いつもいつも古いニュースの掘り起こしばっかりでごめんね。
3月11日に米下院で中国政府に対しチベット弾圧の停止などを求める決議案が採択されたところ、中国外交部は「粗暴な内政干渉」と反発したという。どっちが「粗暴」なんだか?
◇ 米下院のチベット問題決議に激しく抗議、「粗暴な内政干渉」―中国外交部 (魚拓)
ついつい頭来て「中国はチベット支配をやめろ!」とか書き込んじゃいそうだけど、そういう主張にも難しいものがあるなあ。現実にチベットは国際上「中華人民共和国」の領土だから、「内政問題」だと言われたらうまく反論できない。中国がチベットを侵略し支配しているように、どんな国でもあちこちの国や民族を侵略・併合して現在の領土を築いてきたわけだし。
つーか戦前の日本の朝鮮支配だって、国際的には朝鮮半島は日本の領土で、朝鮮人も日本国民だったよな。だから「当時朝鮮人は日本国民だったから、強制連行ではなく徴用だ!」という論理もある意味正しい。侵略者の視点から言えばたしかにそうだから。こういう論理を日本の右派や中共政府(及び媚中派)が持ち出して、植民地支配を正当化しているわけさ。
それにさ、「本気で独立したい、と思っているチベット族はどれだけいるの?」とか絡んでくる媚中派もいるわけだ。たしかに全体から見れば少数かもしれないけど、だいたいそういう主張自体がご法度じゃんかよ。「衣食足りて礼節を知る」ってゆうけど、言論の自由が保障されていない現状で「チベット族は本当に独立したいのか?」なんて言っても無意味だ。これも植民地支配を正当化する論理に過ぎない(志願兵の殺到は朝鮮人が日本の支配を受け入れていたことを示している、という論理と同じだ。そもそも志願兵募集は「半強制的」だった)。現在のような言論弾圧下では独立の気運が生まれるわけがない。
もちろん俺はチベット独立の悲願を支持する立場であるが、それはひとまず置いて、中共政府に対し弾圧をやめるように全世界から抗議するべきだ。内政問題だろうとなんと言われようと関係ない。どこかよその国で人権侵害が起きれば、それに抗議して当然だろう。チベットが「中華人民共和国」の「西蔵自治区」であろうとなんだろうが関係ない。中共政府(及び媚中派)が、人権の問題を領土問題にすり替えようとしても無駄だ!
・・・ところで、清朝はチベットを「極めて寛容」に支配し、チベット仏教の内部問題への介入は「極めて抑制的」だったという。
清朝の皇帝は「儒教官僚を前にしては中華皇帝、チベットや モンゴルの高僧達の前では文殊菩薩轉輪聖王、満州人たちの前では満州ハンとして君臨」し、「中国文化人であると同時に、チベット仏教徒であり、狩猟に秀でた満州武人であるという複数のペルソナを有する」ことが、「清帝国に歴代王朝の中で最大の版図を与えた」のだという。満州族から興った清朝は、漢民族やチベット族を支配するにあたって細心の注意を払っていたのだろう。(「世界」2008年5月号 「チベット騒乱の背景にあるもの」P-23より引用。太字部分の元ネタは「東洋史研究」第64巻第2号 石濱裕美子による「平野聰著 清帝國とチベット問題」の書評、とのこと)
それに、清朝の侵略によってチベットは中国の領土になった、と俺は思っていたけど、どうやらそれもちょっと違うようだ。日本の加害事実の話なら飛びついてくるおぢさんたちもチベットの話になると黙りこくっちゃうから教えてくれる人いないけど、清国の政府はチベットを「領土の一部」とはみなしていなかった、らしい。
清朝はラサに「アンバン」という官僚を派遣し監視させていたが、これは植民地の総督のようであり、そうでもなかった。アンバンの職務は「チベット政府の協力なしには機能しない」ものであり、「譬えるなら、チベット政府はローマ教皇で、中国人大使(アンバン)はローマ駐在のオーストリア大使」のようなものだったという。
「ラサの役人」は、チベットは清朝に「服属」するのではなく「同等」と見ており、役人にとっても僧侶にとっても、中国皇帝は「慈善者」であり、誰も「チベットの支配者」とは考えなかった、という。(ロラン・デエ/著、今枝由郎/訳、春秋社「チベット史」P-177、及びダライ・ラマ法王日本代表部事務所オフィシャルサイトより引用)
薩摩藩侵攻後の琉球国と江戸幕府との関係よりも、清朝からの干渉は弱かったようだ。いわゆる「属国」とも違うだろうが、現在の「西蔵自治区」のような立場とは全く違う。
そして琉球国が「琉球処分」によって消滅したように、チベット国も共産党政権の侵略によって消滅した。「チベットは中国の固有の領土」などという主張は歴史の歪曲と言えるだろう。騙されちゃいかん。知ってて黙ってる奴らにも騙されちゃいかん。
◇ 中国チベット自治州 手製爆弾で警察襲撃、騒乱相次ぐ (魚拓)
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◇ 米下院のチベット問題決議に激しく抗議、「粗暴な内政干渉」―中国外交部 (魚拓)
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◇ “面従腹背”強めるチベット 大量宣伝と治安部隊で押さえ込み (1/2ページ) (魚拓)
◇ “面従腹背”強めるチベット 大量宣伝と治安部隊で押さえ込み (2/2ページ) (魚拓)
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以下は中国の核実験のニュース。核廃絶を訴えるなら打倒米帝・打倒中共だな。◇ 中国核実験で19万人急死、被害は129万人に 札幌医科大教授が推計 (1/2ページ) (魚拓)
◇ 中国核実験で19万人急死、被害は129万人に 札幌医科大教授が推計 (2/2ページ) (魚拓)
◇ 中国核実験46回 ウイグル人医師が惨状訴え (1/3ページ) (魚拓)
◇ 中国核実験46回 ウイグル人医師が惨状訴え (2/3ページ) (魚拓)
◇ 中国核実験46回 ウイグル人医師が惨状訴え (3/3ページ) (魚拓)
※ 追記
1980年、中国共産党政権の(当時の)胡耀邦はラサで「チベット民衆の生活には大きな進歩が見られなかった」と謝罪。さらに「(チベット自治区の)幹部たちは中央の補助金を川に捨ててしまったのか」と発言し、漢民族幹部を更迭しチベット族の登用を約束する。これが1987年の失脚の遠因となった。
胡耀邦に育てられ共産党幹部に昇進した胡錦濤は88年にチベット自治区の党書記に就任。翌年3月のラサ騒乱では自ら鉄兜をかぶって装甲車両に乗り鎮圧を指揮した。ケ小平は「中国に必要なのは、このような人物だ」と絶賛したという。ケ小平とは言うまでもなく同年6月の天安門事件の鎮圧を命じた男である。そして民主化運動に恐れをなした彼強硬派の胡錦濤を「政治局常務委員」に抜擢。以降、恩師を裏切って出世した胡錦濤からチベットやウイグル自治区の統治を任された連中は「強硬姿勢を競い合うようになる」。(前掲「世界」2008年5月号 P-24より)
チベット族・ウイグル族を弾圧する中共軍は漢族の市民にも銃口を向ける。このテロ組織に対し、漢族も諸民族も共にこの独裁政権と闘い打倒しなくてはならない。それにしても中共を批判すると「反中国」のレッテルを貼る媚中派にはつける薬もないですな。
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2009年05月09日
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劉備玄徳が今の中国の国家元首だったらどんなにかよかったことか!