人子弟を受け入れている。
1952年にはサンフランシスコ講和条約が発効し、GHQの指導の下に在日朝鮮人は「日本国籍を離脱」させられた。「公立朝鮮人学校」は「自主学校」となり、多くの在日朝鮮人子弟が不就学となった。現在でも朝鮮人学校は「各種学校」という取り扱いである。
配布された資料によると、近年外国人登録者数は増加の傾向にあるのに、外国人子弟の就学者数(外国人学校+公立学校)は減少している。あるブラジル人の子供は公立小学校で激しいいじめを受け、ブラジル人学校に転校したが通学定期に4万円、(学校は補助を受けられないので)学費月10万円という負担を強いられているという。
天皇の名の下にアジアを侵略した戦前の日本は「八紘一宇」という虚言を弄しつつ、実態は差別・排外主義の塊であった。「天皇制」という帝国主義の根源を残したままの現在の日本社会も、それは色濃く残っている。
■ 続いて「日の丸・君が代の法制化と強制に反対する神奈川の会」の外山喜久男さん、山谷労働福祉会館の「なすび」さん、立川自衛隊監視テント村の井上森さん、女性と天皇制研究会の近藤和子さんによるリレートークが行われた。
AMLでお馴染みだった「なすび」さんのお顔は今回初めて拝見した(勝手に同名のタレントのような風貌を想像していたが全く違った!)。「ポニョ」で一世を風靡した大橋のぞみちゃんとのコラボである。(のぞみちゃん、ちょっと落ちつきがなかったぞ。つーかあんなちっちゃい子だったっけ?「なすび」さんのお嬢さんだったのかな)
「なすび」さんによると、山谷で労働者を搾取してきたヤクザは右翼との結びつきが強く、それは国家権力・天皇制ともつながっているという。
山谷の日雇い労働者は、土木工事を斡旋する「手配師」から給料をピンハネされている。今風に言えば日雇い派遣労働だろう。1983年ごろから山谷の利権に食い込んでいた「皇誠会」という右翼団体は、「国粋会金町一家」系のヤクザだった。「山谷争議団」はこうしたヤクザによる搾取に立ち向かったのだが、警察は「皇誠会」による労働者や争議団への嫌がらせを容認していた。このヤクザによって、争議団の幹部や山谷の実態をフィルムに収めようとした映画監督が射殺されたが、争議団が警察に抗議行動を行ったところ二日間で39人が逮捕されてしまった。日本帝国主義による労働力の搾取と国民への弾圧を、末端で担うのがヤクザ・右翼だったのである。
そもそもこのヤクザの上部組織「国粋会」は、1919年に原敬内閣の肝いりで作られた右翼団体「大日本国粋会」がルーツである。国家権力など所詮はヤクザ・ゴロツキの頭領だが、日本の場合その頂点に位置するのが天皇制である。
また「なすび」さんは、この日会場周辺をうろついていたような右翼よりも、蕨市で嫌がらせ行動を行った「在特会」のような連中の方が、社会的影響が強く危険だと指摘する。街宣車右翼はネットウヨクさえも嫌うが、「***市民の会」などと市民運動を装いネット戦略に長けた「在特会」のような右翼の方が、求心力があるというのだ。
最近、周辺住民からの苦情で路上生活者への炊き出しが出来なくなる事態も起きている。「なすび」さんは、「在特会」のような連中に世論が煽られ、弱者に対する排外主義が増していく危険性を指摘した。
一方井上森さんは、ネットウヨクとの論争から彼らの視野の狭さを指摘した。あるウヨクのブログで中国批判が行われていたので、井上さんが「日本の資本は中国政財界と共犯」であると述べると、そこの管理人は、「日本の企業は中国人を雇っているからえらい」と言い出したというのだ。
ネットウヨクは、自分たちも中国の貧しい労働者のように資本家に搾取される存在であることに気付いていないのである。このような単純な思考力しか持たない人間が増えれば国家権力の思う壺である。
最後に、4月11日蕨市弾圧事件の被害者を支援する「外国人追い出しデモ反対行動救援会」からの呼びかけが行われた。右翼の嫌がらせに抗議するために立ち上がった二人の若者は未だ釈放されていない。※4月30日と5月1日に両名とも釈放された!!
■ 集会後、大勢の公安と機動隊に取り囲まれながらデモ出発。
右翼の街宣車は追い払われたようだが、あきらめきれずにうろついているようで遠くから怒鳴り声が聞こえる。路地裏から突入しようとした街宣車はバリケードで止められ、悔し紛れにあらん限りの罵声を叫んでいた。しかし、トラメガと日章旗を携えてデモ隊に肉薄しようとする勇士?も数名見かけた。
この携帯写真とは別の人物の話だが、歩道で大き目のトラメガを抱えた戦闘服姿の青年が機動隊に囲まれながら、
「お前ら、そんなに天皇が嫌いなら北朝鮮に行けよ。歓迎してくれるぞ」
と叫んでいた。
「お前ら右翼こそ社会の屑だ!日本から出て行け!」
と怒鳴り返したら逆ギレして突っ込んでこようとしたが、体格のいい機動隊員たちに物陰に連行されてしまった。逮捕されたのかしら?どうでもいいけど。
蕨のときとはウヨサヨが完全に逆の立場だよね。国家権力にもこんな利用方法があるのね。つーかサヨがあれをやれば「公安条例違反」とやらで逮捕されちまうだろうな。つーかよその国だったら保守派の逆鱗に触れることやればマジで殺されかねないよな。日本でもウヨクのテロがあるけどドイツやロシアや中国なんかより全然安全な国だよな?
■ 公安や野次馬や外国人にバシャバシャ撮られつつ東京のど真ん中を行進し、靖国神社の鳥居を望む交差点を抜け、九段下駅入口近くの小さな公園で解散。
つーか100人程度のデモだったが、右翼と(恐らくデモ隊の数倍の)警官隊を引きつれ、道路を閉鎖させ、帝都wを混乱に陥れたのは快挙ではあるまいか?ポカンとして見ていた通行人の胸のうちに「そういえば、どうして天皇制が必要なんだろう?」という疑問が生じれば幸いである。つーか天皇制なんかさっさと止めちまおうぜ。
つぶーせつぶせ、天皇制!
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2009年05月01日
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しかし天皇制がなくなった暁も4月29日は休日であり続けてほしいです。
ずばり「革命の日」として。