この連続投稿は、大震災のニュースと実生活の関わりを日記風に書き連ねていくつもりでした。しかし既に自分の生活は平常に戻ってます(仕事が多少暇になった以外は)。計画停電も中止になったし、特に書くことないです。
しかも、怠惰なせいで今から3月末の出来事を書こうとしています。日常じゃなくて追憶になってしまいました。完全に企画倒れです。つーか大震災以降の不景気によってリストラの対象になったとしたら面白い話が書けそうですけど。特記以外は東京新聞より引用。
3月25日は昼から出勤。同居人(失業中)によると、夜間に1時間ほど停電したとのこと。この日、福島第一原発1号機と3号機への海水注入が中止となり、真水注入が開始された。また東京電力と経済産業省原子力安全・保安院は、1ミリリットルあたり390万ベクレルの放射線物質を含む3号機タービン建屋地下の汚染水(24日に作業員が被曝した)について、「『原子炉内から漏れた可能性が高い』との見方を示した」。当たり前じゃねえか原子炉からじゃなかったらどっから来るんだ馬鹿。
京大原子炉実験所教授の三沢毅氏は、「使用済み核燃料プールの水ならば、ヨウ素はもっと少なくなるはずだ。テクネチウム、ランタンなど、ふつう蒸気と一緒に出ないものまで入っている」「決め手はコバルト60だ。コバルトは原子炉圧力容器の構造材の鉄に含まれるもので、これが検出されたことから、原子炉からの水だと言える」と指摘(以上、3月26日 東京新聞)。あっちこっち穴が開いて水が染み出してるんだろうね。
3月26日、疲れてないけど疲れた顔して帰った。東電前をのぞいてみたらやっぱポリだらけ。タバコが売り切れになるらしいので取り合えず1カートン買ったけど、俺のは洋モクだから関係なかったのよ。去年9月に買い溜めした分が無くなったら実験的に禁煙してみるつもりだったけど、無期限延期っつーことで。多少放射能浴びるよりタバコ吸ってるほうが発ガン率高いだろうね。まあ直ちに生命を失うレベルじゃないと思うけど。
この日2号機への注水も真水に切り換えられた。保安院は第一原発の放水口近くの海水から1ミリリットルあたり50ベクレルのヨウ素131を検出したと発表。濃度限界の約1250倍。また1号機のタービン建屋地下1階のたまり水からも、セシウム137、ヨウ素131など1ミリリットルあたり380万ベクレルの放射性物質を検出された。通常運転中の原子炉の約1万倍。
さらに2号機タービン建屋地下たまり水も、1号機3号機と同程度の放射性物質を含んでいると推定される、と発表された。要するに1、2、3ともどっかに穴が開いて放射能の毒水がチビチビ漏ってるってことだな。ちなみに3月18日に2号機タービン建屋地下で500ミリシーベルト/hの放射線が測定され作業員が退避したそうだが、東電がこれを発表したのは26日。
ところで3号機はプルトニウムを燃料に用いる「プルサーマル発電」をしているが、東電はプルトニウムを測定していないという。プルトニウムが放射するアルファ線は紙一枚で遮断できるそうだが、プルトニウムを体内に吸い込めば20年〜50年はアルファ線を出し続け細胞を傷つけるという(3/27東京新聞)。こんなんで東電は作業員をどんどん送り込んでやがんのか。とんだ殺人企業だこと。
3月27日、三里塚空港反対同盟の集会に参加。この日の集会では空港問題やTPP問題だけでなく、被災地支援と原発即時停止がアピールされた。カンパは全額被災地への義援金にするとのこと。
お土産
この日の東電の発表によると2号機タービン建屋のたまり水の表面から1000ミリシーベルト/h超の放射線が出ているとのこと。メーターが振り切っちゃったんだって。たとえ1000ミリシーベルト/hであって3時間浴びると3000ミリシーベルトになり、50%が死亡する。福島原発の作業員の被曝限界は100から250ミリシーベルトに引き上げられたが、15分で限界に達する(3/28東京新聞)。
3月28日、朝10時ごろだが突然テレビが砂嵐になり、数十秒後照明も消えた。仕方ないから会社行くか。さいたま市内の計画停電はこの日が最後だったと記憶している。1〜3号機の地下から海側に向かう「トレンチ」のたまり水から、1000ミリシーベルト/h超の放射線が出てるってさ。2号機のが漏れてきたんだべや。
3月29日は夜勤明け。相変わらず横揺れの気味悪い余震が続く。東電は溜まった水をどうしようか右往左往しているようだ。
3月30日、風邪気味なので毎年恒例の檜森孝雄さん(参考)追悼集会は欠席させていただいた(2年前に一度行ったきりだけど)。東電会長は1〜4号機を廃炉にすると発表(当事、社長は入院中)。当然じゃねえか。枝野は5、6号機も廃炉になるだろうと述べたが、ケチなこと言わず原発全部廃炉にしろ。保安院は29日の調査にて、1〜4号機の南放水路付近の海水から1ミリリットル当たり130ベクレルのヨウ素131を検出したと発表、基準の3355倍だという。
3月31日は既に書いたが東電抗議デモに参加。福島第一原発の周囲20kmは避難指示が出ているが、警察によるとこの圏内には数百から数千の遺体が存在するという。27日に原発から約5kmの大熊町で発見された遺体からは高い放射線量を検出。また1号機付近の地下水を調査したところ、ヨウ素131が1ミリリットル当たり430ベクレルという濃度が検出された。
以降はちょっと端折るよ。4月1日は日勤、電車が新入社員で混んでるだろうと思ったけどそうでもなかった。なんと有楽町駅前に「さかなくん」がいた!ほんのちょっとカンパしたよ。
4月2日、2号機の取水口近くにある深さ2mの立て坑(ピット)の底に、放射線量の高い水が溜まっているのが発見された。ピットの地表から深さ60cmの位置で1000ミリシーベルト/h超を検出。しかもコンクリートの裂け目から海に流出しているという。なにしろ原子炉冷やすために水を注いでるからどっからか漏れてくるのは当然だ。沸騰した鍋に水を入れれば一時的に沸騰は止まるが、しまいに鍋が溢れるのと同じ。原子炉で沸騰してタービンを回したあとの水を間接的に冷やすための海水ポンプは津波で破壊されたし、冷却水系統の復旧は無理らしいし、こうやって水を注いでいくしかない。こんなの普通だったらすぐ塞げるだろうが、なにしろ放射線が強すぎて容易に近づけないから、生コンや新聞紙や高分子ポリマーを投げ込んでみたが一向に止まらない。
4月4日、乳白色の粉末(バスクリンみたいなもん?)を流して流出経路を特定しようとしたが失敗。さてどうしようか、このままじゃ海に流れっぱなしだ。
と思ったら、集中廃棄物処理施設に溜まっている1万トンの汚染水(1ミリリットルあたり6.3ベクレル)、5、6号機のサブドレンピット(地下水の排水用立て坑)の1500トンの汚染水(1ミリリットルあたり6.3ベクレル)の、海への放出が始まった。
2号機タービン建屋地下の汚染水(1ミリリットルあたり1300万ベクレル)、配管用トレンチの汚染水(1ミリリットルあたり690万ベクレル)の保管先を確保するためである。この処置は当然漁業関係者から厳しい抗議を受けた(参考)。韓国も事前通知がなかったことを抗議(参考)。また茨城沖でとれたコウナゴから放射性ヨウ素やセシウムが検出されたという(参考)。ところで高レベル汚染水の海への流出は5日、「水ガラス」の投入によって止まった(参考)。
4月7日、1号機の格納容器へ窒素注入が始まった。原子炉内では放射線によって冷却水が酸素と水素に分解され、また燃料棒を覆う合金(損傷している)が冷却水と反応し水素が発生している。空気中の水素が4%、酸素が5%以上に達すると水素爆発が起こる危険性がある。そうなったらもう日本終わりだから窒素を注入して濃度を下げようってこと。ところが(11日発表)、窒素入れても入れても格納容器内の圧力が上昇しないんだってよ。最初1.56気圧、2.5気圧まで上昇させる予定で10日には1.95気圧まで上昇したのに、その後は注入を続けても圧力がほとんど変化しないんだって。どっかから漏れてんだろうな。放射能混じりのが。
・・・そして5月になっても、冷却のため注水し溢れてきた水を移送する、という自転車操業的な状況に進展はない。格納容器ごと水を満たす「水棺」にして冷却水をファンで冷やして循環させる、というかなり効率が悪そうな計画があるが、そのためには格納容器のどこかに空いた穴を見つけて塞がなくてはならない。困難で危険すぎる作業だ。
また5月7日に明らかになったことだが、2号機タービン建屋地下ではどこからか地下水が流れ込んでいるらしく、冷却のための注入量より(処理施設への)移送量のほうが3トン/hも多いのに水位に変化が無い、という状況。ますます汚染水が増えるね。処理施設のキャパが心配だ。
3号機の水温は上昇を続け、5月10日には炉の底部で150℃に達した(上部では200℃超)。消火用配管を用いているため他の号機へ枝分かれしており、注水がうまく届いていないらしい。そのため給水用配管からの注水に切り換える作業を行うという。本来の冷却系統を用いるということだろうか。作業員の安全を最優先にしてほしいものだ。
(追記) 5月11日、神奈川県南足柄市で採取された茶葉から1kgあたり570ベクレルのセシウムが検出された(基準は500ベキレル以下)。県は足柄市や農協に対し、出荷自粛や、既に出荷された茶葉の回収を要請。最悪の展開だな。関東地方の農作物はどうなっちまうんだろう。「数回摂取しても健康に影響を与えることはない」とのことだが、国の基準を超えているなら必要な措置を受け入れざるを得ない。
3号機の取水口付近の海水からは、高濃度の放射性物質が検出された。3号機タービン建屋地下の汚染水が流出していると見られる。
「水棺」にする予定の1号機は、いくら水を入れても水位が上がらない。底の抜けたバケツ状態。圧力容器も水位低すぎ、燃料棒露出か?と思ったら、燃料棒はグサグサに溶けて圧力容器の底に崩れ落ちてるとのこと。要するにメルトダウンだな。なんか小役人がメルトダウンは想定外とかほざいたそうだが、内だろうが外だろうが責任は東電とおまいらにあるんだよ馬鹿。つーか結局水棺計画は企画倒れらしい。つーか2、3号機ともメルトダウンしてるみたいって東電が言ってるし(5月14日記者会見)、3号機はそろそろ炉ごと大爆発すんじゃねえの?
それにしてもこの福島第一原発の海水ポンプの設置方法や非常電源装置の設置場所が津波に対して耐えうるものだったら、福島第二や女川や東海第二のように大事故は回避できただろう。専門家からの再三の忠告を無視して操業を続けた東京電力の責任であり、かつ東電に適切な指導を行わなかった日本政府の責任である。
それにこの事故の被害は、実際の放射能汚染や住民への強制避難だけに留まらないのは言うまでも無い。福島県や茨城県など近県の農業・漁業は大きな風評被害を受け、今後食糧品の海外輸入依存度がさらに高まるかもしれない。政府や財界はTPPによって農業も国際競争力を、などとほざいてやがったがそれどころじゃねえな。工業製品でさえ警戒されるほどだ(もっとも財界にとって農業なんかどうでもいいんだろうけど)。また日本国にとって貴重な外貨獲得手段の一つである海外からの観光客が激減している。海外からのイメージはフジヤマ、ゲイシャじゃなく、放射能に薄汚れた島になっちまっただろうな。このイメージは数十年は払拭できないだろう。何もかもぶち壊しだ。
そもそも原発というのはコストに優れているわけではない。キロワットあたりのコストが火力より安いというのは政府からの補助金を計算に入れてないため。燃料棒や放射能ゴミの処分を考慮すれば相当なコストになるだろう。
原発を造る目的は、電気を安く安定的に供給するものではない。国民から吸い上げた電気代と税金を、政治家・官僚・御用学者・電力会社・原発メーカー・ゼネコンが配分するためのものだ。こいつら銀蝿どもが我々の税金にたかっているのだ。
政府は浜岡原発4、5号機停止を要請、中部電力も渋々受け入れたが、それも防波壁を完成させるまでのこと。海江田は他の原発は安全だから停止を求めないし現在停止中の原発の運転再開も認めるという。この期に及んで原発の恐ろしさを認めないのだ。あいつらにとって環境と人間の命より、経済活動のほうが大切なんだろうな。(もっとも本気で経済効率を考えるんなら原発のような厄介なものは造らないだろうよ。所詮原発などヤクザが下っ端から金をゆするようなもんだ)
どちらにせよ我々の生活が、2011年3月11日以前に戻ることはないだろう。日本社会が受けたダメージは深く回復は不可能だ。こうしてパソコンで遊んでいられるのも今のうちかもしれない。しかし3・11は前哨に過ぎない。いずれ関東・東海地方でも大地震が起き、大火災によって廃墟と化した首都圏に浜岡原発の放射能が襲うだろう。
4月10日は出勤前に投票。俺が入れた民主と日共の候補は両方当選したようだがうれしくないし。社民の候補が出てなけりゃ民主か日共を選ぶしかないのは悲しい。つーか社民だって消去法で選んでるだけだし。東電の裏の路地じゃポリがバリケードをスタンバイしてる。ヤバそうなのが来たらすぐ閉鎖するつもりだろうか。ってゆうか右翼の街宣車が東電本社を十重二十重にして「清水出て来い!」とか叫んでもおかしくないと思ったんだが、どうも右翼ってのは自分の国が嫌いみたいね。
4月12日、同居人とチャリで、見沼用水沿いの桜を見物に出かけた。同居人はまだ新しいママチャリ、俺は同居人のお下がりのママチャリ。かなりボロイが辛うじて使える。MTBはバラバラにして車のトランクに入れたままだからね。
「九条の会・おまぎ」の立て看板。後方は浦和第一原発・・・じゃなくてクリーンセンター大崎(ごみ焼却場)
その昔、浦和市民病院は結核病棟だったらしい。そこから程近いエホバの証人の会館の隣に、こじんまりとしたイタメシ屋があって、桜を見ながらランチでも・・・と思ったのに潰れてた(笑)仕方ないからファミレスで安酒を呑んでいたが、ふと携帯をいじくると福島第一原発事故がチェルノブイリと同格のレベル7に昇格、というニュースが!アクセラレータだってレベル6になれなかったのに、レベル5からいきなりレベル7とはすげえな?
4月15日、<パレスティナに献花を!>をお休みさせていただいて、東電前抗議行動に飛び入り参加。けっこうな人数だった。知り合いはゼロに近かったけど。一方的に知ってる人は何人もいたけど。もちろん権力の数も凄い。またよろしく。原発なんて〜いらないよ!全ての原発いま止めろ!
2011年05月11日
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「IAEA、民主党の対応を「最良の方法」と評価 一方、3年前の勧告を無視した自民党と東電を厳しく批判 」
IAEA 報告案が明らかに
6月1日 5時29分
東京電力福島第一原子力発電所の事故調査のために来日した
IAEA=国際原子力機関の調査団がまとめる報告の案が明らかになりました。
事故直後の状況を考えると、実際に行われた対応は実行可能な最良の方法だったと評価する一方、
津波の想定は過小評価だったとするとともに、3年前に指摘した安全規制当局の独立性が改善されておらず、
事故対応にとって問題だったと厳しく指摘しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110601/k10013241981000.html
菅政権は初期対応が最善だったとは思わないし
それ以降の事後対応で国民に対しての情報公開が
適切なタイミングでされていないのも事実。
その点についての責任追及はなされるべきだか
チェルノブイリ級の重大事故など有り得ないなどと
ふざけた原発のトラブル想定が有りそんな甘い認識で適切な事故収束態勢が出来るはずが無い
菅政権に歴代政権が甘い認識でやってきた原子力行政の事前対応の責任まで負わせるのはやり過ぎ
安倍政権らの認識の甘さによる不十分な原発事故への事前対応についてまで
現政権に責任を負わせて再発防止策とかふざけた展開だな。
甘い認識の事故想定で原発重大事故の被害を最小限に押さえ込むなんて
織田信長が原子力の専門家でも無理だろ。
労働に従事し給与所得を得る労働者かつ納税者であり
労働者によって生産されたものを購入する消費者でもある
日本社会は彼等が担っておりそのこどもは日本社会の未来を担う存在だが
日本の主要政党は生産者目線の汚染食品流通に異義を唱えないので
彼等は「汚染食品流通によりこどもの健康が損なわれても良い」
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このような解釈が成り立つが「原発推進・核武装論」を主張する人間も同様の解釈が成り立つ
北朝鮮では「将軍様と朝鮮労働党の利益実現が最優先事項であり国民はその為に犠牲になるべき」
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この認識に近いものを日本で「原発推進・核武装論」を主張する人間は持っている疑いがある
ネトウヨに愛国心はない