プログラムにもミスがある、ってことか?
プログラムミス未改善9基稼動 シンドラー社
2006年06月16日21時53分
東京都港区で死亡事故が起きたエレベーターの製造元のシンドラーエレベータ(東京都江東区)は16日、91〜93年に出荷した52基に、扉が開いたままかごが動く制御プログラムの欠陥があったことを明らかにした。うち全国6カ所の9基が改修漏れなどで稼働しており、17日までにすべて直すという。同社は「港区の事故機はプログラムの種類が違い、関連はない」としているが、事故機と似た動きをしており、事故につながりかねない欠陥だった。
これを受けて、国土交通省は、制御盤の改修の仕組みや連絡態勢について、メーカー各社から事情を聴く方針を固めた。
シンドラー社の説明では、この欠陥は同社の設定ミスで、扉が閉まって0・25秒以内に「開」のボタンを押すと、扉が開くにもかかわらず、扉が閉まってから0・5秒後に始まるモーターの起動が止まらず、かごが動き出す。コンピューターが、かごが止まっていると誤認して指定階に止まるよう指示しないため、かごはそのまま最端部まで動いてしまうという。
なんかありがちなミスじゃん?モーターを起動する信号が保持しちゃって、その階の扉が半開きでもリセットするようになっていなかったのか。で、そういうふうに動き出すとリセット条件が消えちゃうんだろうな。つーかさっきの報ステの会見だと、扉が完全に閉まる手前で、コンピューターは閉まったと判断しちまうんだってさ。
エレベーターは扉が閉まらない限り、動かないのが大原則なだけに、港区の事故と同様の事故を起こしかねない重大な欠陥だった。
同社は93年にミスに気づき、出荷記録に基づいて製品を特定。直ちに改良版のプログラムへの書き換えを進め、問題は解消したはずだった。
ところが、当時、プログラムを書き換えたのは49基で、93年設置の浦安市の賃貸住宅の2基と神奈川県相模原市の研修所の1基は、この作業から漏れたまま、見過ごされていた。浦安市の賃貸住宅は都市再生機構の物件で、今月1日と10日に扉が開いたまま上昇するトラブルが起きていた。
さらに、93年にプログラムを書き換えて問題を解消した49基のうち、4カ所の計6基は、それぞれ03〜04年に制御装置を交換する改修工事をした際、誤ってミスを含んだ改良前のプログラムに書き換え、元の状態に戻してしまった。
これもありがちだな。俺も、間違って古いバージョンのソフトを現地に送っちまったことがある。まあ正式稼動前の調整段階だから事故にはなんなかったけど、凄え怒られたぜw
記者会見した同社の西村智行・新設事業本部長は「国内で初めてマイコン制御の製品を導入した時期で、プログラムを制作した際の設定にミスがあった」と認めた。
一方、港区の事故機については「97年に出荷、98年3月に据え付けた製品で、プログラムの種類が違う」と説明。「事故機ではこの問題は起きない」と強調し、事故原因との関係を改めて否定した。
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制御プログラムのミスがあった稼働中のエレベーター
所在地 設置年 台数 改修工事時期 トラブル発生日
浦安マリナイースト21潮音の街 93年 2 なし 06年6月1、10日
(千葉県浦安市)
八王子市芸術文化会館いちょうホール 93年 1 04年 04年11月13日、06年4月22日
(東京都八王子市)
愛知県白壁庁舎 93年 2 03年 04年11月29日
(名古屋市)
外務省研修所 93年 1 なし 報告なし
(神奈川県相模原市)
東京消防庁豊島消防署 92年 2 04年 報告なし
(東京都豊島区)
沼津市振興公社駅前立体駐車場 91年 1 04年 報告なし
(静岡県沼津市)