2009年10月04日

八ッ場ダム見学

 9月29日、群馬県長野原町のあの場所に行ってきましたよ。

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 これが「八ッ場ダム湖面2号線(仮称)」。皆さん俺みたいなバカチョンデジカメじゃなくて一眼レフカメラで熱心に撮影しておりました。同行者が若い男性に、橋をバックした記念写真撮影を頼まれて快く引き受けていたが、彼もどこぞのブロガーだったりしてね。

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 「やんば館」(入場無料)。平日の午前中なのに駐車場が満車に近くなるくらいだった。累計入場者は25万人以上!恐らく9月になってから相当な人数を稼いでるんだろうね。八ッ場ダムは治水・利水に役立つ、と丁寧に説明する展示物が並んでだけど、わざわざここまで見に来る人は、治水の効果はあまり期待できず、利水についても水需要減ってるから必要ないし、中止したほうが金かかるっていうのはアヤシイことを知ってるだろう。
 アンケート用紙があったけど質問がやたらと多くて面倒だった。「八ッ場ダムを作る理由はなんだと思いますか?」という質問があって8項目から選ぶことになっていたが、どれもアホ臭いので、勝手に「9.利権」と書いてやった。最後の「その他ご意見」には「ダム反対」と殴り書きしてやった。
 つーかこの建物もダムが完成すれば水没するんだって。まあその運命は免れると思うけどね。今後は「ダム造れませんでしたくやしーいです!記念館」として再スタートしてほしいね。

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 この駅もダム完成とともに水没するんだよな。構内には岡本公三さんや大坂正明さんの写真が飾ってあったよ。(大坂さんの容疑は1971年11月14日、渋谷で警察官を殺害したということだが、星野文昭さん(参考)もこの日に警官を殺害した、という冤罪によって無期懲役の刑を受けている。大坂さんの件については何も知らない。つかこの日警官が一人死んだのは事実だが、誰が襲ってたかなんて分かるのかね?もし星野さんが逮捕されてなかったら、大坂さんのようにあちこちに手配写真が貼られてただろうね)

 そのあと4年ぶりに川原湯温泉に行ってみた。
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 この写真が示す通り湖底に沈むはず、なのだが・・・

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 周囲に源泉の香りを漂わせる王湯(入湯料300円)。古びた館内が秘湯マニア?の心をくすぐりますよ。受付で「ダム中止反対署名」を集めていたが、しかし「この土地から立ち退かせて下さい」という署名も不思議なもんですな。

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 このさびれた雰囲気が秘湯っぽくてよろしいではありませんか?
  4年前に一泊したとき宿の人が「あと2年ぐらいはここで営業できる」って言ってけど、その宿も昨年営業終了してた。移転先で再開するつもりらしい。

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 このお土産屋さんでも署名を集めてるみたいだな。サイズを縮めたので読めないけど、
  苦渋の果てダム受け容れし住民に
    むごきぞ今更中止の声は

 という川柳が貼ってありました。仰るとおりでございます。というか本当の事情については存じませんわよ。
 
 言うまでもなく現状は宿も店も老朽化した建物が多い。設備投資せずに立ち退きの補償金貰って移転先で立派なの建てて営業再開するつもりなんだろうね。なのに突然中止じゃ頭くるよな。人生設計狂うよな。つーか移転すりゃOKだと思うのは取らぬ狸の皮算用だよ。
 俺もこんなマイナーな温泉、ダムで沈むって話題になってたんで知ったんだよ。群馬県は強力なライバル多いじゃん。目と鼻の先に草津温泉があるし、だいたい東京からここに来るときどこで降りる?渋川伊香保ICで降りるじゃんか。伊香保って言えば温泉じゃんかよ。なんか売り物がなけりゃ建物を新しくしたってやっていけないよ。ただでさえどこの観光地も苦戦してんだから。
 オフィシャルサイトは民主党への恨みが延々と書き連ねてあるけどさ、もうこうなったら「結局ダムに沈みませんでした!」ってゆうのを売り物にするべきじゃないかと思われ。

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 移転先でこのような温泉街にするつもりらしいが、俺は今のままの川原湯温泉が好きだよ。ダム中止が完全に決定したらまた行ってみたいな。

 その日は同じ長野原町にある知人宅に泊まり、家主が留守なのをいいことにユニークな動画を撮ってみた。ミクシィのほうにマイミク限定で貼ったけどこっちには恥ずかしいから貼らないよ。別にハメ撮りとかじゃないけど。
 ところで同行者が「これで民主党が折れちゃったら、そんなブレる党には誰も入れないよね」と言ってた。たしかに民主党は意地でも譲れないよな。意地を張り通してもらいたいよな。

 今更ながら、八ッ場ダム建設に関する本当の事情を、「八ッ場あしたの会」などを参考にして自分の備忘録用に書いてみる。

 「八ッ場ダム建設の総事業費は約4600億円。その約7割の約3210億円を使っている。
 工事を続ければ、完成まであと1390億円必要。
 工事を中止すれば、東京都などに利水負担金1460億円を返還しなければならない。
 また、「生活関連の残事業費770億円」を合計すると2230億円になる。だからダム完成させたほうがお得」


 などと、テレビなどで報じられている。
 しかし利水負担金約1460億円のうち、国庫負担金が約570億円。元々国の財布から出たお金である。だから返還が求められるのは残りの890億円。ゆえに中止した場合の負担は、
 【生活関連の残事業費770億円】+【利水負担金の返還分890億円】=1660億円
 となる。

 しかもダムを造れば、吾妻川から取水して水力発電を行っている東京電力に数百億円の「減電補償」を支払わなくてはならない。
 かつ、ダムの「貯水池周辺で地すべりの危険性がある場所が22箇所もある」ので「新たな地すべり対策費」が必要となるという。
 それに金額では約7割使い果たしたわけだが工事の進捗率は7割どころではない。付替国道の完成率は昨年度末で6%、付替県道は2%、付替鉄道は75%、代替地造成は10%、しかもダム本体は未着工だ。しかも用地買収が済んでいない場所もあるという。
 建設を続ければ雪だるま式に費用がかさんでいくことだろう(それに造ったあとも維持費がかかるしね)。
 「八ッ場あしたの会」は、これらを合計すると事業の継続には約1000億円の追加費用が必要だと想定している。ということは建設を継続すれば、これからかかる費用は、
 1390億円+1000億円=2390億円!

 そもそも、最初から総事業費4600億円、という金額が定まっていたわけではない。2004年にダム計画の「二度目の変更が告示され」、総事業費が2110億円から4600億円に跳ね上がったのである。倍以上だ(参考)
 「7割使っちまったから完成させちまったほうが楽」などというのは全くナンセンスだ!7割どころか2004年以前の事業費の約1.5倍を使い果たして、ダム本体はまだ手付かずなのだ。

 八ッ場ダムには「カスリーン台風」並みの台風に対する治水の効果などないことを、国土交通省も認めている。(参考)
 「水利」については、このダムが完成しても利根川水系の容量(4億3000万㎥)が、わずか3500万㎥、つまり6%弱増えるだけである。

 住民代表としてたびたびテレビに登場していたおばさんは、長野原町町議会議員の星河由起子さん、という人だった(2007年町議会選挙結果)。まあ議員だって住民の一人だけどさ、てっきり移転する地域に住んでる人かと思ってたぞ。
 それにしてもテレビは、なんでこういうネットを探せばすぐ出てくることをほとんど報じないのだろうか。マスゴミってゆうけどホントにゴミだな。2年後にテレビが映らなくなるのが惜しくなくなりましたわい。

【参考】
◇ 八ッ場(やんば)あしたの会 - 八ッ場ダムについて流されている情報の誤りについて
◇ “八ツ場ダム”隠され続ける地元への巨額補償金 (魚拓)

※ なお、このブログと似通った文章や同じ画像が、別のブログに掲載されている場合もありますが、そのような場合はたいてい同一人物が二つのブログを持っているものとご理解下さい(笑)

 八ッ場ダムは中止っきゃないと思う人は清き一票を!
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posted by 鷹嘴 at 00:35| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

産経 / 2009-09-23 14:30:47


産経では、いつもの事です

今日(9/23)の産経抄
>【産経抄】9月23日
>2009.9.23 03:00

> 建設中止か続行かをめぐって連日、大きく報道されている八ツ場ダムだが、
>なぜ「やつば」ではなく、「やんば」と読ませるのか。全国を網羅している
>地名辞典にも記載がなく、気になって夜も眠れなくなった。

> ▼町役場に問い合わせたが、「昔から地元の人がやんばとよんでいたので…」と要領を得ない。
>「やんば」の語源も谷川の流れが急な場所を示す谷場(やば)、あるいは、弓を射って猟をする
>場所である矢場がなまった、など諸説あるらしい。「ん」をどうして「ツ」と表記したのかに至っては、
>さっぱりわからず、ますます眠れなくなった。

> ▼本当に眠れないのは、半世紀以上にわたってダム建設問題に振り回されてきた地元の人々だろう。
>建設反対派と容認派にわかれて親戚(しんせき)までもがいがみあい、多くの人々が故郷を離れていった。
>幾多の曲折を経て決着がついた後に、マニフェスト(政権公約)に書いてあるから中止だ、では誰だって怒る。

> ▼時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す、という民主党の主張は正論だ。その象徴として
>八ツ場ダムの中止を位置付けているのだろうが、ならば水没予定地を抱える群馬5区に民主党は候補者を擁立すべきだった。

> ▼小欄でも再三とりあげているが、高速道路の無料化だってマニフェスト通りにやれば、温室効果ガスは大幅に増える。
>高速料金1000円につられて、シルバーウイーク中の渋滞は半端じゃなかった。無料になれば、
>民間企業の鉄道や船会社は存亡の危機を迎える。

> ▼どこかの新聞やテレビのコメンテーターは「マニフェスト通りやれ」と合唱しているが、
>問答無用では民主主義は成り立たない。じっくりと違う立場の意見を聞く度量がなくては、
>民主党の「民主」が泣く。


|ええと‥諫早湾干拓事業で堤防作った時の産経抄は「地元の声なんて一切聞くな
|政府が決めたことだから断行あるのみ」の論調だったと記憶していたので調べてみると‥以下の感じでした。


>産経抄 2001.02.05 
>諫早湾の水門開放を「ためらうな」という意見もあれば、「急ぐな」という見方もある。
>有明海の深刻なノリ不作の真の原因は何なのか、専門家ならぬ素人にはむろん判断はつかない

>▼世間はいまや「とにかく開けろ」の性急な大合唱だが、日曜日のフジテレビ系「報道2001」
>でいくつかのことを教えられた。
>(1)水門と堤防は別で、水門は日に何度か開閉されている
>(2)ノリ関係者は「開けろ」というが、他の漁民は開けるとかえって漁場が汚れるともいっている

>▼(3)ノリ不作は水門から近いところでなく、かえって遠い地区で深刻になっている、などなど。
>つまり水門の開閉を問題にしても意味がない。あの長大な堤防そのものを破壊し撤去するかどうか。
>それによって二千数百億円の干拓もチャラにするかどうか 

>▼一般のテレビ報道をみていると、赤ちゃけたノリや派手な海上デモやノリ業者の悲痛な叫びが
>これでもかこれでもかと映し出される。なかには昔のムツゴロウまで登場する。情緒的で感情的な
>映像の訴求力は強いが、一方、堤防を必要とする人たちの声はほとんど出てこない

>▼そんなわけで目下大合唱の水門の開放をいま急いだからとて、何の効果もない。
>ノリは“海の畑”の耕作物だから、その年々の気象や潮の変化などで豊・不作もあるだろう。
>赤潮の異常発生も複合的な原因があるはずである 

>▼それをつきとめるためには、政治的思惑や予断を排した専門家の調査が急がれねばならない。
>農地余り時代だから、従来のようなやみくもの公共事業には文句をいいたいことは山ほどある。
>しかしそのことと、諫早湾の水門開放うんぬんは全く別の次元の問題ではないか。


つまり諫早湾も八ツ場も場合も大規模工事を行った上での事です。
そして‥‥
諫早湾の場合:地元の意見なんて一切関係ないというのが産経の主張
八ツ場の場合:政府がやっぱやめるって場合には地元の意見聞けというのが産経の主張
‥‥という事は、つまるところ大規模工事ってのは常に断行されるべしってのが
産経の基本みたいですね。要は「土建の自民党政治マンセー」というのが産経な様です。
ちなみに去年の参議院質問主意書でも
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/169/syuh/s169131.htm
>四 ダム本体工事費の大幅削減について

>1 ダム本体関係工事費がダム事業費の一〇パーセント以下のダム
> 今回の計画変更により、ダム本体関係の工事費(貯水池護岸工事と地滑対策を除く)は大幅に削減され、
>八ッ場ダム建設事業費四六〇〇億円のわずか九パーセントとなった。この九パーセントは異常に低い値である。
>ダム本体関係工事費が全事業費に占める割合がこのように小さいダムは今まであったのだろうか。
>いままでに作られた直轄ダムや水資源機構ダムの中で、この割合が一〇パーセント以下のダムがあれば、
>その名前と割合を明らかにされたい。
とあります。つまり工費は今から更に増加すると考えて差し支えありません。これまでの大型事業の例から
考えて見積もりの大体3倍程度‥つまり八ツ場ダムだと見積もりが4600億円ですから総計で約1兆3千億円が必要という事になります。
どうみたって八ツ場ダムは中止した方が得策で国益にかないますな。
Posted by 諫早湾干拓門と八ツ場ダムで態度が違う産経抄 at 2009年10月11日 23:36
結局1都6県の下流域に負担させられるわけだし、千葉は560億の住民負担とか
小河内ダムが不要ですからね
Posted by らき at 2009年10月20日 08:28
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Tracked: 2009-10-05 20:30