ますます東京書籍のような大手が有利になり、日本書籍新社など押されている出版社には不利になる。最悪だな。
教科書特殊指定廃止、教育現場から反対続出
公正取引委員会が2日、廃止を正式に発表した教科書の特殊指定。
この問題をめぐっては、「教育現場が混乱するおそれがある」として文部科学省が公取委に慎重な対応を求め、学校関係者などから公取委に寄せられた意見も大半は廃止に反対するものだった。「公取委は現場の声に耳を貸さなかった」。関係者からはそんな声も上がった。
教科書の特殊指定は、出版社が学校関係者に採択を働きかける際、金銭を伴う営業活動や他社の教科書の中傷を行うことを禁じるもの。1956年に制定されたが、公取委は今年3月、「過剰規制になっている」として廃止の方針を表明、電子メールや手紙などを通じ、意見を募集していた。
公取委に寄せられた4618件の意見の97%は、「過度の販売競争を引き起こす」「良質な教科書を作っていても、営業力がない社は生き残れず、教科書の多様性が失われる」などの廃止反対意見。「利益供与は、別の法律で規制されるべきもの」などの賛成意見は3%だった。
公取委の野口文雄・取引企画課長は2日の記者会見で、「反対意見は、特殊指定を存続させる正当な理由と認められなかった」と強調。「重要なのは、意見の中身であって、賛否の数ではない」と話した。
これに対し、文科省幹部の一人は「もっと時間をかけて判断してほしかった」と不満をにじませた。一方、教科書会社でつくる社団法人「教科書協会」は2日、「特殊指定堅持という主張が認められず残念だが、静かな環境のもとで教科書の宣伝活動を行うよう努力することは、これまでと変わらない」とのコメントを発表した。
(2006年6月3日 読売新聞)
教科書「特殊指定」、公取委が廃止決定
2006年06月02日23時59分
教科書採択での教科書会社の営業活動を強く規制した「特殊指定」について、公正取引委員会は2日、廃止することを正式に決めた。6日の官報で告示、今年の教科書採択活動が終わる9月1日から施行する。
公取委は今年3月、廃止の方針を打ち出し、4月中旬まで一般からの意見を募集した。寄せられた意見のほとんどが反対意見だったという。公取委は「同じ文章で名前だけ違うものもあった。規制を継続する正当な理由は見いだせなかった」と説明した。
教科書の特殊指定は、教科書会社が採択関係者に利益供与したり、他社の教科書を中傷し、採択を妨害したりすることを禁止していた。公取委は公務員の倫理規定が整備されたことなどから、営業規制の必要性がないと判断したという。
教科書協会は2日、「主張が認められず、誠に残念。しかし、静謐(せいひつ)な環境のもとで公正な宣伝活動を行うよう努力することは変わりない」とのコメントを出した。