2011年04月10日

ニュースと日常 4

 大地震以来、仕事が楽になった面もあります。節電のために廊下とかの照明をやたらと間引き点灯にしてるので、本当に蛍光灯や電球が切れてても「間引きだろう」と見過ごされる場合が多く、あんまり電球交換の依頼ってゆうか命令が来ない、ということです。自分で球切れ見つけても節電のせいにしてシカトしてます。つーかただでさえ不景気なのに薄暗くて不気味で、ますます客足が遠のくような気がします。
 特記以外は東京新聞より引用(つーかそれ以外にソースなし)

 3月19日は休み。一日中家でゴロゴロしてた。久しぶりにカレー作ったけどいまいち。ゴボウの灰汁抜きが足りなかったか?夕方また大きな揺れが。何度揺れても怖いもんは怖い。つーかこのボロマンションそろそろ倒壊すんじゃね?そういえばこの日の「WORLD PEACE NOW 3.19」は中止になった。
 この日、福島県双葉町の避難民約1200人が「さいたまスーパーアリーナ」に到着。自治体機構ごと移転されることになった(同アリーナは3月31日までしか使用できず、4月1日、加須市の小学校に移転)。
 また、福島第一原発3号機に東京消防庁が放水を実施。1号機・2号機には電源敷設が完了。つーか電源を生かしても炉心を冷やすための冷却水ポンプが動いてくれるか分からない。
 この冷却水循環系が復活してくれりゃ「冷温停止」の状態に持ち込めるんだけどね。冷凍機だって、膨張して気化した冷媒を冷やすための冷却水系が故障すりゃ、たちまち温度・圧力が上昇し保護装置作動だ。冷凍機の場合は止めちまえばいいだけだが、原発の場合は止めときゃ済むもんじゃねえ。冷やし続けなきゃ勝手に温度が上がって大爆発だ。つーか海水を循環させるポンプ(炉心で温められた冷却水を冷やす熱交換器に通す)はどうなってんのか?
 またこの日、福島県川俣町の原乳と茨城県高萩市・日立市のホウレンソウから、食品衛生法の暫定規定値を越す放射能が検出、出荷自粛要請を行ったことが発表された。恐ろしいことに収穫直前の短い期間で、空気中を漂う放射性物質が吸収されたのである。今後これらの地域で栽培される農作物は土壌からも影響を受けるかもしれない。原発などという馬鹿げたものを造ったせいで日本の農業が深刻なダメージを受けているのだ。

 3月20日、朝から夜遅くまで仕事。つーことで毎年恒例の渋谷デモに行けなかった、残念。仕事はいつもと同じ作業だがすげー疲れた。福島第一5号機と6号機は「安定停止」したとのこと。2号機の使用済み燃料プールへ、ポンプ車による海水注入が始められた。

 3月21日、夕方から出社。雨が降ってるし東京にも放射能が来てるそうなんで傘持ってったが、お約束通り電車に置き忘れた。政府は福島、茨城、栃木、群馬のホウレンソウとカキナ、そして福島県の原乳について当面は出荷を控えるよう、各県知事に指示。県丸ごとはおかしいと思うぞ。

 3月22日、夜勤明けにまた飲み会してから帰り、南浦和駅東口を降りると信号が消えてる。西口の喫煙所に行ってみると、なぜか丸広より向うは停電してない。東口前の交差点の交通整理は可愛い婦警さんだった。産業道路の丁字路には交通整理いなかった。つーか、夜勤明けは家に帰るとまず糞してシャワー浴びるんだけど、停電してるんで汗臭いまま我慢。やることないんで寝るっきゃない。会社で糞しといてよかったな。ユニットバスに溜めておいた水で手と顔を洗った。段々腹立ってくる。
 16時ごろ復電。毎日停電ばっかりで頭くるねえ。つーか節電しろ節電しろって、日本政府と資本家が原発なんて馬鹿なもん造ったせいでこういうことになったんじゃんか(火力発電所も多数停まったままだけど)。誰が節電なんかすっかよ馬鹿(目ぼしい家電製品ないけどw)。末端の労働者がなんでおまいらに付き合わなくちゃならねえんだ。今まで地デジ化すっから薄型大型テレビ買えとかオール家電だとか煽ってたくせに。
 昼間寝てたから夜中に目が覚めてパソコンで遊んでいたらまた地震。日本列島は手抜き工事で崩壊寸前のボロアパートみたいなもんです。覚悟しましょう。
 ところでこの日、原発の近くの海水から法令の濃度限界の126倍の「ヨウ素131」が検出された、とのこと。

 3月23日、スーパーにいって食い物を買い溜めしたが、レジのおばさんが「カップラーメンの類いは三点までです」だとさ。売れるうちに売っときゃいいのに。資本主義の原則に忠実じゃねえな?
 つーか「むやみに買占めはやめよう」とかCMがしつこいけど、そんなこと言うのは権力者側の立場だ。買占めっていうのは資本家が値上がりを期待して大量に買い込むことを言うんだよ馬鹿。個人がスーパーで売ってるもん買い漁るのは「買い溜め」だよ馬鹿。
 停電もしない都心の一等地に住んでる奴らには理解できないだろうが、いつ停電するか分からないから生活物資を蓄えておくのは当然だ。つーか東海地震だっていつ起こるか分からねえからな。この日は停電無し。
 この日東京都葛飾区金町浄水場の水道水から、1リットルあたり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたため、東京都から1歳未満の乳児には水道水を飲ませないように呼びかけが行われた。ちなみに「食品衛生法に基づく乳児の摂取に関する暫定指標値」は100ベクレル、乳児を除く基準は300ベクレルとのこと。

 3月24日も休み。今更ながら、スキーに行くべきだったと後悔してます。この日も停電無し。
 千葉県松戸市のちば野菊の里浄水場で220ベクレル、栗山浄水場で180ベクレル、茨城県日立市の十王浄水場で298ベクレル、同県笠間市の涸沼川浄水場から170ベクレルの、放射性ヨウ素131が検出され、各自治体から幼児への摂取制限呼びかけが行われた。一方東京都葛飾区金町浄水場では79ベクレルまで低下したため摂取制限が解除された。
 福島第一原発では海水の注入が続いているが、この日報じられたところによると、海外の専門家は早く真水に切り替えるべきだと危惧しているという。海水の不純物が原子炉の中でこびりつき冷却を妨げているかもしれないというのだ。考えてみれば当たり前、普通のボイラーだってスケール付着防止用の薬品入れたりするよな。スケールってのは簡単に言えば水垢だ。付着すれば熱交換能力が著しく低下する。極端な話、保温材巻いてるようなもんだ。既に燃料棒が塩の結晶に覆われてるかもね。つーことは東電が最初海水の注入を躊躇ったのは正しかったのかも?

 またこの日の東京新聞朝刊によると、地震直後に福島第一原発の放射線管理区域から避難した労働者たちは、規則になっている放射線量のチェックをすることなく逃げ出したとのこと。しかも原子炉建屋とタービン建屋の間にある気密扉も開けっ放しだったという。
 「建屋内の二重扉は出るときは一人ずつしか通れないが、非常用インターフォンを押し警備員に開けてもらい、3人で通った」 「更衣室の床に防護服が散乱していた」 (1号機の作業員の証言)
 「二重の気密扉は開けっ放しだった」(4号機の作業員)
 「IDカードをかざし、放射線量を測定してからゲートを出る決まりだったが、開けっ放しだった」(5号機の作業員)
 つーか規則違反は怪しからんとか、無責任だとか言う奴は、原子炉の業火に焼かれてほしい。

 4号機の原子炉建屋は地震発生とともに照明が消えた。ある作業者(原子炉メーカーの下請け会社の社員)の「暗闇に慣れた目に入ってきたのは部屋内に舞うほこり。『吸い込んだらまずい』。口を手で覆い、隣のタービン建屋に走った」。
 原子炉建屋とタービン建屋をつなぐ二重の気密扉は開けっ放しだったが、タービン建屋から出るゲートには何百人もの作業員が殺到し、怒号が飛び交った。
 「僕も含めて全員、自分が助かりたいと思うばかりでした」
 5号機も大勢の作業員たちが先を争って逃げ出したという。
 「皆『われ先に』しか頭にないようで、自分本位。人間の本性を見たと思いました」

 上掲の1号機の作業員は地震の2ヶ月前から蒸気管や排水管の修理・補修をしていたが、当日地下で溶接器具の片付けをしていると、突然「パニック映画みたいな」恐怖に襲われた。足場が崩れ、警報音が鳴り響き、照明が「ブツッと」切れ、作業員たちは出口に殺到した。
 出入り口はセンサー付の二重扉になっていて、通常は一人ずつしか通れないが、警備員にインターフォンで連絡し開放させた。その先の、放射線管理区域の出口には、被曝線量を計測するチェックポイントがあったが、警備員が「いいから早く逃げろ」と怒鳴り、駆け抜けた。
 作業していた場所から出口までわずか200mだったが大勢の作業員が同時に避難したため、5分もかかったという。外に出るとすぐ1km離れた高台まで避難し、約30分後に津波が襲った。周知のように福島第一原発の各機は、津波による浸水によって電源系統が機能しなくなり冷却機能が失われ、重大な事故に至ったのである。
 「あの時、建屋内に閉じ込められ、逃げられなかったらと思うとぞっとする」
 「原発を安全だという人は、現場から遠く離れたところにいる」

 これが原発の作業の現実であり、労働者たちの本音だ。キレイ事なんか言ってらんない、一刻も早く自分だけ放射能から逃れたいに決まっている。いくら東電が「安全だ」と洗脳しようとしても、安全ではないことは労働者が一番知っているのだ。どうしても原子力が必要だと言う奴は率先して原発労働者になればいい。そして線量計のレンジを越えようとも地震が起ころうとも津波が迫ろうとも、最後まで原発と運命を共にすればいい。
 ところで・・・この1号機にいた労働者は、被災後は避難所や元請会社の社員寮を転々としながら、一週間ぶりに津市の自宅アパートに戻ったというが、蓄えはなく、不況で職探しも難しい。
 「また原発に行けと言われたら、行くかもしれません」
 労働者は仕事が無ければ食べていけない。生命を脅かす危険があると分かっていても、慣れた仕事に戻ってしまうこともある。安全な場所にいる奴や、頭の構造の単純な奴には理解できないだろうけどな。

 またこの24日、決して起してはならない事件が起きてしまった。3号機のタービン建屋内で作業員3人が、汚染された水で被曝したのである。
 3人は建屋の地下で、電源復旧のためのケーブルを敷設していたが、床には深さ15cmほどの水溜りが出来ていた。一人は長靴を履いていたが、二人は普通の作業靴のままで、くるぶしまで浸かりながら40〜50分間作業していた。そのため170〜180ミリシーベルトという高い放射線量を浴びてしまい、ベータ線熱傷の疑いで入院した(後に退院)。
 床に溜まった水からは9種類の放射性物質が検出された。放射性セリウム144が1ミリリットルあたり220万ベクレル、放射性ヨウ素131が120万ベクレルなど、合計390万ベクレル。運転中の原子炉内の水の約1万倍だという。原子炉の燃料棒が損傷し汚染された水だと思われる。
 流出のルートは不明だが、地震と水素爆発で格納容器や配管類が損傷していても当然だし、炉を冷やすために水をジャンジャンぶっかけているんだから、地下室に水溜りがあるのは素人でも想像できる。しかし東電は事前に状況を確認していなかった。しかも3人とも放射線業務従事者の資格はあったというが、線量計が「故障したのでは」と思い込み、作業を続けたという(20ミリシーベルトでアラームが鳴るように設定されていた)。東電は作業者にろくな教育も警告もせず、重大な被曝が起こる可能性も無視し送り込んだのだ。殺人未遂と言える行為ではなかろうか。

 この事件を知り、1号機で配管の下請け工事をしていた男性は「東電が『大丈夫』と言ったんだろう」と憤った。
 元請企業の担当者から「いずれ復旧工事があるから、準備しておくように」と伝えられたそうだが、「こんなんじゃ、いくら金を積まれてもやりたくない」。危険な場所には元請企業の社員ではなく下請け孫請け労働者が送り込まれるのは重々承知の上で、また引き受けるつもりだったんだろうが、ここまで東電の本性を見せつけられりゃ、お断りだろうな。
 被曝した3人のうち二人は東電の子会社の関電工の社員だが、一人は下請け会社の社員だという。二人も関電工の社員がいたとは正直意外だ。関電工の青い作業着を着た作業者を見かけても、それはほとんどの場合、関電工の正社員ではなく子会社や下請け孫請け会社の作業員だからな。関電工自体は電気工事の分野で大手の企業だが、その下請けの電気工事会社には従業員を雇用保険にも入れていないような零細企業も多い。もし怪我すりゃ医者代は労災から出るだろうが、仕事が出来なくなれば簡単に解雇されるだろう。
 全国各地の原発の定期検査を渡り歩く下請け労働者は「原発ジプシー」と呼ばれるらしいが、25年近く働いていた男性は、
 「原子炉内のように放射線量が多いところでは、線量計を外して仕事をした。上に『できません』と言いたくないから」
 「危険な目には何度もあったけど、怪我がばれたら仕事が回らなくなる」
 と語った(以上、3月26日 東京新聞)。原発という産業の本質を突く証言ではなかろうか。

 線量計を外すなど許されないルール違反だ、被曝しても本人の責任だ・・・と、馬鹿が言うかもしれない。しかし原発労働に限らずどんな業界でも、律儀に作業手順・ルールを守っていたら工期を守れない、作業に入ることすらできないケースがある。仕事をしたことがある人なら分かるだろう。
 本当なら上長に事情を説明するべきだ。ルールを破らなければ進捗しない状態ならばその改善を求めるべきだ。しかし実際はそれも難しく、多くの労働者はルール違反を承知で作業を進めてしまう。立場の弱い非正規雇用労働者・請負会社の労働者なら尚更のことだ。原発の危険な場所で作業するのはゼネコンや重電メーカーの正社員ではなく、下請け孫請けの労働者だ。彼らは職を失いたくないために、生命の危険を承知で作業のルールを破らざるを得ない。
 それに労働者は多少の怪我なら報告しない。労災なんてなるべく使いたくない。干されるかもしれねえからな(これも、働いたことがある人なら理解できるはずだ)。こういう実態は他の業界でも同じだが、原発労働の場合は深刻な健康被害に襲われる。
 しかしルールを守っていれば進捗しないような作業を押し付ける電力会社や関連企業は、こういう実態を見て見ぬフリをする。もし事故が発覚しても本人の責任にしてしまう。原発の作業はルールが守られていると、作業員の安全が守られていると宣伝し、新たな生贄を漁るわけだ。原発の仕事は安全「ということに」して、労働者を使い捨てにするわけだ。こういう「仮構性」によって原発は維持されている。
 原発などという愚かしいものがある限り、現場の作業者たちの健康は蝕まれていく。つーか今度こそ、日本人全体に同じ運命が回ってきそうだけどな。 (つづく)
posted by 鷹嘴 at 02:00| Comment(5) | TrackBack(2) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
結局の所、原子力に変わるエネルギーが最大の論点になるとは思いますが

東京電力が賠償の仮払金支払いへというニュースがありましたが
推進派の学者もお金を払うべきだとは思うんですよ。
あと危険物や縁起の悪いもの等自分のわがままで地方に東京都も。

今現在テレビやマスコミに出ておられる方々は今後こうでもしないとダメかもしれませんね。
http://www.t3.rim.or.jp/~s-muraka/bkantei03/kantei39.html

ちなみに自分の意見ですが、国や企業はもう様々な部分に関する投資の必要性の認識を改めなければ、また、何らかの形で同じトラブルを繰り返すことになると思っています。
Posted by ろろ。 at 2011年04月10日 23:23
海外では、福島第一原発の大事故を受け、反原発派が選挙で勝利。日本は原発推進派が当選。

まったく不思議な国、日本。
Posted by アサイ・ムーンサルト at 2011年04月11日 21:37
★麻生内閣、福島原発の定期検査の間隔を13ヶ月から24ヶ月に延長する新制度認可 2008/12/13 09:30 福島民友新聞
★安部内閣、「福島原発の耐震安全性総点検等を求める申し入れ」を却下
★自民党、東京電力からの献金と引換えに緩い耐震設計の原発を認可
★20年前の米NRCによる福島原発の冷却機能と非常装置についての警告を放置した自民党
★危険性の高いプルサーマル計画 東北の候補者95人、自民党のみ全員が推進 2009/08/27 06:10 河北新報
Posted by 秋田冒険王 at 2011年04月20日 03:38
地震が多く、海と山が多い日本で何故政府は原子力を推進したのだろうか?

地震が多いということは今回のような地震による原発被害の危険性が極めて高い。

地震が多く温泉が湧き出るということは地下にマグマがあり地熱発電に向いている。

海に囲まれているということは洋上風力発電、潮力発電、海水温度差発電に向いている。

雨が多く山が多いということは常に水の流れがあり小水力発電に向いている。

太陽光パネルの効率も日本技術の誇るところ。

何故こんなに自然エネルギーに向いている土地柄、原発に向いていない土地柄で、自然エネルギー政策を押しつぶして原発推進をしたのだろうか?
Posted by グリコーゲン] at 2011年04月21日 04:04
原発推進派は「福島は津波があったからああなったが地震そのものには耐えた」と言い張っていたが、それも嘘だと発覚した。次から次へとボロが出る。それが原発。


「外部電源喪失 地震が原因/吉井議員追及に保安院認める 」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-

Posted by 倍胡坐 at 2011年05月01日 04:54
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