2010年11月22日

普天間基地の爆音が最大最悪に

 沖縄県宜野湾市のアメリカ軍海兵隊の普天間飛行場は、本来輸送や軍用ヘリのための基地である。しかし現在、嘉手納基地が改修工事のため滑走路が1本しか使用できないため、普天間で戦闘機の発着が行われている。「タッチアンドゴー」ならぬ「ローアプローチ」(着陸せず滑走路スレスレに飛んで飛び立つ)という訓練も行われているそうな。普天間基地のような住宅地に接近した場所でそんなことするとは、まさに基地外沙汰だな。てゆうかあんなとこに基地があること自体異常だが。
 仲井真弘多知事も「普天間は危ないから移設、県外だと言っているのを横目にこういうことをやる無神経さに驚く。(都心の真ん中の)日比谷公園や新宿御苑でやっているようなものだ」と憤っている。

◇ 普天間の騒音、過去5年で最大 嘉手納改修のしわ寄せ(1/2ページ) (魚拓)
◇ 普天間の騒音、過去5年で最大 嘉手納改修のしわ寄せ(2/2ページ) (魚拓)

 普天間基地周辺のヘリの騒音は80デシベル前後、「バタバタという低い音。長く続く。神経を逆なでされる」「電話中なら、音が収まるまで待たなくてはいけない」という苦痛を与えるものだが、ジェット戦闘機の騒音は最早拷問だ。
 「キーンという金属音が遠くに聞こえた時から耳を押さえたくなる」「目の前の音ががらっと変わるようなひどい音」
 滑走路に近い「大謝名」では100デシベル超、「車のクラクションを間近で鳴らされた状態に等しい」という(11月12日東京新聞「こちら特報部」より)。
 なんというか怒りのあまり言葉を失う。沖縄県民を人間扱いしないアメリカにも、これだけアメリカ軍が住民の生命を脅かしているのに「アメリカは日本を守ってる」とかほざく馬鹿にも、ね。ってゆうか基地など無い街に住み、アメリカ従属の経済下で安穏とした生活を送る俺たちも共犯だわな。28日の沖縄知事選挙は、陰ながら伊波洋一氏を応援している。


・・・脱線するが、沖縄のアメリカ海兵隊のうち約8000人?の受け入れ先となるはずのグアムでも、基地の拡大を歓迎しない声があるようだ。
 たとえば島西部の「アブラ港」の海軍基地に、原子力空母のための岸壁を建設する計画があるそうだが、それに伴う海底掘削工事を行えば「約29ヘクタールのサンゴ礁に深刻な影響が出る」という。地元の海洋生物学者は「サンゴ礁は経済面でも、島の漁業や観光業の土台になってきた」と指摘する。
 グアムの観光客数は日本の景気後退が影響し年々減少、閉鎖された大型ホテルも目立つ。そのため米軍再編に伴い日米両政府による約103億ドルの財政措置への期待が大きかったが、昨年11月に基地拡張計画に伴う環境影響暫定報告が発表され、地元に戸惑いが広がった。グアムは人口約18万人だが、基地拡張工事が始まれば建築作業員などの流入によって、ピーク時には人口が7万9千人も増えるという。水道水の供給も下水道処理もキャパオーバーである。連邦政府の環境保護局の評価は4段階の最低ランク。「現状通り進めるべきではない」と警告した。
 グアムの観光資源は高級ホテルでもゴルフ場でもなく、豊かな自然のはずだ。いかに巨費が投じられようと環境を破壊するようでは意味が無い。

 また海兵隊の射撃訓練場として約1000ヘクタールの土地が収容されることになるが、その収容予定地の中にはチャロモ族の遺跡があり、今年1月グアム議会は強制収用に反対する決議を全会一致で採択した。予定地内の住民は「米軍は身勝手だ、土地は渡さない」と語る。
 市民団体「我らグアム島民」は、オバマに対話を求めて1万人以上の署名を送付した。「島の将来に島民が全く関与できないのはおかしい。私たちは準州に住む『二等市民』だと痛感した」
 グアムから選出される下院議員は、本会議での投票権をもたない「代議員」という身分であり、グアム住民にも大統領選挙の投票権が無い。アメリカ国民としての権利が与えられていないのだ(以上は4月4日朝日新聞より引用)。
 ちなみに11月17日、地元住民が基地工事差し止め訴訟を起した。
◇ 「先住民の遺跡守れ」海兵隊のグアム移転めぐり住民提訴2010年11月20日22時21分 (魚拓)

 アメリカ政府にとってグアムなど所詮植民地なのだろう。沖縄も半ば植民地扱いされている。だから住民の苦痛など理解しようとしないのだろう。というか軍隊という「暴力装置」がある限り、この苦痛は終わらない。
 さて、米帝・日帝に飼育されヌクヌクと生活してきたことに恥を感じる俺たちは、普天間基地は県外移設でも国外移設でもない、単純に撤去しろと、廃止しろと、全ての軍隊はこの世から消えろと訴えるべきではないか?


・・・ところで、中国漁船や「漁業監視船」の尖閣諸島近海への侵入は、沖縄県民に不安感を与えていることを忘れてはならない。ただ「米軍出て行け、自衛隊いらない」では、「現地を知らない人間がまた勝手なこと言ってる」と受け取られるだろう。だから、米軍への批判と同じ声の大きさで、中国共産党政権の引き起こす領土問題・人権問題、ナショナリズムを煽ることで維持している一党独裁体制を非難しなければ、説得力は生まれないと思うのだが?
posted by 鷹嘴 at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | アメ公 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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