2010年12月07日

【こちら特報部】東京スカイツリーのそばから野宿者を排除する条例?

 12月7日東京新聞 【 こちら特報部 野宿者排除見え隠れ 】 より。

 2010年6月、東京スカイツリーの建設が進む東京都墨田区にて、【資源ごみ】を指定業者以外の者が持ち去ることを禁止する条例に20万円以下の罰金を科す条項が追加され、10月に施行された。つまり野宿者などがアルミ缶など換金可能な資源ごみを収集することが禁止され、区による禁止命令を受けても収集を続けると告訴されることになる。
 施行後、隅田川の護岸で暮らす60歳の野宿者がアルミ缶を集めていると区の職員から「名前を言え」と迫られたという。別の野宿者は区の警備員から「もうすぐスカイツリーができるから、あんたたちはここにはいられなくなる」と言われたという。世界一の電波塔となる東京スカイツリーの前に野宿者なんか存在してはならない、ということか?

 東京新聞の取材に対し墨田区は、「区民から苦情があるし、リサイクル業者を保護しなければならないし、資源ごみ売却収入を区財政の足しにしたい」などと回答した。
 ところで2009年の墨田区のビン+缶の売却収入は約907万円、そのうち野宿者が収集の対象としているアルミ缶は約423万円。一方で回収業者への委託料は約9420万円。財政の足しにしたいなんてのは嘘っぱちだ。
 区は「悪質なケースに条例を適用する」と言うが、ならば「自転車やリヤカーで細々と運ぶ野宿者には寛容であってもよさそうだが、どうも改正の成立過程をみると、野宿者排除を求める声も多い」。区議会の審議では次のような発言が見られたという。

 「缶をビニール袋に山のように入れて自転車を動かしている人たちと子供たちが会ってしまう」(自民区議)
 「今朝、私が庁舎に向かうときに、自転車にアルミ缶をたくさん積んで走っている人を見た」(公明区議)

 こういう発言が相次いだという。つまり目に入ることすら許せない、存在することすら許せないわけか。日本の将来を担う子供たちに、空き缶を収集するような連中の姿を見せてはならない、というわけか。
 【ホームレス総合相談ネットワーク】の戸舘圭之弁護士は次のように語る。
 野宿する人々にとり、空き缶や雑誌集めは真面目に暮らす貴重な糧。安易にその収入源を取り上げるのは、彼らに『死ね』と言うに等しい。
 運用上も無断で写真を撮るなど、肖像権侵害の疑いが生じる。条例は一見すべての人を対象にしているようにみえる。しかし、その本質は、『貧困ゆえに罰する』ということではないのか
 つまり政治家とか金持ちにとっては、収入がなくて路上生活すること自体が罪であり、そういう人たちの姿は一般国民の目から遠ざけたいし、早く死んで欲しい、ってことだな。

posted by 鷹嘴 at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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