高校を出てブラブラしていたころ(一応「予備校生」だったがw)、どうせどこにも入れっこない、いっそのこと自衛隊に入ってやろうか・・・と思ったことがある。
「カッコイイ戦車の写真が載ってるパンフレットが来るかな・・・」という軽い気持ちで、雑誌についていた自衛官募集の葉書を送ってみたところ、勧誘のおぢさんが自宅まで来てしまったのでマジであせった。丁重にお引取り願いました。
その後、紆余曲折を経て就職し十数年同じ会社で働いていた。何度も辞めたくなったのだが「あの時自衛隊に入って資格を沢山取らせてもらっていれば、いい転職が出来たかもしれないな・・・」と、戻らぬ若かりし日を悔やむ?こともあった。当時の俺の資格は普通運転免許だけだったからね。
要するに俺は、自衛隊に入れば国家資格をいくつも修得することが可能で、数年後除隊したときには引く手あ また・・・と、勝手に思い込んでいたのである。昨日まで。
先ごろ俺の職場に、以前自衛官だったという経歴の持ち主が入社した。シフトが合わないためあまり話す機会がなかったが、昨日は俺も日勤だったので根掘り葉掘り聞いてみたくなった。
「自衛隊ってさあ、任期ってあるんだっけ?」
「まあそうですけど、人の入れ替わりが激しいですね」
「辞めても、転職がいろいろあるんでしょ?」
「いいえ。除隊後の転職は大変です」
・・・意外だったが、だからこそ彼は流れ流れてこういう業界(ビル管理)に入ってきてしまったのだろう。(宿直の回数や残業時間によって異なるが)月給手取り20万そこそこ、ボーナスはせいぜい1ヶ月分、盆暮れ正月関係なしの世界である。
「だけどさ、自衛隊って色々資格取らせてくれるんでしょ?」
「・・・各種運転免許や、何日か講習に通えば誰でも取れるような資格は面倒見てくれますが、たとえばこの仕事だとボイラー技師とか危険物取扱とか、要するに転職に役立つような資格を取るのは、独力です」
「・・・マジ?」
「だから除隊後の転職先で多いのはトラックの運転手とか、警備です」
ビル管理業の三本柱は設備・清掃・警備だが、概して警備員は俺のような設備管理より給与が安いようである(そりゃセコムとか専門の大手はまた別だろうが)。自衛隊とは人間使い捨て組織であり、人生の貴重な時間を無駄されるだけとは知らなかった!
「でもさあ、防衛大学出た人は幹部への道が保障されているんでしょ?」
「そりゃそうですけど、入隊後すぐに自分より経験の多い部下をつけられるのは気の毒でした。部下にいじめられるんですよ。『隊長はそんなことも知らないのですか?』とか」
旧日本軍みたいだな。
「たとえて言うなら、入社したばかりで右も左も分からない私が、ベテランの先輩方が十数名いるこの現場で、いきなり所長をやらされるようなものです」
そりゃ絶対無理だ。旧日本軍みたいだな。
「そういうストレスで、年に数人は飛んじゃうんです」
「飛んじゃうって?」
「自殺です」
・・・こういういじめられてる人たち、除隊後が不安な人たちがイラクとかに行かされてるわけか。一方実情を知らない自民党の政治家とかネットウヨとかが、国防とか国際貢献とかほざいてるわけか。世の中の仕組みが少しは分かってきた。軍隊なんて馬鹿げたもんは早くこの世から無くさなければならないね。
2006年04月04日
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「不条理日記」いつも楽しく読ませて頂いてます。
僕は少し前、
「逃げたいやめたい自衛隊―現職自衛官のびっくり体験記」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4916117662/249-2772586-0947559
という本を読んだんですけど、この元自衛官の同僚の方の話と
かなり一致してますね。(ビックリ)
この暴露本の内容は、やはり正しかったんだと認識しました。
よろしければオススメします。
小西さんの本の影響を受けて自衛隊に入って反戦運動をしようと思ったことがありますが、結局実行しませんでした。
「逃げたいやめたい自衛隊」読んでみたいと思います。
お返事ありがとうございます。
ノンポリさん流の「感想」を楽しみにしています。
(あなたのユニークな文章に親近感を持っています。)
>アッテンボローさん
豪華なフォローありがとうごさいました。
僕も今後の参考にしたいと思います。
周辺諸国はまさに不穏な状態だ。
遠交な国が多いのがまだ救われている状況だが。
実際自衛隊と言えど軍隊なのだから、フルメタルジャケットとはいかないまでもいじめ等があるんだろう。
というかどの職場でもいじめはあるだろうね。
でも苛められている自衛隊員の場合、中々一般の人々に胸襟を開いて語ることは難しそうだ。こういう所を改善していかなければならないんじゃないのか。
ある本に「料理人なのに『私は料理をしません』といってるのと同じだ」なんて調子で皮肉られてましたが・・・・。
いいえ、私は肯定できません。
しかし、いまさら昔みたいなことはしないでしょ?革マルも革労協も民青も。
中核派に入ればいいのかな?
http://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%AD%E6%A0%B8%E6%B4%BE+%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%AE%B6%E3%80%80%E9%80%83%E4%BA%A1%E3%80%80%E9%80%AE%E6%8D%95&hl=ja&lr=&sa=2
そういえば「逃げたいやめたい〜」に、海自第一術科学校内の暴力事件について書いてあったと思うんですが、事件発覚後、当時の海幕長は即座にマスコミに謝罪のコメントを述べ、事件現場となった術科学校にも視察しに来たそうです。
あの本には書いてありませんでしたが・・・。
高校野球なら、いつかのPL学園みたいに金属バットだかパイプ椅子だったかで(?)後輩殴って野球できなくなる位の重傷負わせたって自衛隊・警察の時みたいに世論の非難を受けることは無いのに・・・・・。
やはり(高校)野球みたいに国民に愛されるようになれば、多少の事は大目に見てくれるのかな?
で、これは「逃げたいやめたい・・・・」
あ、これは「逃げてた」ところで、逃亡生活を「やめたくなかった」人の話か。
http://j.peopledaily.com.cn/2003/07/08/jp20030708_30470.html
悪いけど、わたし的には中核派だろうが革マル派だろうが日共だろうが、自衛隊より偉いとは思えないんです・・・。
この前の選挙で自民は「民主ってこんなことしてたんですよ〜」なんてパンフ配ってましたけど、結果はどうなったかというと・・・・。
P.S.社会批評社って、中核派と対立関係にあるところなんですね。
税金使ってない分、自衛隊よりはるかにエライですwww
もっとも日共の議員は給料貰ってますが、あそこは政党助成金受け取ってないしwww
たまたまここに行きつきました。ぶっちゃけて言いますが・・・
大体その自衛官の方の言ってることはあってます。仮に就職してもミスマッチが凄まじいので(民間の人も自衛官に対する妄想がすごいですし、自衛隊自体も腐った内部事情なんて露呈したくないから外に情報を出さないですからね。秘密保持の観点で情報を出さないなんてのは極わずかですので。張子の虎の軍隊ですから)最初の転職先で居つけることは珍しいですね。
あとちょっと前まで(定員割れしてる頃)は地連・本のおっさんが嘘八百並べてなんとか入れまくってた時代もありますし、組織の価値観そのものは旧軍を範としていて組織としてあまり信用できる所ではありません。やくざか右翼団体の根城に行くつもりで行けば比較的すんなり適応できるんじゃないかな。中卒〜偏差値30くらいの高校までなら人間関係も含めて良い就職先だと思いますがね・・・。
ま、こういうネトウヨさんが嫌いそうなこと言って反論してくる奴がいるなら、そいつにはとりあえず入隊をおすすめします。入れば自衛隊ってところがよくわかると思いますよ。
あとあれだ、新品少尉が下から突き上げられるのは「旧軍」に限ったこっちゃない。古今東西どこだってそう。
軍という組織の悪癖を全て「旧軍」で括るのは、それはそれで目を曇らせるよ。