卒業式2分停滞させた元教諭に罰金刑
東京都立板橋高校(板橋区)の卒業式場で「君が代」斉唱の強制に反対し、生徒らに不起立を呼び掛け、威力業務妨害罪に問われた同高の元教諭藤田勝久被告(65)に対し、東京地裁は30日、罰金20万円(求刑懲役8月)の判決を言い渡した。藤田被告は直ちに控訴した。
村瀬均裁判長は「式の遂行が一時停滞したことを考慮すると、非難は免れない。ただ被害は短時間で、式がほぼ支障なく実施されたことなどから懲役刑は相当でない」と判決理由を述べた。
判決によると、藤田被告は04年3月11日、同高の卒業式場で保護者席に向かって「きょうは異常な卒業式で、国歌斉唱の時に、教職員は必ず立って歌わないと、戒告処分で、30代なら200万円の減収です。処分されます。できたら着席をお願いします」と呼び掛けた。
校長や教頭に退場を求められると「触るんじゃない」などと怒号し、開式を約2分遅らせた。
公判で弁護側は「大声は出していない。式を混乱させておらず、遅延もわずか。処罰が必要な違法行為ではない。起訴は言論弾圧だ」として無罪か公訴棄却を求めた。
村瀬裁判長は「弁護側の主張は現場で都教育委員会の職員が録音したICレコーダーの記録と異なる」と退け、「法で保護される社会生活上の利益侵害は軽微でなく、処罰が必要な違法行為に当たる」と認定した。
式に出席していた卒業生や保護者によると、大半の卒業生は君が代斉唱時に起立しなかった。大声で起立を命じる人がいて式が混乱したという。
藤田被告は02年3月まで同高に勤務。都教委と学校が被害届を出し、警視庁が書類送検。04年12月に在宅起訴された。
[2006年5月30日14時23分]
しかし実際には藤田さんは、校長に退出を要求され(来賓として招かれていたのですが)仕方なく出て行くときに抗議を行っただけであり、それらは全て式の始まる前のことです。僅か2分間開式が遅延したそうですが、それは無意味に来賓を追い出すことで時間を浪費した学校側の責任でしょう。
●【緊急署名】都立板橋高校 藤田先生を救おう!
●『君が代』反対元教諭は
『強制の怖さ気付いて』
また上でコピペした記事には「村瀬裁判長は『弁護側の主張は現場で都教育委員会の職員が録音したICレコーダーの記録と異なる』と退け・・・」となっています。
どのような録音記録だったのか、それによってどのように有罪という結論を導いたのか疑問に感じ、
東京地裁に判決文の閲覧は可能か電話で問い合わせたところ「被告は控訴した。紛争中の刑事事件であるので判決文その他一切の情報の、第三者への開示は行わない」と拒否されました。そういうものだったのですね。
今度は東京都教育委員会にどのような録音記録なのか問い合わせたところ、「裁判所に出した証拠なので、まだ公表できる段階ではない」と、こちらでも拒否されてしまいました。
「しかし、あの裁判長の発言では、藤田さんがウソをついていることになってしまう。どのような記録なのか公表する義務があるのでは」と粘ってみたところ「詳しい者が会議中なので・・・」と、お決まりのパターンで逃げられてしまいました。
今後、学校側と都教育委員会がどのように事実を歪曲しようとしたのか明らかになることでしょう。(以上、問答有用より転載)
*この弾圧事件についてはパワー・トゥ・ザ・ピープル!!が詳しい。
(ニュースをコピペ)
都立板橋高の卒業式「妨害」、元教諭に罰金刑 東京地裁・・・「威力」だって?別に生徒や保護者が「君が代斉唱」の時に立たなければ式の進行が滞るわけじゃあるまい?現に9割が立たなかったんだし。大声で叫んだ土屋たかゆきって馬鹿の方がよっぽど妨害してると思うが?
2006年05月30日11時52分
定年まで勤務していた東京都立板橋高校の04年の卒業式に来賓として訪れた際、開式前に保護者らに国歌斉唱時に起立しないよう呼びかけたなどとして、同校元教諭・藤田勝久被告(65)が威力業務妨害罪で在宅起訴された刑事裁判で、東京地裁は30日、無罪主張を退け、罰金20万円(求刑・懲役8カ月)の判決を言い渡した。村瀬均裁判長は「式の遂行は現実に妨害された」として威力業務妨害罪の成立を認めた。一方で「元教諭に対する非難は免れないが、元教諭は式の妨害を直接の目的としたのではなく、式もほぼ支障なく実施された」と述べ、懲役刑ではなく罰金刑が相当だと結論づけた。元教諭側は即日控訴した。
判決によると、藤田元教諭は04年3月11日午前9時42分ごろから午前9時45分ごろまでの間、板橋高校体育館で、午前10時開式予定の卒業式のために着席中の保護者に向かい、「今日は異常な卒業式」と訴え「国歌斉唱のときは、できたらご着席をお願いします」などと大声で呼びかけ、教頭が制止すると「触るんじゃないよ」などと怒号をあげた。校長が退場を求めても従わず、式典会場を喧噪(けんそう)に陥れ、開式を約2分遅らせるなどした。
元教諭の退出後に卒業生が入場。今回の裁判の対象になった元教諭の式場での行為と直接の因果関係はないが、冒頭の国歌斉唱時に卒業生の約9割が着席する事態が起きた。これを問題視した都教委などが被害届を出したのを受け、東京地検が異例の在宅起訴に踏み切っていた。
判決は、呼びかけの内容が学校側にすれば許容できない内容で、校長らが職責上放置できないものだから「威力」にあたる▽退場要求に従わず怒号し、校長らが対応を余儀なくされた――などとして威力業務妨害罪が成立すると判断した。
弁護側は「配布や呼びかけは私語が許されている時間帯で、教頭からの制止も受けていない」と争ったが、判決はこれを退けた。
元教諭は、教員生活最後の年に受け持った1年生の卒業を見届けるために来賓として来ていた。
◇
「板橋高校卒業式事件」の東京地裁判決の理由骨子は次の通り。
(1)被告の行為はそれ自体が威力にあたる行為で、現実に業務妨害の結果が生じている。
(2)妨害は短時間だったことなどを考慮すると、懲役刑を選択するのは相当ではない。
◇
〈キーワード:都立板橋高校卒業式事件の経過〉 都教委は03年10月、入学・卒業式の国歌斉唱時の起立徹底を通達で打ち出した。問題となった式は、その後初めての卒業シーズンを迎えた04年3月に行われた。元教諭が週刊誌コピー配布や不起立の呼びかけをした式には、国旗・国歌をめぐる混乱を予想していた都教委が指導主事5人を派遣していたほか、以前から不起立に批判的だった地元都議も来賓として招かれていた。都議は式直後の議会で生徒の着席を問題視する質問をし、都教委側も元教諭について法的措置をとることを表明。学校側が被害届を出し、東京地検公安部が04年12月に在宅起訴した。
君が代不起立呼びかけ『罰金』のナゼ
妨害の印象ない
東京都立板橋高校の卒業式で一昨年、「君が代」斉唱の強制に反対し不起立を呼び掛けた元教諭の藤田勝久被告(65)が、威力業務妨害罪で罰金二十万円(求刑懲役八月)を科せられた三十日の東京地裁判決。有罪の前提として「教頭が止めたのに従わなかった」ことを“事実”としたが、法廷には「それは違う」という藤田さんの声が響いた。争点となったのは衆人環視での出来事だ。では、卒業式に参加した父母らは、何をどう見ていたのか。
保護者席の一番前に座っていた女性Aさん(47)は二年前の卒業式を振り返る。「藤田さんが卒業式を妨害しようとしている印象は全く受けなかった。なぜ、こんなことが警察に通報されなければいけないのかと不思議に思った」という。
■式15分ほど前に藤田さんは退出
まだ卒業生は入場していない。保護者席も埋まらず、父母らは雑談したり、手持ちぶさたにしていた。藤田さんは週刊誌のコピーを配って「国歌斉唱の際はできたら着席してほしい」と話し、開式の十五分ほど前には退出したという。コピーは日の丸・君が代強制について取り上げた「サンデー毎日」の記事だった。
「事前にビラ配りの許可を学校側から受けているのかなと、ふと思ったが、読むことを強制するでもなく、何かを声高に主張していたのでもなかった」とAさん。
別の保護者の女性Bさん(48)は、教頭が藤田さんに歩み寄る光景を見た。
「藤田さんの方にツカツカと寄ってきた教頭は、はじめ先輩教師である藤田さんに対し、『先生、困ります』と丁寧に対応していた。しかし次第に興奮して『いいかげんにしろ』と声を荒らげ始めた」
教頭に腕をつかまれた藤田さんは「触るな」と言いながら、手を振り払おうとしたが、結局、藤田さんの方がすぐに会場から出ていく感じで、外に連れ出されたと見えたという。
OBとして出席していた男性Cさん(23)は「保護者席では、知り合い同士がおしゃべりしていて、この二人のやりとりは特に注目も引かず、場内がざわつくこともなかった」という。
Cさんは、学校を出ていこうとする藤田さんの後を追った。「先生は『おれは言うだけは言ったから帰る』と話していた。そもそも強制的に排除する必要があったのか」
Bさんは「卒業式という厳粛な場で、自分の主張をしようとする藤田さんの姿勢には疑問を感じた」と言う一方で、「頭から湯気を出して主張しているのではなく、あくまで冷静に正論を言おうとしていた」と感じた。
こうした父母や卒業生らの一部の証言は、裁判でも弁護団側の証人として聞くことができた。しかし、判決では一連の証言を「信用性はない」として退け、藤田さんの制止に当たったとする教頭らの供述を「不自然な点がない」と認めた。
■表現内容まで立ち入る判決
判決は、そのうえで校長や教頭らには卒業式を遂行する「業務」があるのだから、保護者に向かって「できれば起立しないで」と呼び掛けること自体が「威力(他人の自由意思を抑圧するもの)」であると、表現の内容にまで立ち入って判断した。
前出のCさんは「威力や妨害と聞いて、むしろ卒業式の最中に卒業生に向かって大声で『立ちなさい』とどなった教頭や来賓の都議のことかと思った」と話すのだが。
■違法性認められ都教委は評価も
三十日の判決後、東京都の中村正彦教育長は「(判決文は見ておらず)詳細は分からないが」と前置きし、「違法性が認められたことについては一定評価する」とコメント。都教委指導企画課の担当者は、翌日も「付け加えることは何もありません。あのコメントでやってます」と話した。
藤田さんの支援者らが三十日開いた報告会では「有罪は政治判断だ」と判決を非難する声が上がった。
弁護団のあいさつで、大迫恵美子弁護士は「刑事事件の裁判官に“秩序維持”という考え方が強まり、都教委の(日の丸・君が代を徹底させる二〇〇三年の)10・23通達も守ろうとしているのではないか。基本的には裁判官は“政治的”ということから身を遠ざけたがる。昔の裁判官であれば、国家主義が教育現場で子どもの心をむしばむのはいけないと考えたはずが、今はその姿から大きく変わってしまった」と警告した。
判決について、ルポライターの鎌田慧さんは「裁判官の苦悶(くもん)の選択がうかがえる」と語る。
鎌田氏は「推測だが」と前置きしたうえで「裁判官は無罪の案件だと思ったのだろう。だが、政府や都の考えを拒めず、微罪と断じた。無罪にする勇気まではなかった。裁判官は良心を示したつもりだろうが、市民感覚とはずれている。ただ、いまは裁判官ですらこうした重圧下に置かれる社会になった」と話す。
一方、藤田さんについては「一つの状況下で発言したことが罪に問われた。住居侵入罪に問われた立川の反戦ビラ(二審逆転有罪、上告中)と同様に、為政者に対して声を上げることがタブーとされた。教育現場に限らず、今後は自衛隊観閲式などの前に批判のビラをまくことも難しくなる。裁判所は判決で、権利としての抗議行動を萎縮(いしゅく)させることを追認してしまった」と危機感を募らせる。
「開式が二分遅れたという嫌疑を認めたとしても、その程度で、検察側は懲役八カ月を求刑した。その意味は大きい」と指摘するのは作家の吉田司氏。「お上に少し異議を唱えただけで、牢獄(ろうごく)行き。いわば牢獄国家。罰金という判決はそれに道筋を付けた」
吉田氏は、今回の判決から見える日本社会の現状を「厳罰」「父性」「暗愚」の三つの言葉で表す。
「法の濫用(らんよう)乱立というムチで、人々を従わせる厳罰主義が横行している。その支えは、高度成長期にあった人々の不満も抱え込む母性的とは対照的な父性的な論理の台頭。父性は『由(よ)らしむべし知らしむべからず(為政者の方針に従わせるだけで理由は知らせない)』を徹底しており、その結果として暗愚政治がまかり通っている」
吉田氏は「警察や軍隊が台頭している。経済的な不安によっていら立っている国民を沈黙させるため、藤田さんも彼らの見せしめにされた一人だ」と説く。
今回の判決は、都教委を相手取った日の丸や君が代に絡む他の人事問題や裁判にも影響を与えそうだ。
■処分不服教員 裁判に影響も
藤田さんの事件以外にも、〇三年の10・23通達を基に処分され、東京都人事委員会に処分の不服を申し立て争っている教員らは合わせて二百二十四人。処分をしないことを事前に確認する通称「予防訴訟」の原告総数は四百一人。被処分者への再発防止研修の取り消しを求める訴訟、日の丸・君が代拒否を理由に再雇用を取り消されたり、再雇用を拒否された件を争う裁判、処分を受けた中学校や養護学校教員の個人での訴訟も続いている。
<メモ>板橋高校事件
2004年3月、都立板橋高校の卒業式で来賓として出席していた同校元教諭、藤田勝久さんが「君が代」斉唱の強制に反対し、保護者に着席を呼び掛けて混乱を招いたなどとして威力業務妨害罪に問われた。弁護側は「威力業務妨害には当たらない。起訴は言論弾圧で、公訴権の乱用」と主張していた。東京地裁は30日、罰金20万円を言い渡した。弁護側は即日控訴した。
<デスクメモ>
振り返ると母校の私立男子校の卒業式は味も素っ気もなかった。学校側のやる気もなし。教室に戻って担任は「皆、先生を乗り越えてくれ。教員っていうのは、それがうれしいんだ」。放任主義の言い訳に聞こえた。取材したある都立高の卒業式は違った。整然と式が進んだ。どちらかを選べるとしたら。 (学)
日常となってしまったこの国…。(涙)
学生たちはこの姿を見て、未来に希望を持てるのでしょうか。
それはさておき、「問答有用」では、あの工藤猛さんなんかに
レスをつけられちゃいましたね。
> 大きくなった子供たちを見て「飼育」に失敗したかなと
つくづくマトモじゃないですね、このオッサン。
http://wind.ap.teacup.com/people/861.html
> 問題であったのは「国歌斉唱」に自らの意思で着席した多くの卒業生に、"立て"と怒鳴りちらし、
>あまつさえ携帯写真を撮ったりした土屋都議や校長・教頭の行為であり、無断で密かに
>ICレコーダー録音をしていた都教委指導主事らの行動であった。
中略
> ほぼ1年にわたる13回の公判に、15人が証言台に立ち、ICレコーダーの証拠能力、
>教頭のビラ配布制止の虚偽、校長の「開式」遅れ容認などをめぐり、緊迫したやりとりがあった。
とあります。これからすると裁判は
「俺はそんなこといってない、こう言ったのだ! 捏造だ!」
「ここに、ICレコーダーで録音されたものがあります」
「そんなものは証拠にならない!」
こんな感じですが。
少なくとも、あなたの仰るような「証拠の偽造を行った」とは主張していませんね。
「ICレコーダーの証拠能力」が争点になっていたのだと思います。どの程度会話を録音できているのか(都の職員がマイクを突き付けていたわけではないですよね?)、会場のどういう位置での会話だったかなど。
だいたい、9時47分に追い出されたのに10時開始予定の「式」を、
どうやったら「混乱させ」ることができるんでしょうか(笑)
http://wind.ap.teacup.com/people/206.html
まあ「大声」については(それが客観的に「大声」であったとしても)、
教頭に腕をつかまれたのですから抗議せざるを得ないでしょう。
ちなみにバックを掴んだだけで逮捕された例もありますよ。
> つくづくマトモじゃないですね、このオッサン。
工藤は本当にクレージーです。しかし、あいつは自称50代ですけど、ずっと疑っています。本当は中学生ぐらいではないかと(笑)
>元教諭は、教員生活最後の年に受け持った1年生
>の卒業を見届けるために来賓として来ていた。
来賓として式典に招かれたわけですよね。
>藤田さんは週刊誌のコピーを配って「国歌斉唱の
>際はできたら着席してほしい」と話し、
卒業式典で週刊誌の記事のコピーを配る、つまり
事前に配布する準備をしていた。
この時点で元教員として失格だと思うのだが。
自身が最後に受け持った生徒の新たな巣立ちを祝う
気持ちより、「国歌斉唱の阻止」を優先させた。
本式典以外の時、場所でも可能な行動をあえて、
自身が最後に受け持った生徒の卒業式典で実行した。
「先生は『おれは言うだけは言ったから帰る』と
話していた。」
この元教諭が言うべき言葉は、教え子への送る言葉
だと思うのだが。
思想も大事だが時と場所を選ぶべき、時には自身の
主張を抑え、自身最後の教え子の卒業式典である事
を理解したうえでの行動をとるべき。
>教頭に腕をつかまれたのですから抗議せざるを得ないでしょう。
それが客観的に「大声」であったとすると弁護側の「大声は出していない。」はうそですね。
裁判で嘘を堂々と主張するとは。
さて、現場を見ていた藤田さんに同情的な方のblogを見つけました。
http://blog.goo.ne.jp/ysok923/e/dca862f6016b3ad64724fef813182656
幾つか引用します。
>「国歌斉唱のとき、教職員は立って歌わないと戒告処分になります。国歌斉唱のときは、できたらご着席をお願いします」と保護者らに向かって呼びかけていた言葉だった。
>そのときにまた藤田先生の声が聞こえてきた。
> 判決には藤田先生の声の大きさも加味されたのか、
とあるように、声が大きかったのは事実のようですよ。
朝日新聞の社説です。
http://www.asahi.com/paper/editorial20060531.html#syasetu2
> 元教師は「『大声で騒いだ』などということはない」として控訴した。
とのことですよ。よく言いますねぇ。