10月10日、「三里塚芝山連合空港反対同盟」主催の「全国総決起集会」に行ってきた。俺は多分5回目くらいだと思う。会場は今年5月と同じ反対同盟の萩原進事務局次長の農地。雨合羽脱いだり着たり忙しかったぞ(笑)
いつものように都内某所に集合しマイクロバスで現地へ。会場に入り、古雑誌置き場で拾ったヤンジャンを座布団代わりにした(もちろんゆきりんのグラビアは切り取り済みだw)。結局泥だらけになったけどよ。
そして、これまたいつものようにステージに向かって右側と左側に分かれてそれぞれ前段集会が行われた。右側(つまり動労千葉関係)の前段集会は杉並の北島邦彦区議、現地農民、八尾北医療労働者、京成電鉄労働者、そして法大文化連盟委員長の齋藤郁真さん、全学連委員長代行の坂野陽平さん、労組交流センターの発言が行われた。
京成電鉄の労働者は、会社から「京成は成田空港のお陰でやっていける。10日の集会行くなよ!」という脅しに屈せず参加したという。斉藤さんは珍しくラフなスタイルだったが、文化連盟のツイッターによると仕事明けだったらしい。そのうち雨が強くなってきて、15年くらい前に買った浦和レッズの真っ赤な雨合羽をかぶった。雨の駒場でこの雨合羽を着てPK戦まで声援を続けたことを思い出す(結局負けた)。この雨合羽、かなり場違いで恥ずかしかったです・・・
そして12時から反対同盟森田恒一さんの開会宣言に続き、北原鉱治事務局長の主催者挨拶、萩原進事務局次長の基調報告。 特別報告として動労千葉・田中康宏委員長、沖縄の基地反対住民、関西新空港反対同盟の長井さん・山本さんが発言し、大手ゼネコンによる生コン買い叩きと闘う関西生コン支部のメッセージが読み上げられた。
このように集会の最中もジェット機が遠慮なく飛びやがる。
うるせえ!
動労千葉田中委員長は「領土を争っている場合ではない、中国でデモに決起した労働者・農民と連帯するべきだ」と訴えた。全く同意。両国の労働者農民の共通の敵は、日本帝国主義と中国共産党による一党独裁政権のはずだ。それはともかく尖閣諸島に関する中国政府の態度は全く許せないものがあるが・・・続いて北総農民の小川浩さんによる労農連帯アピールに続き、農地収奪攻撃と闘う現地農民の市東孝雄さん、市東さんの農地取り上げに反対する会が発言。
あいにくの天候だったが1560名が集結した。
さらに市東さんの農地を守る裁判と三里塚現地闘争本部裁判の弁護団、部落解放全国連、婦人民主クラプ、闘う障害者、山谷労働者、福日労が発言し、星野文昭さんの獄中メッセージを暁子さんが読み上げた。そして全学連委員長の織田陽介さん、解放派、共産同統一委員会が発言し、集会宣言・スローガン採択が行われ、いよいよデモ出発。雨合羽はとっくに脱いだ。気がつきゃケツが泥だらけ!
相変わらずお巡りさんたちが凄い数ですね。僕らの税金がこういうことに使われているかと思うと・・・
B滑走路の第3誘導路建設のため「団結街道」は閉鎖されてしまった。この先はいつもとは違うコース。
成田にも東横インがあったんですか。ってゆかどこに行くんだろこれ?
機動隊の中には、あどけない少年のような顔立ちの隊員もいて、ほんの20年くらい前にはこういう若い隊員が最前線に立たされて鉄パイプの雨あられを浴びていたのかと思うと複雑な気分。たとえばこんなふうに。殴られてる公僕の皆さんには悪いけどついつい何度も見ちゃうよね。
そりゃそうと毎度の如く国家権力が「只今、午後3時何分、君たちの隊列は右側車線にはみ出している、警告に従わなければやむを得ず・・・」などとマイクで怒鳴ってたが、お前らが右側の路肩にたむろしてても意味ねえだろ。センターラインの上に隊員を配置してデモ隊を左側車線に押し込めばいいのに、ときどきこの人たちが何を考えてるか分からなくなります。つーか、チャンスがあれば一人か二人、見せしめのために連れ去るつもりだったとか?(この日は弾圧は無かった模様)
団結街道が封鎖されたせいでいつもよりずっと長いコースになってしまった。ふと見ると分離壁の向うになんか見たことのある建物が。よく見りゃ現地闘争本部じゃんか!近寄ることすら出来なくなったんだ。
解散地点は市東さんの農地(空港側は高いフェンスで遮断されている。遠くに見えるのが現地闘争本部)。トラクターに乗る市東さんと北原事務局長ら反対同盟の皆さんがお出迎え。自宅と農地を直線で結ぶ団結道路が封鎖されてしまったため、市東さんは毎日大幅な迂回を余儀なくされているのだ(今回のデモコースよりは近道があるそうだが)。
そしてさっき歩いてきた車道を逆戻りし、いつものバス置き場まで帰ったわけだが、また国家権力が「車道にはみ出さずに右側の隅を歩いて帰りなさい!」とか怒鳴ってたけど、てめえらが団結街道を封鎖するからこんな不便になったんだよ馬鹿。
しかも「ノボリ、旗竿をしまって下さい!」「ゼッケンを外して下さい!」とか余計なお節介をするんで「なんでゼッケンを外さなければいけないんですか?ゼッケン付けて公道を歩くのは法律違反なんですか?」って普通の言葉遣いで質問したけど、完全にシカトしやがった。私は君たち権力の犬と人間的な付き合いをしたいのに心外ですな。つーかデモが終わったあとノボリやプラカードを掲げたまま歩くだけでも、弾圧の口実にしやがるかもしれない(参考:2004年立川反戦ビラ弾圧事件・抗議デモ参加者の感想)。許可されたデモの終了後の示威行為は許されない、とか言うつもりだろう。ま、無事に終わってよかった。皆さんお疲れ様です!
ところで羽田空港は第4の滑走路が完成し、今月21日には「新国際線ターミナル」がオープンする。これに焦りを感じたのか、成田空港は地元自治体の承認を得て年間発着枠の22万回から30万回へ増便するという。市東さん、萩原事務局次長ら三里塚の農民だけでなく近隣の住民に更なる苦痛を強いるものだ。
それにしても成田より羽田のほうが便利なのは言うまでもないし、猫も杓子も海外旅行に行ったバブル時代と違い、若者の海外旅行離れが懸念される時代である。海外旅行どころか数年後、数ヵ月後の生活が不安な時代である。成田空港建設の歴史的な不当性、B滑走路拡張計画の不当性を別にしても、この空港の存在意義を問うべき段階ではないか?
とりあえず羽田も成田も「国際ハブ空港」なんて高望みはやめたほうがいいと思うな。羽田だって騒音問題があるし。
2010年10月14日
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10・10三里塚(成田)現地闘争報告(その4)
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