【追記のお知らせ 2017年4月9日】
 記事「【5月7日】雁屋哲さんの講演+井戸川克隆さんと対談」に、「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」から福島現地での鼻血の症状についての報告例を引用しました

2011年06月30日

【ニュース切抜き】原発労働の実態

 正直、日本でこんなひどい原発事故が起きるとは思ってなかった。つまりは以前から反原発を標榜しながらも、てんで甘ちゃんだったってことさ。それにしても情勢がコロコロ変わるし、隠されていた事実が次から次へと明らかになるし、こういうのは苦手だな。70年ぐらい前のこと書くのは得意なんだけどw
 つーことでまた古いニュースの掘り起こし。福島第一原発事故の復旧作業というか原発労働一般によって、労働者は健康を蝕まれ、使い捨てにされ、そして原発屋と日本政府は知らん顔する、ということを教えてくれるニュースを拾ってみる。


 福島県いわき市からさいたまスーパーアリーナに避難していた男性(20代)の携帯に、「旧知のメンテナンス業者」から『日当40万円出すから来ないか』という誘いが入った。東電の(下請けか孫請けか知らんが)「協力会社」からの、福島第一原発で作業してほしいという誘いである。
 しかし彼の長男はまだ3歳、妻は妊娠中。ためらいなく断った。現地で電線敷設作業をしている友人からは『おれ、もう被曝しているかも』と聞かされていた。
『50代以上の人は高給につられて原発に戻っているらしい。でも、おれはまだ若いし、放射能は怖い。もう原発の仕事はしたくない』
 福島県内のある男性には、『50歳以上の人で原子炉近くに入ってもらえる人を探している。手当ては普通より多く払うからお願いできないか』という要請があったという。
 別の男性(40代)は東電の「協力会社」の社員だが、『人が足りないから戻ってくれないか』と要請され、4月以降に福島第一原発に戻る。「計測器を使ってそこが作業できる場所かどうか調べる仕事。原発の現状からすると、まさにそこが最前線だと言える」
 『特別な収入があるわけではないが、危険な仕事が待っているだろう。断ったら、恐らく会社にいられない』。(3月29日東京新聞)

 3月22日から26日、経済産業省原子力安全・保安院の横田一磨統括原子力保安検査官が福島第一原発の作業状況を確認し、28日に公表した。
 「免震重要棟」に寝泊りする作業員らは一日二食。朝食は非常用クラッカー、野菜ジュース。それぞれの作業場所は放射能汚染の恐れがあるため、昼食は持ち込めない。
 夕食は「マジックライス」という乾燥米と、鶏肉や魚の缶詰ひとつ。水は1.5リットルのペットボトルが一日一本だが、23日からは頼めばもう一本もらえるようになった。夜間は会議室や廊下で就寝するが、建屋内は2〜3マイクロシーベルト/h、床からの汚染を防ぐため鉛の入ったシートを敷いて毛布にくるまるという。(3月29日東京新聞)

 3月31日にNHKが報じたところによると、福島第一原発では作業員一人ずつに持たせるはずの線量計が全然足りず、作業グループの代表のみにしか渡されないケースもあった。その作業グループ全員が常に同じ場所で作業しているわけではあるまい。「やってられるか!」と、帰ってしまった作業員もいるという。東電は人様の命を何とも思ってないんだね。
◇ 一部作業員の被ばく量量れず (魚拓)

 福島県富岡町の石丸小四郎さんは、70年代から原発反対運動を闘い、現在は「双葉地方原発反対同盟」代表。震災後は秋田市の姉のマンションに避難している。
知り合いから『あんたは反対運動してたから、それみたことか、と思ってるべ』と言われたが、『40年も反対して止められず、こんなことになってしまった。ものすごく無力感にさいなまれている』という。
 石丸さんは福島第二原発の反対運動に参加したが、産業が乏しい地元は「原発特需」によって賑わい、交付金など数千億円が流れ込んだ。反対同盟の子や孫が原発関連の仕事に就くケースも増えた。こうして反対運動は「あっという間に切り崩された」。
しかし『そのうち仙台のようになる』という夢は建設工事が終わると消えた。自治体は「借金と(ハコモノの)施設維持費で首が回らなくなり、財政再建団体寸前に陥った」。建物造ったら当然維持もしなきゃなんねえよな。余計なもの造らないほうがよかったんじゃね?
しかし自治体は懲りずに原子炉増設に期待を向ける。福島県双葉郡の6町2村・人口約7万6千人のうち、1万人が原発関連の労働者。現在は避難中でも『会社から呼び出しがあったら戻りたい』という人も多いという。
 しかし石丸さんは『労働者たちは守られているとはいえない』と指摘する。東電はかつて売り上げの2倍の借金を抱えたことがあり、『2000年以降は修繕費と人件費を削り続け、事故が多発するという悪循環に陥っている』。原発の維持に凄まじいコストがかかるのは言うまでもない。特に福島第一原発は稼動当初から燃料被覆管に穴が開いたり配管の繋ぎ目にヒビが入るなど事故多発、『性能は実験炉なみ』と言われていた。
 原子炉を止めると一日で1億円の損失が出ると言われているそうだが、そのため定期検査の間隔を長くし、かつ点検期間を短くする傾向がある(1年間運転したら半年間停止して検査するより、2年間運転して点検を3ヶ月で終わらせたほうが当然、儲かるよな?)
点検期間が短くなるということは、『作業員は昼夜を問わぬ過酷な作業を続けることになり、危険に晒される』。当然そういう過酷な作業で点検・作業の質も落ちるだろう。原発屋ってのは安全性や作業員の健康を無視してひたすら利益を求めるんだな。
 地元の下宿屋の女将から『原発の仕事から帰ってくる人らは、飯を食いながら寝ている』と聞かされたこともあった。最近では、東京で失業中の若者が「清掃作業」の募集で福島に来てみたら原発の仕事だった、という相談を受けたという。
 しかし重労働を強いられているのは下請け労働者だけでなく、『東電の社員も合理化で、乾いたぞうきんを絞るように過重勤務だ』という・・・。(4月1日東京新聞 こちら特報部)

 4月8日福島市にて、厚労省が東電や協力会社、労組からヒアリングし、福島第一原発で基準を超えた放射線を浴びた作業者も、今後も原発で働けるように国に対応を求めたい、という要望が労使双方から出た。
福島第一の復旧作業に携わる作業員の被曝上限は250ミリシーベルトだが、5年間の累計100ミリシーベルト被曝した場合は、最長5年間は原発作業ができない。これを緩和せよというのである。労使双方が!さすが御用組合、労働者の命より資本家の利益が大切なんだね。
 東芝の担当者は朝日の取材に対し『今、作業しているのはプロ中のプロ。今後、彼らが原発の仕事に就けなくなるのは損失。規則を変えるべきだ』と語ったという。たしかに原発で働ける労働者が減っちまえば、東芝、日立、三菱といった死の商人は商売上がったりだもんな。
◇ 被曝基準超えた作業員の雇用継続求める 労使、国に要望2011年4月9日17時14分 (魚拓)

 そして4月28日、細川律夫厚労相が会見で基準緩和を発表。年間50ミリシーベルト被曝した場合は毎年4月1日を過ぎるまでは原発作業はできない決まりだったが、福島第一で被曝して他の原発の作業に戻りたい場合は例外として認めるという。原発を維持するために抜け穴を設けて労働者を犠牲にするつもりだ。ただし累計100ミリシーベルト被曝すれば最長5年間作業できない規制は維持するというが、これもそのうち撤廃されるかもな。
◇ 原発作業員の被曝上限緩和 5年100ミリシーベルト (魚拓)

 このように原発の維持とは、労働者を被曝させ死に至らしめることが前提である。この一点だけからも、全ての原発を直ちに廃止しなければならない、と言わざるを得ない。
 原発を維持しようとする連中が、自ら被曝の危険のある現場で働くことはない。軍事力を維持しようとする連中が自衛隊に入隊することは無いのと同様に。嫌な仕事、危険な仕事を他人に押し付けて、やれ原発増やせだの海外派兵しろだのほざいてやがるわけだ。そして様々な手口を使って労働者を集め、犠牲にするわけだ。
 誰しも、戦場で脳天を撃ちぬかれたり餓死したり上官にリンチされたり除隊後も心身を病んだり、放射能を浴びて癌や白血病になることは望まないはずだ。だから今すぐ全ての軍隊を廃止しなくてはならない。全ての原発を廃炉にしなくてはならない。

 4月19日に原子力安全委員会の小山田修氏が第一原発を視察し、翌日記者会見で現地の状況を語った。作業者の食事は一日三食になったがレトルト食品が中心で野菜は無く、風呂にも入れない。
 作業員が寝泊りする免震棟は、入口を三重扉にし隙間に目張りをつけるなど対策したところ放射線量が減少し、防護マスクの着用は不要になったという。
◇ レトルト中心、風呂はなく=第1原発、作業環境依然厳しく−福島 (魚拓)

 また、16日〜19日に現地で東電の社員約90人を診察した視察した愛媛大医学部・谷川武氏によると、彼らは粗末な食事と風呂も入れず床に雑魚寝するような環境環境、そして「危険な作業」「被災者」「肉親や友人の死」「加害者」の「4重のストレス」によって精神的肉体的に追い詰められ、このままでは過労死や鬱病のリスクが高まると指摘した。
◇ 原発作業員襲う4重のストレス…過酷な環境、鬱などリスク(1/2ページ) (魚拓)
◇ 原発作業員襲う4重のストレス…過酷な環境、鬱などリスク(2/2ページ) (魚拓)

 3月下旬、福島第一原発で作業する二次下請会社の従業員が、元請会社の社員から、
 「今回浴びた線量は手帳に載らない」
 「250ミリシーベルト浴びて、新潟県の東電柏崎刈羽原発で働くことになっても250ミリシーベルトは免除される」

 などとわけのわからんことを言われた。
 つまり福島第一で250ミリシーベルト浴びても、無かったことにするというのだ。すぐ他の原発で働けるように「放射線管理手帳」に載せない、というのだ。それじゃ「手帳」を作るのも、何ミリシーベルトとか基準を設けるのも意味がなくなる。仮に将来癌など発症しても、原発労働との因果関係を証明できなくなる。
 ちなみにこの「手帳」は、労働者の手元には無く企業が預かっている場合が多いという。
◇ 東日本大震災:福島第1原発事故 作業員の被ばく線量、管理手帳に記載せず (魚拓)

 5月9日に報じられたところによると、大阪のあいりん地区の「西成労働福祉センター」での「宮城県女川町 10トンダンプカー運転手 日当1万2千円 30日間」という求人があり、二人の労働者が採用された。しかし現場に行ってみると、福島第一原発敷地内、及び敷地の近くの作業だった。敷地内で働かされた労働者は、最初の3日間は線量計も渡されなかった。線量形を渡されてから、敷地外で働いていた作業者の3倍も被曝していることが分かった。報酬は求人内容の2倍の、日当約2万4000円だったという。
 「何の説明もなく福島に連れて行かれた。おかしいと思ったが(業者側に)物を言えるような雰囲気ではなかった。4日目にやっと線量計が配られた」。
◇ 「宮城で運転手」応じたら、実は福島原発 西成で求人 (魚拓)
◇ 日雇い労働者:原発での作業は給水 大阪の男性 (魚拓)
◇ 求人と違う原発作業 男性「敷地外を希望したが却下された」 (魚拓)
◇ 女川町と思い込み原発へ労働者…派遣業者が釈明 (魚拓)
◇ “だまされ”原発作業 日当2万4000円も「見合わない」 (魚拓)

 全く悪質な就業詐欺だ。それにしても非正規雇用労働者は往々にして求人の際に雇用形態や仕事内容を詳しく告げられないことが多い。俺も前の前の前の会社に就職したとき、まさか東芝の工場の孫請けの仕事だとは思わなかったぜ。しかも「実習」って名目で何年も働かされたし。それに(この事例はあまりにお粗末だが)派遣元が実際の業務内容を把握していない場合も多い。
 このように原発屋とその下請け企業は不法行為によって非正規雇用労働者を働かせ、そして使い捨てるわけだ。 (つづく)
posted by 鷹嘴 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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