12月4日に在特会の連中が京都朝鮮第一初級学校に押しかけ、この学校が公園を校庭として使用していることに抗議し(というか汚い罵声を浴びせ)、公園で使用している朝礼台を勝手に校門まで運び、スピーカーのケーブルを切断するなどの行為に及んだ。これに抗議する集会である。
■ 実はこの日、仕事終わってから某労組の会議に出る予定だったが、前田教授の [CML 002376]を読んでこちらに行く気になってしまった。
当日は在特会や「主権回復を目指す会」が抗議行動を予告していたが、前日に会場の「東京しごとセンター」の西沢課長という人が、前田教授の警備要請の電話に対し、「警察呼ぶつもりはありません。誰でも自由に入れる建物だからウヨクお断りなんてしません。アンタたちの使うセミナー室のある5Fまで来るかもしれないし、セミナー室にも入ってくるかもしれませんね。邪魔ならばアンタたちが追い出しなさいよ、うちらは知りません」という趣旨のことを言ったという(ちょうどそのとき、主権回復を目指す会代表の西村修平が抗議に訪れていて、電話する西沢課長を睨んでいたので、当たり障りのないことを言うしかなかったそうな)。これじゃセミナー室に入って妨害するかもしれん!一大事だ!俺なんか役に立たんだろうが頭数は多いほうがいいと思ってね。
5時半ごろ地下鉄飯田橋駅を出て現場に向かうとやっぱり拡声器の罵声が聞こえてきた。しかし馬鹿どもが騒いでいたのは歩道で、周囲を警官隊に囲まれていた。結局は麹町署が厳重に警備し、建物の中で騒げばお引取りいただき、公安がマークしてる奴は最初から入れない、という方針が実行されたのである。なーんだガッカリした(笑)ウヨたちに中指で挨拶してから入ろうと思ったが、いきなり警官に止められた。
「どこに行くんですか?」
「この集会に出るんですよ」
「これ、ですか?」
と警官はウヨの方を指差す。
「いえ、5階でやる集会に行きたいんですよ!」
と答えると、真正面を通らずに迂回して入館するように指示された。
そういうわけで迂回したのだが、入館する前にちょっとだけ覗き込もうと思ったが、警官やボランティアの警備(それとも公安?)が多くて、とてもそんな雰囲気じゃなかったね。下手すりゃこっちが逮捕されるだろうな。
■ 5階のセミナー室に入る前にも自主警備の若者に止められたので、「CMLの会員です、前田教授の告知を見て来ました、問答有用にも書き込みことがあります」と説明。その若者はしばらくポカンとしていたが、なんとか入場を許可された。マスクを付けて帽子を被り、さらにその上からフードを被るという変質者っぽい姿だから止められたのかもね。もっとも右翼担当、左翼担当、朝鮮総連担当の公安が揃っていたらしいから顔を隠しておいて正解だったな。
会場は、俺が入ったころ既に満席に近い状態だったのにどんどん詰め込み、床に座らせたり後ろで立ち見させたりして超満員。前田教授が懸念していたように消防法にひっかかるだろうね。机を撤去すればもっと詰め込めたと思う。つかあんなメール見れば行きたくなるよな、俺みたいに。(開始から1時間ほどして入場は打ち切られた)
それはともかく前田教授や朝鮮初級学校の校長先生のお話でこの問題を理解できて、有意義な集会だった。
京都朝鮮第一初級学校の公園使用については、京都市は「許可は出せない」けど事実上の校庭として認めていたという。しかし2月からは公園の半分が高速道路建設の資材置き場になるので校庭として使用できるのは1月まで。会場で上映されたYOUTUBE画像の中でウヨが「1月2月に出て行くってのならなんで今すぐ出て行かねえんだ!」と怒鳴ってたが、なんで1月2月まで待てないのかねえ。ほんまアホや。また西村は「会場を借りようとする団体名が違うじゃないか!」とか文句つけたらしいが、ウヨはこういう細かい難癖つけるしか能が無いようだな。また、当初参加費500円が予定されていたが無料になった。どこの団体もこの施設で集会を行う際に参加費を徴収してはならない決まりを無視していたらしいが。これもウヨのいちゃもんを避けるためらしい。
しかしこの集会で、これからどうしようか、という議論に至らなかったのは残念だ。
■ また前田教授が以下のような意味のことを語っていた。
「日本は人種差別撤廃条約に加入しているのに国内法が整備されていないから人種差別が野放しだ、速やかに法整備するべきだと思うが、危険性もある。俺もそう思う。両刃の剣になりかねないよな。
日本人と外国人が喧嘩して、外国人が『このジャップめ!』と罵れば、人種差別禁止法違反になるかもしれない、権力に都合よく使われてしまうかもしれない
それに、CMLでは条約で禁止されていることをなぜ禁止しないのか、という意見が多いが、本当に問題なのは、差別を禁ずる法が無いことよりも、俺ら日本人の差別感情ではないか?ごく普通の日本人の頭の中にもひどい差別感情があり、それを目に見える形にしたのが在特会ではないか?「今の店員中国人だったね」と眉をひそめたりする差別感情がある限り、いくら在特会みたいなのを逮捕したって世の中変わらないと思うな。
■ 他の出席者から「貧困が排外主義に向かうのかも」という発言があった。たしかに、弱者が弱者をいじめたくなるような傾向もあるかもしれないが、そればっかりじゃないと思うし、そんな単純化しないほうがいいと思うよ。
たとえば、2005年8月に2ちゃんねるを見て杉並区役所前にやってきた連中は、悔しいけどごく普通の元気な若い衆だったぞ。嫌韓流なんか読んでるのは引きこもりだとか言われてたけどそんな暗さは無かったな。つーか、在特会に引き寄せられる連中は貧乏だ、なんてどういう根拠でそういうことを言えるんだろうか?俺だって貧乏だし、知り合いのサヨにも貧乏人多いけど、みんな在特会には入ってないぞ(笑)
「引きこもりはネトウヨになる」とか「貧乏だからウヨになる」というのは、「外国人は犯罪者になる」というのと同じ偏見ではないか?これぞ、前田教授の述べる 「他者を侮蔑し、貶め、辱めることによって、自分の優位を確認したがるメンタリティ」ではないか?
それになんか上から目線だけど、サヨには差別感情は無いって言えるか?異質なものを排除しようとする性質は無いって言えるか?日本のサヨの歴史を振り返ればとてもそんなことは言えないけどな。
■ 参加者から、「朝鮮学校を襲ったのは20代くらいの若者たちに見える。職が無いので在特会に雇われたのかも」という発言もあったが、あいつら30代〜50代くらいに見えるけど?それに服装や梯子を登る身のこなしから、いわゆる「職人さん」だと思うよ。そもそも普通あんな梯子持ってないよな?
それに、俺も市民活動に参加していたことがあったけど、金払って動員するなんてのはちょっとあり得ないよな。みんな無償労働してんのよ。(在特会だって一種の市民団体だよな?)
夏淑琴裁判の地裁前情宣のときに、西ちゃんたちが俺らに向かって「お前らバイトだろ!」と怒鳴ってが、それと同じ発想だな。ウヨなんて所詮貧乏人だ、って思えば優越感かもしんないけどさ、どうせ金貰って動員したんだと思えば楽かもしんないけどさ、そういう偏見がある限り在特会を批判したって目糞鼻糞だぞ。
また前田教授は集会報告の中で
「麹町署の警備は非常によく統制され、見事な体制でした。三鷹や京都のケースとは違って、麹町署は警備のプロとして、市民の安全を守るために万全の仕事をしてくれたと思います」と述べたが、その麹町署が法大の学生を弾圧していることを知らないのだろうか。つか在特会も麹町署に守られていたと言えるよな。所詮、在特会とサヨの違いは体制内の党派の違いに過ぎないのかもね。
それに在特会なんて知ってんのは一部のウヨサヨに過ぎないよな。ウヨサヨが内ゲバやってれば国家権力には都合がいいだろうし、差別の解消どころかマニアックな世界に堕ちていくだろう。世間から見りゃ乱闘騒ぎがあってもサッカーのサポーター同士が暴れてるようなもんでどっちが正しいなんて興味ねえよな。
■ 集会の最後に警備担当者が「入場が打ち切りになってから来た人たちをウヨクと勘違いして、『何しに来たの、あなたたち』とか言ってしまいました。申し訳ございません」と述べていた。マジでこれはまずいね。てか西沢課長が述べたことも原則としては正しいよな。ウヨが野次飛ばせば注意すりゃいいだけだし、従わなけりゃつまみ出せばいいだけだし。
会場の職員に見送られながら裏口から出たら8時半を過ぎていた。ウヨはとっくに撤収している。師匠に電話してみるともう飲み会が始まっているとのこと、急いで駆けつけた。
芋焼酎をグビグビやってる師匠に「日本は人種差別撤廃条約に加入しているのに国内法が整備されていないから人種差別が野放し」であるのをどう思うか質問したら、「それどころか日本の入管がひどいのを知らないのか。難民認定受けるの難しいんだぞ」と一喝された(参考)。外国人にとって日本という国は差別が酷いどころか、定住すら困難なのである。同じ場所に二度と来ないような淡白な連中を気にするよりも他にやることがありそうだな。でもたまには西ちゃんたちに遊んでほしかったりして(笑)