政府、北朝鮮在住遺族の入国を拒否 制裁措置の一環
2006年07月24日20時10分
戦時中に日本によって動員され死亡した朝鮮半島出身者の遺骨返還をめぐる問題で、政府は24日、北朝鮮在住の遺族3人と同行者2人の入国拒否を決め、関係者に通知した。予定では遺族らは27日に来日し、朝鮮人遺骨問題に取り組む市民団体が国内各地で開く交流行事に、韓国人遺族とともに出席する計画だった。入国拒否は北朝鮮のミサイル発射に対する制裁措置の影響とみられる。ミサイル問題は日韓政府レベルの遺骨調査にも影を落としている。
5日のミサイル発射に対する制裁措置の一環として、政府は北朝鮮当局職員の入国を原則認めず、その他の入国も審査を厳格化するとしている。法務省入国管理局入国在留課は今回の件について、「日程などを見たが、人道上、特別に配慮すべき事案ではないと判断した」と説明する。
一連の交流行事は「韓国・朝鮮の遺族とともに 遺骨問題の解決へ2006夏」。市民団体や研究者らが韓国と北朝鮮から遺族約20人を招き、28日から各地で遺骨返還を訴える集会や現地調査を計画していた。韓国からの遺族は来日する。
北朝鮮からは遺族3人に加え、同国の対外機関「朝鮮対外文化連絡協会」の職員2人が通訳・案内役として同行する予定をたて、6月に入国許可を申請。法務、外務両省などが検討していた。
遺族のうち2人は、東京・目黒の祐天寺に遺骨が保管されている朝鮮人元軍属の息子で、ともに平壌在住の元公務員。
金勇虎(キム・ヨンホ)さん(68)の父金龍均(キム・リョンギョン)さんは旧日本海軍に徴用され、43年9月に南太平洋で戦死した。金元鏡(キム・ウォン・ギョン)さん(65)の父金正表(キム・ジョンピョ)さんは旧日本陸軍に徴用され、44年12月に現在のインドネシアで戦病死したとされる。勇虎さんと元鏡さんは6月、訪朝した朝日新聞記者ら日本メディアの取材に「日本から遺骨を持ち帰り、父の帰りを待ちながら亡くなった母の墓に納めたい」と語っていた。
遺族を招く手続きを進めていた「朝鮮人強制連行真相調査団」の朝鮮人側本部代表で、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の高徳羽(コ・ドグ)・副議長は「入国拒否は重大な人権侵害で、人道的に許せない。日本政府は直ちに撤回し、入国を認めるべきだ」との談話を出した。
市民交流だけでなく、日韓両政府が進める朝鮮人遺骨調査もミサイル問題の影響を受けている。
両政府は7日に初の実地調査を九州で予定していた。遺骨が保管された場所に双方の担当者が出向き、保存状況や故人の名前、本籍地、勤務先などを確認し、遺族捜しや返還に向けた重要なステップになるはずだった。
ところが、日本の外務省が5日のミサイル発射で対応に追われ、同日中に厚生労働省などと連絡を取って調査の延期を決め、韓国側に伝えた。外務省の担当者は「人道上の問題でもあり、早めに行いたい」と言うが、日程は決まっていない。
一方、遺族らを招いて行事を主催する実行委員会は7月上旬、遺骨を待ちわびる遺族の声を28日の東京集会で政府の担当者に直接聞いてもらおうと、内閣官房、外務省、厚労省に出席を求めた。しかし、政府側は「日韓の政府間交渉をしている問題だから、民間レベルの話にはタッチしない」などと拒否している。
2006年07月24日
【政府、北朝鮮在住遺族の入国を拒否 制裁措置の一環】
ふざけてやがるな。テポドンを口実にして強制連行の究明を妨害するつもりかね?
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いろいろ厳しくなってまいりましたなー。大丈夫ですか?北朝鮮さんw
Excerpt: この手の話が最近よく出てくるのだけど、効果とういうか、厳しい対応というのは、私も望むが、しっかりと運用してほしいね。日本はスパイ天国らしいが・・・。
Weblog: ネット的記憶装置
Tracked: 2006-07-25 21:34
遺族本人でなければ、日本に来なければ、
究明できない事って何。
遺骨を遺族自身で探すことを妨げるのは確かに非情だが、
それを強制連行の究明妨害と、こじつけて批判するのもどうかな。