10月から朝日を辞めて東京新聞を取っている(販売所は同じだ)。正直新聞なんて取んなくていいと思うが同居人が新聞ないとつまらんって言うんでね。正直朝日と比べると資金力不足だな、と感じることもあるが、一方で朝日だったら無視するような話を記事にしている。10月19日の【こちら特報部 令状請求ほぼスルー】より引用。
8月22日、大阪・釜ヶ崎の野宿者を支援する映像記録を撮り続ける在日コリアン二世の金稔万さんが、大阪県警公安三課と尼崎北署の家宅捜索を受け、「免状不実記載」と「偽造有印私文書行使」の容疑で逮捕された。金さんは免許の住所を自宅ではなく自分の事務所の住所にしていた。また事務所の賃貸契約の更新をした際、保証人と連絡がつかなかったという。
「免許については当時、仕事場の住所で寝起きしていて、どちらでもいいと思った。賃貸契約更新の件も不動産会社に事情を説明、了承を得ていた」
普通こんなことで逮捕するか?引っ越したあと免許の書き換えを忘れてるなんてよくあることだが?今まで逮捕歴など一度もない金さんはどうしても納得できない。勾留理由開示公判は「裁判官なら、説明すれば分かってもらえる」「裁判所は警察や検察とは違う」と期待を抱いて臨んだ。
しかし「約5分間の形式的なやりとりの後、拘置と接見禁止があっさり認められた」。理由を訊ねても裁判官は具体的な内容に触れず、ただ「証拠隠滅と逃亡の恐れがある」と繰り返すだけだったという。法大弾圧とそっくりだな。
結局金さんは9月1日に不起訴釈放された。一体警察は何が目的で金さんを逮捕したんだろう??
「身に覚えがなくても逮捕や家宅捜索をされれば、本人も周囲も怯える。野宿者支援の活動を萎縮させることが狙いだったのでは」
結局は政治弾圧だったようだ。
■ しかも、金さんが2回だけ寄稿したことのある「人民新聞社」にも、総勢17人の警官が押しかけて約4時間、家宅捜索された。「最初は金さんの名前を聞いても誰のことかピンと来なかった」(山田編集長)。コラムニストが逮捕されたら、そいつが寄稿したことのある新聞社まで家宅捜索されるようなもんだ。
「金さんの免許がどうなってるかウチが知るわけがない」と抗議しても「捜査内容は話せない」「裁判所が許可している」と繰り返すだけ、だとさ。押収品は新聞やパンフレットなど、既に公開されているものが数点。つまり家宅捜索の必要など全く無し、左翼への嫌がらせに過ぎなかったわけだ。
東京新聞が神戸地裁に、金さん逮捕や人民新聞への家宅捜索を許可した理由を質問したところ「逮捕や捜索・差し押さえの令状は捜査の密行制(秘密)があり、理由はもちろん、請求や発付の事実関係も答えられない」とのこと。しかし人民新聞社へのガザ入れを許可した判事は何考えてるんだ?何も考える能力の無い人間だろうね。
■ (現行犯以外の)逮捕、捜索、差し押さえは、全て裁判所の許可によって行われる。つまり裁判所が警察・検察の権限をセーブする機構なわけだが、実際のところ素通りに等しい。
昨年度警察・検察が逮捕状を裁判所に請求した11万6218件のうち、裁判所が却下したのはたったの55件(0.047%)。
捜索・差し押さえ請求件数22万1530件のうち、却下はたったの50件(0.022件)。
元大阪高検公安部長の三井環氏は、
「裁判所のチェックなど全く無い。自ら記録を読み、判断する気が無い。拘置を決めるときもそうだ。私の現役時代にも、裁判所に却下された経験は一度もなかった」「とくに公安事件(弾圧)ではすべて裁判所への令状請求が通ると考えてよい。裁判所は捜査機関に依存し過ぎている。裁判でも、法廷の証言より検事が取った調書を重視するくらい。マスコミが裁判所を批判してこなかったのも一因だ」
と語る。だから学生が集会やっただけで逮捕・勾留されちまうんだな。
■ 元裁判官で弁護士の生田暉雄氏によると、こういう令状を許可するのは多くは簡裁の仕事で、厳密なチェックなどしない。しかも警察や検察は、その日の担当が厳格な判事だと分かると請求を見送り、簡単に令状を出しそうな判事が担当する日を見計らって請求していたという。
「多くの簡裁判事は司法試験ではなく、裁判所書記官のような実務者が簡裁判事試験に受かってなる。このため権力へのチェックも弱くなりがちだ。逆に厳格な判事は『変わり者』と見られ、排斥されていく」「令状許可は第三者機関に委ねてはどうかと思う。裁判所は権力の追認期間となりつつある」
以上、東京新聞【こちら特報部】より引用。実際、人間の社会で生活する上で警察や検察がなきゃ困るが、どうやら市民の生命財産・権利を守るよりも、政治体制の維持や自らの組織を守るほうに熱心なようで、裁判所も警察・検察の付属物と化しているようだ。こういう仕組みを根本から改めなければ政治弾圧も冤罪も止まらない。
それにしても9月まで取ってた朝日新聞は、こういう記事を全く載せないわけではなかったが・・・新左翼系の受ける弾圧には冷淡で、警察発表をちょこんと載せる程度が多かったな。そういや東京新聞では関西生コン闘争もこの【こちら特報部】で取り上げていたが、朝日には載ったかなあ。俺が見逃していただけか?関西版には載ったかなあ。ともかく朝日止めて東京にして正解だったようだね。
■ 話は全然変わるが、10月20日東京・霞ヶ関弁護士会館の2階講堂「クレオ」で、「幕引きの秋(とき)裁判員制度10・20集会」が行われた。この会場は数年前に一度訪れたことがあったが、この小奇麗で比較的広い会場が満杯となる470人が集結。
京都大学名誉教授池田浩士氏(ドイツ文学者)は、まず「法律は門外漢である自分もこの制度には疑問」だと述べ、ナチスがボランティアを動員し、国民の同意の元に、国民と共に、社会を変革する、という建前でホロコーストに向かった過程を例示し、国民を無理矢理動員する裁判員制度も同質だと指摘。要するに裁判員制度がもたらすどんな冤罪も、国民の審判を経たものだと開き直るつもりなのだ。また、憲法では国民の義務は勤労、納税、教育を受けさせることであり、裁判員になる義務などない、裁判員制度は憲法違反だと指摘。
続いて「BOX袴田事件 命とは」の高橋伴明監督からのビデオメッセージが上映された。言うまでもなく袴田さんの事件は本当にひどい冤罪である。
鈴木達夫弁護士は、村木さん冤罪事件は「検察の見立てに合った」捜査・取調べの結果発生したと指摘。有罪だと踏んだら、都合の悪い証拠が出てきても握りつぶしたり改竄してしまうのである。
また、自分が受け取った裁判員候補通知書を、胸のゼッケンに貼り付けて、裁判員制度反対を闘う方の発言は大きな拍手で迎えられた。
「憲法と人権の日弁連をめざす会」代表の高山俊吉弁護士は、村木さん冤罪事件について、変な検事は辞めさせればいいとか、そういう問題じゃない、こういう検察を許してきた裁判所が悪い、もっと言えば司法のあり方を根本から改めなければならない、と指摘。
さらに、松川事件の被告は事件当時労働争議に参加してたという課長補佐の証言があったのに検察が握り潰し、一審二審とも死刑になった経緯を説明。こういう検察と裁判所が裁判員制度をやろうとしているんだ、だから反対するんだ、と述べた。
たしかに、嫌がらせのためだけに逮捕・家宅捜索を行う警察、「見立て」に合えば証拠を改竄してまで有罪にしようとする検察や、そういう警察・検察の言いなりになる裁判所が人権を脅かしているこの現状で、死刑に反対する者を最初から排除し(参考)、数日間で有罪判決を出そうとする裁判員制度などもってのほかである。
2010年10月26日
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