旅行に行く前の話だが、ある日本共産党支持者からCMLにこんな投稿があった。
要約すると以下のような主張である。
「70年代後半より日本共産党は他の野党から排除されてきた。消費税反対運動からも排除された。93年の細川連立政権にも、昨年誕生した民主・社民・国民新党連立政権にも加われなかった。
こうした共産党排除の結果、国労を潰すための国鉄分割民営化が強行され、総評は解散させられ、小選挙区制が導入され、国旗・国家法が成立し、さらには小泉政権の新自由主義が国民を襲った。
共産党が排除された結果、こういう事態を招いたのである」
・・・ってゆうことは、この人は共産党にも現在の連立政権に参加してほしかったのか?普天間基地移設案を元の辺野古沖移設案に戻してしまうような政権に?社民党が出て行っても共産党には残ってほしいとか?
まあそんなことはないだろうが、この投稿を読むと、まるで共産党が他の野党から爪弾きにされなければ、庶民を苦しめる消費税も1047名不当解雇をもたらした国鉄分割民営化も防げた、みたいなノリだよな。もちろん共産党も国鉄分割民営化には反対してたらしいけどさ。そもそも「あのときああしとけば、こうなったはず」なんてバカらしくて聞きたくないよな。
■ その翌日、同じCMLに関西の生コン闘争に関する二件の興味深い投稿があった。少々引用する。
[CML 005160] 竹中のスト破り作戦破産!竹中孤立化へ!(生コンスト)
[CML 005161] スト破りのトクヤマ生コンが倒産!
7月、連帯ユニオン関西地区生コン支部の呼びかけによって大阪府・兵庫県東部の生コン製造・搬入労働者がストライキに入り、多くの建設現場が工事中断となった。
コンクリートとはセメント、骨材(砂や砂利)、水を混ぜ乾燥させた物である。規模の大きな工事なら、乾燥前の「生コン」のままミキサー車で現場に搬入され、型枠に流し込まれる。この作業は生コン製造(つまり骨材や水を混ぜたあと)の約90分以内に行う必要があり、そのため大規模な工事でも近隣の生コン製造業者に頼ることになる。その業者の多くが中小零細企業であり、生コン共同組合を通して受注・販売する。
最近はゼネコンが買い叩くため「生コン」の価格が低下し原価割れする場合もあるという。たとえばセメントや骨材などの原価が1トンあたり1万4800円なのに、生コンの売値はひどい場合は1万円を切る、というケースもあるという。原料費だけで4800円の赤字だ!不景気の折、コストダウンのしわ寄せは下請けに来るのである。
このままでは生コン製造会社は次々と倒産し労働者は路頭に迷うことになる。「連帯ユニオン」は生コン共同組合に対し売値1万8千円を要求して無期限ストに入ったのである(参考)。業界の存続と労働者の生活を守るための当然の決断と言えるだろう。蛇足だが大阪・兵庫の業者がストをしてるから名古屋の業者から買おう、などということは出来ない。上述のように生コンは製造から90分以内に打説しなくてはならない。時間が経てば使い物にならなくなるからな。
そんな中、府内で大規模工事を進める竹中組が、ストに参加していない生コン会社から生コンを納入し、7月30日から工事を再開しようとしたのだが、なんと同日に生コン圧送(建設現場で生コンをポンプで送り込んで打設する)の労働者もストに入ってしまった!
ミキサー車で生コンを運んできても型枠に流し込めなきゃ意味ねえよな。こうして竹中組のスト破り策動は破綻し、他のゼネコンが次々と値上げを了承して工事を再開させているのに竹中組の工事だけが止まったまま、という状況になった。
■ 同じ7月30日、大阪市の徳山生コンクリート(株)が倒産した。この会社の職場は「スト敵視」・「スト破り宣伝」の急先鋒たる「建交労」(共産党系)の拠点になっていたという。
この会社は生コンをゼネコンの言いなりの安い価格でせっせと売ろうとしてたんだろうが、その矢先の倒産である。「すぐに生コン価格を上げないと大倒産になる! という業界の主張の正しさを身をもって証明」したようなものだ。御用組合たる建交労は労働者を守れなかったのだ。(最初から守る気なんてなかったのかも?)
ちなみに7月28日赤旗の近畿版に、このストを敵視する記事が掲載されたという(参考)。UIゼンセン同盟の労組と建交労はストに反対してます、批判してます、などということが書いてある。日共は労働者の側に立たないことを宣言するようなものだ。所詮日共など組織の維持しか関心が無く、労働者を守るわけがないことを忘れてはならない。
■ CMLにはこのような重要な情報が流れる一方、冒頭のような寝言というか妄想も投稿されているわけである。まあAMLの時代より人口が減った分マシだが。それにしてもネット上の日共支持者って、どいつもこいつも性根の腐った奴ばっかりで笑わせてくれるな。
ところで国鉄分割民営化の際に日共とその下部組織がどのように振舞ったのか俺が知るわけがないが・・・「動労千葉 No.29 結成30周年」に面白いことが書いてあった(P-67)。
いよいよ分割民営化という段階になると、国労の中の「革同」や「協会派」の連中は「支部や分会の役員をぞろぞろと」辞任した。「組合役員をやっているとJRに不採用になるから」という理由で。
「協会派」とは日本社会党の一派閥であり、「革同」とは「国鉄革新同志会」という国労内における日共のフラクションである。
役員から先に逃げてしまったら一般の組合員はどうすりゃいいのさ?恐らく、それまで口先だけはまともな主張をしていたんだろうが、いざとなったら自分たちから先に逃亡か。
さらには2000年5月の、JRの法的責任を問わない「四党合意」にも、「革同」所属の中央執行委員は大賛成し反対する組合員を排除したという(参考)。さすが日共ですな。冒頭の日共支持者の主張を読み返すと怒りを通り越して笑いがこみあげてくる。いいかげん、全ての労働運動・市民運動は日共と袂を分かつべきではないか?
まあ日共に信頼も期待も出来ないのは言うまでもないが、国鉄不当解雇の「和解」を受け入れない人々は法廷闘争を続行している。関西生コン闘争では竹中工務店も価格交渉に応じたというが、ストライキ闘争はまだ終わっていない。労働者として当然の権利を求めて闘う人々を支援したいものだ。党派性に拘らず支援する輪を広げたいものだ。
2010年08月15日
この記事へのトラックバック
関西の生コンストライキは、まだまだ続く
Excerpt: マル共連BBS再建協議委員会(準)に「通行人さんは」ほぼ勝利宣言と投稿されていま
Weblog: たたかうあるみさんのブログ
Tracked: 2010-08-22 23:36
で、TAMO2投手経由で建交労のストライキ敵対を紹介するブログ
http://kinpy.livedoor.biz/archives/51849521.html
にたどりつき、そこのコメント欄に
>このストライキを引っ張っている「連帯ユニオン」は、「千葉動労」と同様の、あの暴力殺人者集団「中核派」の偽装団体の一つです。
と書いてあるのを見て、大笑い(^^)
関生と動労千葉の違い・区別もわかんないんですね…思わず再建マル共連に投稿してしまいました。
これはひどい!
まあ、「前進」でも関西生コン・ストを記事にしてますが、ただ取材しただけで・・・