2009年09月26日

「何でボランティアがしなければいけないのか」

 20日と21日に熊本県・鹿児島県の不知火海の沿岸にある市町の各地で、認定は受けていないが水俣病らしい症状がある住民を対象に健康調査が行われた。
 1051人が受診しそのうち357人が水俣病の認定申請を「希望」し、603人が「新保健手帳(医療費が無料になる)」の申請を「希望」した。

 この「新保健手帳」の交付対象外の地域からも300人以上が受診した。今回受診した漁業を営む男性(77)は、「手足の痺れなどの症状」があるが「新保健手帳の対象地域外」なので「申請を遠慮」していたが、「同じ海で漁をする漁師が、住む場所が違うだけで対象外になるのは何かおかしい」と語った。
 また、前にも書いたが1969年以降に生まれた患者は「あらゆる行政の救済制度から外され」ているが、今回27人が受診した。
 水俣協立病院・藤野糺名誉院長が診察した中には「認定相当の重度の人もいた」「少なくとも69年生まれの2人には水俣病特有の感覚障害があった」という。
 年代や住所で線引きするのは本当に馬鹿馬鹿しい。国とチッソの責任逃れに他ならない。全ての水俣病患者を救済するべきなのだ。

・・・ところで俺、この「健康調査」は国か熊本県が実施したんだと勘違いしてた。政権が変わったからダム造るの止めるだけじゃなくこういう動きも出てきたんだな、とか。しかしこの「健康調査」は行政が実施したわけじゃない。「不知火海沿岸住民健康調査実行委員会」が行ったのである。
 委員長の原田正純教授は「こういう調査を何でボランティアがしなければいけないのか。何年も前に国がすべきこと。できることを自ら考えないといけない」と語ったが全く同感。国民の生命と健康を守るのが政治家とか役人の仕事のはずである。それができないならさっさとひな壇から降りな。

【ソース】
◇ 水俣病:「にせ患者」発言 環境省が謝罪 患者団体、部長解任申し入れ /新潟 (魚拓)
◇ 水俣病:未認定患者救済問題 特措法に沿って対応−−小沢環境相 /熊本 (魚拓)
◇ 水俣病1400人検診 熊本 鹿児島 潜在患者掘り起こし 過去最大規模 (魚拓)
◇ 水俣病調査1051人受診、357人が認定申請希望 (魚拓)
◇ 水俣病:2日間で1051人が受診…一斉検診 (魚拓)
◇ 水俣病大規模検診に1051人 「世代・地域対象外の患者」 実行委指摘 960人 認定など希望 (魚拓)
◇ 「差別怖く隠した」 水俣病大検診を訪れた住民 (魚拓)
◇ 水俣病大規模検診 「やっと打ち明けられた」 「隣町なのに対象外なぜ」 受診者に期待と不安 (魚拓)
posted by 鷹嘴 at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 公害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック