「機長からお知らせいたします。ただいまこの機は高度1万メートルを・・・あ」
「(そのあと不気味な沈黙が続き、恐怖に耐えられなくなった乗客が)・・・『あ』ってなんじゃい!はっきり言わんかい!」・・・と絶叫する姿には抱腹絶倒させられた。他にも「タイヤ」に収録の短編に同じようなネタがあった。
教育テレビのパロディみたいな感じで、「おねえさん」と「ヤクザくん」(ぬいぐるみ)がジャンボジェット機のレポートに出かける。
ところが出発前の機長がシクシク泣いていたり、祈祷師が必死の形相で「堕ちませんように」と書かれたフダを手に儀式を行いスチュワーデスらも一緒に祈っているのを発見し、「ヤクザくん」はすっかりビビリ「わしゃ、降りるんじゃい!」とごね始める。
「おねえさん」が「そうだ、動力室を見てみましょう」と覗いてみると、そこにあるのはジェットエンジンではなく、フンドシ姿の屈強な男たちが汗だくで水車のようなものを回転させていた。傍らにはスチュワーデスが鞭を片手に監視していた。そう、この飛行機は人力だったのだ!
青ざめつつも「このように飛行機はたくさんの人たちの手で飛んでいるんだね」とレポーターとしての義務を果たしている「おねえさん」と、「いやーおろしてえぇ!!」と絶叫する「ヤクザくん」を乗せ、このジャンボ機は何処へと飛び去っていったのだった・・・。
ま、これはマンガだから幾分誇張されていると思うが(^o^)
しかし貧乏な俺も何度か乗ったことがあるが恐怖心は拭えない。とくに離陸のときが怖い。急加速にビビリつつ、窓の外を見てみるといつのまにか地平線が斜めになっていたり、反対側の窓からは地平線が見えなかったり・・・だいたいあんな鉄の塊が人間や荷物を大量に載せて空を飛ぶこと自体が信じられない。吉田戦車先生も同じ不条理を感じているに違いない。こういう心理を突ける吉田先生はやっぱ天才だと思う。
ところで数日前、飛行機がもっと怖くなりそうな記事が朝日に載った。
「横田空域」で迂回・急上昇の民間機、1日470便ここを見ると「横田空域」がどんな形をしているのか分かる。アメリカの空軍基地のお陰で我が国の旅客機は危険な航行と燃料の浪費を強いられているのである。つーかこういう事実に「保守派」やネットウヨがほとんど反応しないところを見ると、やっぱ連中には愛国心とか郷土愛とか民族の誇りとかカケラも無いのがよく分かる。俺みたいなガキ右翼(笑)には理解しがたい。
2006年02月26日11時07分
米軍横田基地(東京都)が管制を担当する「横田空域」によって、遠回りや急上昇などの影響を受ける羽田や成田空港の発着便が、1日約470便にのぼることが、国土交通省の初めての試算で分かった。09年には羽田などで発着便数が増えるため、約650便が影響を受けることになる。空域の南側の一部が返還されれば飛行時間が短縮でき、燃料費も節約できることが試算で裏付けられた。
空港の運用時間から考えると、現状で約2分に1便が横田空域を避けて飛行しているが、09年以降は1分半に1便になる。空域は日本周辺の航空路を狭めており、異常接近(ニアミス)などの原因になっていると指摘されてきた。日本政府は、空域返還に向けて米政府と協議を進めているが、同省は今回の試算は協議とは「無関係だ」と説明している。
試算によると、現在は、羽田から福岡など北九州や中国、四国に向かう約190便が、横田空域を飛び越えるために東京湾上空で急上昇しており、空域がない場合と比べて1便あたりの飛行時間が約3分増えている。逆にこれらの地域から羽田に向かう約240便は、9分余計に飛んで空域の南側を迂回(うかい)している。また、韓国・ソウルや中国・北京から成田に向かう約40便も、房総沖への遠回りで約7分余計にかかっている。
09年には羽田空港に4本目の滑走路が完成、成田空港でも2本目の滑走路が2500メートルに延伸し、発着可能回数はそれぞれ1.4倍と1.1倍になる。このため、影響便数は羽田発便で266便、羽田到着便で336便、成田到着便で44便の計646便になる。
試算で返還を想定している空域南側の一部は、東京都西部から静岡県の伊豆半島にかけての上空約3000メートル以上にあたる。実現すると、飛行時間は1便あたり9〜3分短縮され、燃料削減効果は現状で年間約80億円、09年以降は109億円になる。
航空各社によると、空域の一部を通過する航空路を新たに設定すれば、異常接近の危険性も大幅に軽減できるという。
東京都・大島から静岡県沖にかけての上空は、西日本と羽田を結ぶ便と、成田に向かうアジア便が交錯する日本有数の過密空域だ。01年にはこの航空路で、韓国・釜山発の成田行きと羽田発那覇行きの日航機同士がニアミスし、乗客と乗員計100人が重軽傷を負っている。
横田空域について、日米安全保障協議委員会が昨年10月にまとめた在日米軍再編に関する中間報告では、「横田空域における民間機の航行を円滑化するための措置を探求する」「米軍の管制空域の削減や横田基地への日本の管制官の併置を検討する」などとしている。
◇
〈キーワード:横田空域〉 米軍横田基地の管制官が管制を担当し、静岡県の伊豆半島から新潟県に至る1都8県に広がる。最高高度約7000メートルのいびつな六角形で、南側の一部は日本政府の求めに応じて段階的に返還され、階段状に約3000メートルまで削減されている。民間機は事前に米側の許可を得るなどすれば飛行可能だが、実際はほとんどの民間機が南側に迂回したり、飛び越えたりしている。
・・・つーか、JALにはもう乗りたくないなあ。お家騒動が表面化する以前からトラブル続きみたいだし。
(参考コピペ)
日航機、車輪格納できないトラブル 青森空港に引き返す
2006年02月21日13時48分
21日午前8時45分ごろ、離陸直後の青森発羽田行きの日本航空1200便で、飛行機の車輪が格納できないトラブルが発生した。同機は安全確認のため青森空港に引き返した。162人の乗客にけがはなかった。ほとんどの乗客は同日午後0時15分発の1204便に乗り換えた。
日本航空広報部によると、故障の原因はまだ分かっていないが「安全運航上大きな問題はない」としている。
中国・大連行き日航機、速度計トラブルで引き返す
25日午前9時37分に成田空港を離陸した中国・大連行き日本航空797便(ボーイング767―300型機)が、離陸直後に速度計が動かなくなり、成田空港に引き返した。
乗客乗員89人にけがはなかった。
同機は速度計を取り換え、同11時27分に再び出発した。同社は原因を調べている。
(2006年2月25日13時53分 読売新聞)
2月27日付・読売社説(1)
[日航内紛]「厳しさを増す利用者の視線」
“お家騒動”を傍(はた)で見るのはバカバカしくも面白いものだ。しかし、年間6100万人の命を預かっている会社が舞台では笑ってもいられない。
日本航空の内紛が発覚して約2週間が過ぎた。役員は収拾を探り始めたが、末端の混乱が収まる気配はない。24日に予定されていた中期経営計画の発表が来月に延期されるなど、内紛は経営の根幹にも大きな打撃を与えている。
日航は今期、470億円の税引き後損失を計上する見通しだ。純資産も1700億円に減っている。再建策を早く実行しないと債務超過が避けられない。内紛にうつつを抜かす余裕はないはずだ。
すべての役職員が危機感を共有し、正常化を急がねばならない。幹部、とりわけ持ち株会社の役員の責任は重い。
旧日本航空と旧日本エアシステムが統合した現在の日航は、持ち株会社の下で国際線と国内線の事業子会社が運航に当たっている。内紛は国際線会社の取締役4人が、管理職約50人の“連判状”を携え、持ち株会社の社長ら代表取締役3人の退陣を迫ったことから始まった。
日航では、深刻な運航トラブルが続いている。昨年3月には国土交通省から異例の事業改善命令を受けた。だが、その後も着陸機のタイヤ脱輪、飛行中のエンジン異常燃焼など、大事故につながる恐れのあるトラブルが止まらない。
企業イメージが下がり、乗客離れが進んでいる。原油高に伴う燃料費高騰にも見舞われている。複合的な要因による赤字転落だけに、再建は容易ではない。
経営陣は昨年秋、赤字対策の一環として、一般社員にも10%の基本給カットを提案した。しかし、労組の反対に遭い、実施をあっさり先送りしてしまった。求心力の低下は目を覆うばかりだ。
造反役員は、今の経営陣の下では業績不振を打開できないとして、退陣を要求した。だが、造反側も運航や安全対策などを陣頭指揮すべき職責にあり、「目くそが鼻くそを笑う」印象を免れない。
旧日航は伝統的に派閥争いの激しい企業と言われてきた。旧エアシステムと統合したことで、内輪もめが一層複雑になった、とも指摘されている。
労組が九つに分かれているため、合理化は遅々として進まない。機材が老朽化し、運航費のコスト競争力も弱い。路線の見直しも不十分だ。直ちに改善しなければならない課題は山積している。
一昔前なら、監督官庁の国交省から最高首脳が送り込まれただろう。だが、完全民営化を果たした今は違う。経営者が全社的な結束を図るほかない。利用者の視線は厳しさを増している。
(2006年2月27日1時39分 読売新聞)
「米軍が国内に基地を持っている事の功罪の一つ。いい形で摩擦が解消されるといいねえ。」
程度の感覚かな。
ウチも米軍の航空路の下なんで、時々五月蝿くなるしテレビの映像やラジオの音声が乱れる。けど、ウチの誰も気にしていない。
…あんまり関係ないか。
国防のためにある程度の市民生活が制限されるのは仕方の無いことなんじゃないかと。
まあ、その制限はできる限り少ないほうがいいのは当たり前だから、必要の無いものや代替のきくものはどんどんスリム化して欲しい。
そのための交渉は政府や自治体のお仕事だね。がんばってもらいたいもんだ。
んで、いい仕事してもらえるように監視するのは我々納税者のお仕事なんだな。