2008年6月、東京都北区の路上で職質を受けた男性がリックサックの中身を調べられ、「万能工具」が入っていたので目白署に「任意同行」された。怒鳴られ脅されながら4時間も取調べを受け、全身と顔の写真・指紋を取られた末に書類送検。「万能工具」も没収された。
「万能工具」には缶切りや栓抜きだけでなくナイフもついていたので、「刃渡り6センチ以下の刃物を正当な理由なく所持した」ことが「軽犯罪法違反」なんだと。方位磁石や懐中電灯などと一緒にポリ袋に包んでいたのに。
この男性は都と警察に慰謝料と指紋など個人情報の消去、工具の返還を求めて東京地裁に提訴した。
◇ 「職質で苦痛」と賠償提訴 (魚拓)
ってことは俺が会社クビになり、自前の工具一式を家に持ち帰るとき、ドライバーやスパナだけじゃなく電工ナイフやカッターナイフもあるから、うっかりポリに見つかれば捕まるってことかえ?自宅の近くのホームセンターでカッターナイフを買い、自分ちでパッケージを開封してから会社に持って行こうとすれば、やっぱ捕まるのかえ?
「万能工具」メーカーの日本法人には、職質を受けたという苦情・問い合わせが年に100件も来たこともあったという。スイス本社は「こんな職質は日本だけだ」と驚き、日本限定のナイフのついていない製品も売り出した。実に馬鹿げた話である。
つーか言うまでもなく職質に応じるのは任意であり、言いたくなきゃ何も言わなくていい。この事件の被害者の男性も「悪いことをした意識はない。悪夢のようだった。無知に付け込んで犯罪者に仕立て上げるなんて、悪質なキャッチセールスか」と憤っている。
あきれたことに職質にはノルマがあり、東京新聞が警視庁に情報公開請求して判明した「地域部長通達」によると、「今年の都内での職質摘発数の目標は2万8000件、各署に一桁台まで割り振られていた」。企業が新規契約目標数を示して社員にハッパかけるみたいだな。
元国家公安委員長で弁護士の白川勝彦氏は二度も職質を受けた経験があるそうだが(参考)、「私のどこが異常だったのか。現状の職質は法律上、適正な手続きではない」と指摘する。ほれ ↓
警察官職務執行法例えば俺が頭にパンティかぶって歩いてたら「こいつ明らかに下着ドロだな?」って疑って職質できるけど、俺が何も喋らなきゃ、警察は何もできない。交番に連れ込むこともできない。刃物持ってるか調べることもできない。訴訟を起した男性や白川氏への仕打ちはメッタくそ法律違反なわけだ。
第二条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
2 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
3 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
4 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。
白川氏は、職質で摘発された人が違法性や不適正さを訴えようにも、費用や手間から提訴に至らず、法廷で事実関係が争われてこなかった点も問題視し、こう訴える。・・・警察がいなきゃ凶悪犯もヤクザも交通違反も取り締まれないから、やっぱ社会に必要な物だと思うけど、今の日本の警察は「悪質なキャッチセールス」のようだな・・・。
「法曹界を挙げて動かないと、改善されないのではないか。現状の職質を許していたら、日本は早晩、警察国家になる。警察は事実解決に結びつく情報を得られなくなる。警察を強くするのは人員や装備ではなく、国民の信頼だ」
【 参考 】
◇ 暇人\(^o^)/速報 【職質】万能ナイフを持っていただけで送検された男性が警察を提訴
◇ 新宿駅西口でリュックを持っていたら危険人物! 行き過ぎた職質に疑問の声
◇ 救援連絡センター
ってゆうか、警察って一人でも多く摘発しようとしてんのかと思ったら、そうとも言えないような事例も・・・
職質が行われたのが午前3時だから「罪を犯し、または犯そうとしていると疑われるだけの異常な挙動」など職質の要件を満たしていた、という。男性は控訴した。(2012年11月27日東京新聞より)
夜中明け方に外を歩いてれば犯罪者だと疑われても仕方ないってことか?
いや、こんなのは警察の行為を正当化するためのこじ付けに過ぎない。警察・検察とその追認機関である裁判所を絶対に許してはならない!