2006年02月04日

【東武線4人死傷 元踏切保安係に実刑】

もちろん実際に事故を起こした人間に責任はあるけどさ、「内規に違反する遮断機操作」をしなけりゃ話にならん状況だったんだろう。企業がそういう立場に追い込んでいたと言える。
現場の人間は違法と知りつつも行わざるを得ず、事故に至った場合には責任を負わされ、企業全体の責任はうやむやのまま。これもまた、よくある不祥事と全く同じ構図である。

東武線4人死傷 元踏切保安係に実刑
 昨年三月、東京都足立区の東武伊勢崎線竹ノ塚駅構内の手動式(当時)の踏切で、女性四人が電車にはねられ死傷した事故で、誤って遮断機を上げ、業務上過失致死傷罪に問われた元踏切保安係小松完治被告(53)の判決公判が三日、東京地裁で開かれた。入江猛裁判長は「電車の接近を忘れるなど踏切保安係として基本的な注意義務に違反した極めて重大な過失」として、禁固一年六月(求刑禁固二年六月)の実刑を言い渡した。 
 入江裁判長は判決理由で、事故が起きた踏切について「内規に違反する遮断機操作が日常的に行われていた」と指摘。「小松被告は事故の一年前にも間違って遮断機を上げたことがあった。その後、一時的に(安全確認の)指差呼称をしていたが、間もなく面倒に感じて行わなくなった。安全軽視の態度は強い非難に値する」と述べた。
 その上で入江裁判長は踏切が電車の通る量が多い「開かずの踏切」で、保安係が歩行者らから精神的重圧を受けていたことや、東武鉄道が保安係の重圧が解消されるような施策をとっていなかったことを指摘した。それでも「刑事責任は重く、刑の執行を猶予すべき事案とは認められない」と実刑理由を述べた。
 判決によると、小松被告は昨年三月十五日午後四時五十分ごろ、踏切脇にある詰め所で、電車の接近を知らせるランプが点灯していたにもかかわらず、手動式の遮断機を上げた。このため、踏切内に入った女性四人が電車にはねられ、保険外交員宮崎季萍(きへい)さん=当時(38)=と主婦高橋俊枝さん=同(75)=が死亡。二人が重傷を負った。事故をめぐっては、当時の駅長と本社運転課課長補佐も業務上過失致死傷容疑で書類送検されている。
posted by 鷹嘴 at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 事件、事故 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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