製造会社を捜索 エレベーター死亡事故
2006年06月07日20時13分
東京都港区の公共住宅「シティハイツ竹芝」(23階建て)で3日、都立高校2年の市川大輔(ひろすけ)さん(16)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁は7日夕、住宅を管理する港区住宅公社やエレベーターの製造元の「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)など関係先を、業務上過失致死の疑いで家宅捜索した。エレベーターの構造や保守管理の実態に加え、過去に起きた事故やトラブルの内容、その際の対応について精査するために資料の押収が必要と判断した。
他に捜索を受けたのは、今年4月から保守管理を請け負っていたメンテナンス会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)と、05年度に保守管理を担っていた「日本電力サービス」(多摩市)。04年度以前はシンドラー社が保守管理も行っていた。
捜査1課の調べでは、市川さんは自転車にまたがったまま降りようとして、突然上昇を始めたエレベーターの床と12階の天井に挟まれ、窒息死した。当時、エレベーターの扉は乗り場側、かご側とも全開の状態だった。
扉の開閉と連動してエレベーターの動作を制御する機構に不具合があった疑いがあるとみて、同課は、制御工学の専門家やメーカーの担当者を交え、事故機を動かして現場検証を重ねている。
シティハイツ竹芝には、シンドラー社製のエレベーターが事故機も含め2基ある。正しい位置に停止しなかったなどのトラブルが03年以降、総計40件以上発生している。
エレベーターっつーのは、人間や荷物を乗せるカゴと重りがワイヤーで重量を釣り合っていて、人間が一人か二人しか乗っていない時はカゴよりも重りの方が重い。だからストッパーが効かなければ、カゴは重りに引っ張られて最上階まで行っちゃう・・・っていう理屈は分かるけどよ。
俺、今の業種通算5年ぐらいになるんで、エレベーターのトラブルも何度か出くわしたが、人を乗せたまま扉が開かなくなったとか、停止位置が(床の高さと)ずれたとか、そういうのは体験したが、最上階まで行ったなんて話は聞いたこともないなあ。点検がどうのこうのじゃなくて基本構造に問題があるんじゃねえの?
シンドラーエレベータ 公共施設に集中なぜ
死亡事故を起こしたエレベーターの製造元であるシンドラーエレベータ(江東区)製のエレベーターのトラブルは全国に広がっている。自治体や地下鉄など公共施設がほとんどだ。なぜなのか。
シンドラー社製のエレベーターで、トラブルが確認されているのは東京・神奈川・埼玉・宮城・愛知・滋賀・山口・福岡・長崎の1都8県。
「佐世保市黒髪町の県営黒髪団地で4月23日、シンドラー社製エレベーター内に女性(37)が約1時間閉じこめられる」「名古屋市昭和区の市営住宅で05年11月に途中停止し、住民2人が30分程度閉じこめられた」(朝日新聞)。「福岡市営地下鉄駅エレベーターで、昨年12月に乗客が約40分間閉じ込められた」(共同通信)。「さいたま新都心合同庁舎の3基でドアが開きっぱなしになるトラブルが4件起きていた」(産経新聞)などだ。
東京では地下鉄「大江戸線」もエスカレーターはシンドラー社製だが、トラブルはまだ報告されていない。
死亡事故があった「シティハイツ竹芝」(地下2階、地上23階建て)も、東京都港区の施設だ。
コスト削減を進める行政と利害が一致した
このように、行政や公共機関の施設ばかりが目に付く。何故なのだろうか。
今回の事故の担当である港区都市計画課の島崎勝由(かつよし)さんはJINビジネスニュースの取材に対してこう話す。
「エレベーターを選択する場合、性能と価格のコストパフォーマンスで決めるわけですが、シンドラー社の提示した価格が他社よりも低かったと聞いています」
シンドラー社は世界では世界2位、エスカレーターでは世界1位のシェアがあるとされる。にもかかわらず、日本でのシェアは1%しかない。
「シェアを伸ばすための戦略として低価格の設定をした。コスト削減を進める行政とそこで利害が一致したのではないか」
エレベーター業界ではこう見ている。
港区は2006年6月5日と6日、不安を抱える住民への説明会を開いた。約100人が集まったが、シンドラー社は出席を拒否した。出席していた武井雅昭区長が同社の担当者に携帯電話で連絡しても「捜査に影響する可能性がある」と態度は変わらなかった。区はこのエレベーターについて、月2回の検査と、法定に準じた年1回の検査をしていた。検査ではわからない本質的な欠陥がある可能性が高いという。
シンドラー社は行政にも回答を拒否
「シンドラー社には文書での回答も求めていますが、完全無視のような状態。だから何もわからないのです」
と前出の島崎さんは戸惑いを隠せない。
沈黙を続けるシンドラー社。「シティハイツ竹芝」の住民は怯え、そして憤っているという。エレベーター利用を止める住民も多く出ている。23階など高層からの上り下りは厳しい。区では24時間体制で各フロアの階段に職員を立たせ、安全確認や荷物運びの補助を始めている。
国土交通省は全国の自治体を通じ、シンドラー製のエレベーターの事故発生状況などの調査を決めた。
2006年06月07日20時45分
海外でも事故相次ぐ シンドラー社製エレベーター2006年06月07日23時17分なんちゅう言い訳だ!つーかそれほどトラブルが多いってことだろう。
シンドラー社のエレベーターの事故やトラブルは海外でも相次ぐ。
中国各紙の報道によると、内陸部重慶市内のビルで97年9月、女性が同社製のエレベーターに乗ろうとしたところ突然ドアが閉まり、左半身がドアに挟まれたまま上昇。頭や腰などを強く打って死亡した。女性の夫は同社に対し、損害賠償を求めて提訴した。
上海市内のマンションでも同社製のエレベーターに半日閉じこめられるなどの故障が相次いでいる、との報道がある。
香港では02年1月、11歳の男児が自宅のマンション17階から同社製エレベーターに乗ろうとしたところ、ドアが開いた状態で上昇。男児はエレベーターの床と出入り口の天井に上半身を挟まれ、翌日死亡した。
当時の報道によると、事故の起きたエレベーターは途中で止まるなどの故障が事故前4カ月の間に3回続いていた。 シンガポールのショッピングセンター、ミレニアウオークでは03年、シンドラー社のエレベーターに男性客が50分間閉じこめられた。男性はその時の模様を地元紙ストレーツ・タイムズに投稿。怒る男性にビルの受付は「閉じこめられたのはあなたが初めてではない」と弁明したという。
他のメーカーのエレベーターによる事故も少なくない。仏ラクロワ紙によると、02年5月、仏東部ストラスブールの低所得者用住宅で、4歳の子どもが開いたドアから18メートル下に転落、死亡した。メーカーは不明。親はメンテナンス業者を訴えた。これ、外国製かな?三菱、日立、東芝などの日本製のエレベーターってこれほどひどい事故って聞いた事ないよね?