2006年04月19日

【クボタ、住民に最高4600万円 石綿救済で合意】

命の値段がそれっぽちですか?
クボタ、住民に最高4600万円 石綿救済で合意
2006年04月17日22時31分
 大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市)の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民にアスベスト(石綿)による健康被害が広がっている問題で、同社は17日、周辺住民の患者と遺族に「救済金」として1人最高4600万円を支払う制度を創設したと発表した。健康被害との因果関係は認めないながらも、石綿を扱ってきた企業の社会的責任があるとした。患者・遺族団体と合意し、まず88人に計32億1700万円を支払う。対象から外れる被害者への対応などを協議するため、同社と患者・遺族らによる「救済金運営協議会」も新設する。
 これで、労災認定された従業員が同社から受けてきた補償金並みの給付が実現する。企業が因果関係を認めないまま、訴訟を経ずに事実上の補償に近い形で支払いをするのは極めて異例だ。患者・遺族側も一定の評価をしている。
 同社によると、対象となるのは(1)3月施行の石綿被害者救済法の手続きに基づき、石綿による中皮腫、肺がんにかかったと認定される(2)同工場で石綿を使っていた54〜95年に、工場から半径1キロ以内で1年以上の居住歴や通勤、通学などの生活歴がある(3)仕事で石綿を扱ったことがない――の3点をすべて満たす患者と遺族。支払額は4600万〜2500万円で、年齢や家族構成などによって金額を決めるとみられる。
 会見した福田俊弘専務は「健康被害の原因は特定できていない」としながら、「石綿が飛散しなかったとは言い切れない」とも述べ、企業の社会的責任から救済策に踏み切ったと説明した。
 対象を「1キロ以内」とした理由は、「飛散する距離の概念ではなく『近隣住民』という意味で一般的に考える距離」と述べた。ただ、1キロを超えるなどの対象外のケースについても今後、救済金運営協議会で話し合いを続けると明言した。
 同社は従業員や周辺住民の健康被害を公表した昨年6月以降、「道義的責任」を理由に、住民の患者と遺族に見舞金・弔慰金として一律200万円を支払ってきた。しかし、労災認定を受けた従業員が在職中に死亡した場合は、労災給付に加えて最高約3200万円の上積み補償をしており、住民側からは「工場の壁一つを隔てるだけで同じ被害者に差をつけるのはおかしい」との声があがっていた。
 同社は、従来の「見舞金・弔慰金」の支払い対象として認めた88人(うち少なくとも71人が死亡)に、近く救済金支払いの手続きをとる。今後も期限を決めずに救済金の申請を受けつける。見舞金・弔慰金の制度は17日で廃止した。救済金を受け取る患者・遺族は、同社への賠償請求権を放棄する。
 旧神崎工場では57年から75年にかけて、毒性が強いとされる青石綿を使って水道管などを製造していた。多い年で8000トン近くを使い、国内最大級の石綿使用工場だった。昨年6月、それまでに工場の従業員ら78人が中皮腫などで死亡し、周辺住民5人(うち2人死亡)も発病していたことが発覚。住民から同社や尼崎市に相談などが相次いだ。
 クボタ問題をきっかけに国は、労災で補償されない周辺住民らを救済する石綿被害者救済法を制定。患者の遺族には特別遺族弔慰金280万円と特別葬祭料約20万円、患者には医療費自己負担分と療養手当月約10万円を支給する。
この条件に当てはまらない被害者が見つかっても無視かな?
posted by 鷹嘴 at 00:09| Comment(1) | TrackBack(0) | 公害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今頃で恐縮です。

加害責任を認めていないものからお金をもらってけりをつけるとは・・・・・。
被害者支援団体が「救済金をもらえ」と言えば普通の人はクボタは謝ってるとおもうよね。

13.10.09 大阪高裁でクボタアスベスト訴訟は結審、来春にも判決か?
Posted by アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会 at 2013年10月04日 10:25
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