【追記のお知らせ 2017年4月9日】
 記事「【5月7日】雁屋哲さんの講演+井戸川克隆さんと対談」に、「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」から福島現地での鼻血の症状についての報告例を引用しました

2010年10月22日

【尖閣諸島は】帰ってきたヨッパライ【誰のもの?】

 今更だが尖閣諸島問題について書いてみる。ってゆうかツイッターに書き散らした文章の焼き直し+α

 まずは例の漁船追突事件の経緯を、9月30日朝日新聞より引用。
 9月7日午前10時15分、尖閣諸島の近海にて石垣海上保安部の巡視船「よなくに」が中国漁船に退去を警告。しかし漁船は船首を「よなくに」の船尾に衝突させて逃走。巡視船「みずき」「はてるま」が停船命令を出し、追跡。
 10時56分、漁船が今度は「みずき」に衝突。そのため巡視船は、この停船命令を無視して暴れる漁船の針路を塞いだ。この二度の故意の衝突は、どちらも日本の領海内で行われたことである。たとえ公海上であとうとも重大な犯罪行為であるのは言うまでも無い。
 午後0時56分、「みずき」がやっと漁船を停止させ立ち入り検査。
 8日午前2時3分、海上保安庁がこの漁船の船長である「・其雄」という男を公務執行妨害で逮捕。
 7時25分、・其雄容疑者の身柄を石垣海上保安部に移す。
 9日午前10時41分、容疑者の身柄を那覇地検石垣支部に「身柄送致」。これが衝突事件の概要である。

 ところで前原誠司(当時の国土交通省大臣)は事件発生直後に海上保安庁から電話連絡を受け、「中国漁船の船長は逮捕するべきだ」と指示したという(9月28日朝日新聞)。あえて逃す、という選択肢もあったろうが、主権国家の立場から前原の判断は間違っていたとは言えない。それにしてもわざわざ大臣の指示を仰がなくてはならないことか?
 一方、漁船(166トン)と巡視船(1349トン)の大きさの違いから、事故の経緯に疑問を抱く声もあるが、まさか海の上で「転び公妨」はしねえだろ?運が悪けりゃ転ぶどころか沈んじまうからな。もしも巡視船に重大な過失があったとすれば釈放された船長がとっくに訴えているはずだが、「中国の領海で漁をして何が悪い」「また釣魚台に行きたい」などと述べるだけ。それどころか取材を禁じられているらしい。余計なこと喋って欲しくないんだろうな。事件当時泥酔状態だったらしいぜ。
 ・船長は地元関係者の間ではかねて「習慣性酒精中毒(アルコール中毒)の酒鬼」で知られ、「事件の際にも白酒(アルコール度の高い中国製ウオッカ)をあおり泥酔していた」「14人の乗組員は、今回の出漁に際し臨時募集したメンバーで、乗船するまでお互いの名前すら知らなかった」「事件当時も、乗組員は皆、割り当てられた持ち場で作業中だった。操舵室で舵を握る船長に声をかけたり注意したりできる乗組員はいないし、もともとそんな必要も雰囲気もなかった」「自船(166トン)よりずっと大きな“よなくに”(1349トン)など巡視船3隻に包囲されたのに、全くブレーキをかけないどころか、さらに加速して突進した。狂気の沙汰だと思ったときは後の祭り」「展開を想像できた乗組員は1人もいなかった」
 この一介の酒乱が、「燎原の火」をつけちまったわけだ。

 7日夜には外務次官が中国駐在の日本大使を呼びつけて抗議するなど、中国政府は当初から厳しい態度を示していたが、事件翌日の8日の「人民日報」(中国共産党の機関紙)はこの事件を報じなかった。9日に「3面の一番下に『中国側は日本側に厳正な交渉を提起した』との記事」が載っただけ。「反日感情の高まりをきっかけに一党支配体制に飛び火するジャパン・リスク」を恐れていたと見られる。
 しかしネット上などで「反日世論」が爆発したため「一転してギヤを入れ」、外務省次官から外相、さらに温家宝首相による抗議、さらに様々な嫌がらせへとエスカレートしていった。(9月26日朝日新聞、中国総局長坂尻信義氏のコラム)。どうやら最初は事を荒立てたくなかったようだが、世論の激化を恐れたようだ。
 9月18日(1931年、柳条湖事件によって日本の中国東北部侵略が開始された日)、北京で反日デモが行われ、無秩序に日本大使館に向かおうとする群衆を警官隊が「君たちの気持ちはよく分かる。政府は味方だ」「中国はもうすぐ空母を持つ強大な国になる」などと宥めたという(9月18日朝日)。土地強制収用反対デモや人権活動家に対する扱いとはえらい違いだ。
 また10月16日、東京都内で右派によるデモが行われたらしいが、同日に中国でもこれに対抗するデモというか暴動が発生。日本車が引っくり返され、イトーヨーカ堂や日本料理店が襲撃された。日本車のオーナーも、現地イトーヨーカ堂の経営者・従業員も中国人ではないか?まあ日本の状況も言えたもんじゃねえが。
 成都の日本料理店「北海道」の経営者の妹の揚芳さんは、以前日本で「研修生」として3年間働いていたので片言の日本語が出来るという。16日の夜、身重の身体で暴徒の前に立ちふさがった。
 「同じ中国人じゃないの!お願いだからやめて!」
 しかし暴徒は制止に従わず店内に乱入。ガラス戸も冷蔵庫もエアコンも破壊され、日本酒の一升瓶は50本以上割られた。損害額は12万元(約150万円)に上るという。
 「おなかの子?大丈夫です。それより、冷蔵庫が壊れたので、刺身は全部腐っちゃいましたが、煮物なら出せますよ。食べていってください」。痛々しいほどの作り笑い。目には涙がにじんでいた。(10月18日東京新聞)

 こうしたデモ?について、中国の若手作家の韓寒氏が自身のブログで「反日デモはマスゲーム」と指摘した。要するに、政府に抗議するデモは許可されない中国において唯一可能な「反日デモ」など、北朝鮮が国民を動員して行うマスゲームだと同じだ、という指摘である。
 政府の土地開発で立ち退きを迫られて抗議の自殺をした庶民や、当局に拘束された作家の名前を挙げ、「もし唐福珍や謝朝平のためのデモをすることができるなら、釣魚島や(妨害された北京)五輪聖火リレーのために自分もデモに参加しよう」とした。
 このブログ記事は即日削除されたそうだが、ネット上では韓寒氏への批判と「同じくらい、『よくぞ言った』『自分の気持ちをこれほど明快に表現した文章はない』といった支持が集まったという」。
 さらに16日のデモに対し「本当に自発的?」(ありようは官製デモではないか?)という疑問も出ているという。「各大学の政府系学生会が組織したものだった」という報道もある。考えてみれば(どこの国でも同じだと思うが)中国では届出の無いデモは許可されない。なのに、自然発生的に集まるデモがなぜ規制されないのだろうか?「官製」かどうかは別にして、「ガス抜き」のためにある程度は黙認されているようだ。

 中国の現政権は、ナショナリズムを煽り立てることで一党独裁体制を辛うじて維持している。国民の信任を失えば覆るもの早い。世論を操作しておきながら逆に世論に迎合しなければならない場合もある。
 ナショナリズムの高揚は、外交面でさらなる強硬姿勢を中国政府に求める世論の副産物を生む。今後、胡錦濤指導部は批判の矛先が共産党・政府に転化することを避け、デモでガス抜きをさせながら国内世論をコントロールして沈静化を図ると見られる(10月17日東京新聞)
 こういう内情だから下手にデモ鎮圧などできない。「反日」が反政府に向かったらたまったもんじゃない。実際に公安当局者が「暴徒の多くは職のない貧困層で、反日を口実にデモに参加し、反政府を訴えた。中には四川大地震で家と仕事を失った者もいたようだ」と語ったそうである(10月18日東京新聞)。
 だからこそ、中国共産党政権にとって領土問題は国民の手前、絶対に引けない。まあどこの国も同じだと思うが、独裁国家の場合にとっては特に重大なことだ。もしもナショナリズムに染まった大衆さえからもソッポを向かれ政権を失えば、共産党指導部は政権奪取以来の汚職、住民からの土地収奪、環境破壊、天安門事件、人権活動家への弾圧、チベット族・ウイグル族弾圧・虐殺の責任を問われ、ムッソリーニやチャウシェスクのようにギロチンにかけられることになるからな。

 この事件の渦中、レアアースの中国からの輸入が滞った。大畠章宏・経済産業相は、もし中国政府の指示によって輸出が止められているならばWTO違反だと言及(中国政府は輸出禁止指示を否定したが)。
 ただでさえ中国が輸出を制限しようとしていたときにこの制裁?は痛手だろう。しかし日本経済はなんとまあ脆弱なことか!(ちなみに日本はレアアースの備蓄が20年分!という都市伝説は、こちらのサイトで瞬殺)
 また23日には河北省にて、準大手ゼネコン「フジタ」の社員4名が軍事管理区域に侵入して撮影を行っていたとして当局に拘束された。このうち3人は9月30日に、最後の1人は10月9日にやっと釈放された。

 9月13日、・其雄容疑者以外の14人が帰国。・容疑者については19日、那覇地検石垣支部が10日間の勾留延長を決定。これに対し中国側は同日、日中間の閣僚交流停止を決定。
 結局、・容疑者は25日に不起訴釈放、チャーター機で帰国した。那覇地検は「我が国国民への影響と今後の日中関係を考慮すると、これ以上、身柄を拘束して捜査を続けることは相当でないと判断」した、と説明した。ってことは在米日本人が危害を加えられたり、アメリカに経済制裁を受ける恐れがあれば、アメリカ人の犯罪者は釈放するのかえ? 政府からの圧力があったと思われる。あきれたことに菅直人は周囲に「超法規的措置は取れないのか」などと語っていたという。
 図に乗る中国政府は日本政府に対し「謝罪と賠償」を要求。なぜ日本のほうが、謝罪と賠償を行わなくてはならないのか?逆だろ馬鹿。
 しかし次第に中国政府の態度は軟化した(レアアースの対日輸出はまだ滞っているらしいが)。日本政府が中国政府の不当な圧力を受け入れ、屈辱外交によって関係修復を図ったわけだが、中国政府にとっても日本との経済関係を壊したくないだろう。しかし尖閣諸島近海では船長の釈放後も「漁業監視船」が徘徊(9月29日朝日新聞)し、今月も3隻も仕向けたという。こうして威嚇し、日本政府をとことん屈服させようとしているのだろうか。
 一連の菅政権の対応を、日本共産党を含めた野党は激しく追及。しかし「尖閣諸島は中国のもの」だという中国側の主張を支持する声も、一部に見受けられる(続く・・・かもしれない)



 せっかくだから替え歌でも作ってみるか。

 オラは逮捕されただ〜〜

 酔った勢いで〜〜

 巡視船にぶつけて〜〜

 オラは逮捕されただ〜〜
 
 ぜったい起訴されるだ〜〜

 留置所いいとこ一度はおいで

 メシはまずいし権力は鬼のようだ〜〜ワッ!ワッ!ワッワッ!


 オラは釈放されただ〜〜

 チャーター機が迎えにきただ〜〜

 帰ったら英雄扱いだ〜〜

 だけど軟禁状態だ〜〜

 オラん家よいとこ一度はおいで

 電話は盗聴されてるし公安が監視してるだ〜〜ワッ!ワッ!ワッワッ!



posted by 鷹嘴 at 00:08| 政治ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする