これは既にCMLや「問答有用」に投稿済。特に新しい話は無いが、せっかくだからこっちにも書いておく。ってゆうかこんな話を「花岡事件」のカテゴリーに入れていいんでしょうか?
中国の撫順・太原戦犯管理所に収容され加害責任を自覚した日本兵・将校が、帰国後「中国帰還者連絡会」を結成した。メンバーの高齢化のため2002年に解散したが、その事業と精神を引き継ぐため【撫順の奇蹟を受け継ぐ会】という市民団体が結成された。(参考:季刊『中帰連』WEB)。
会員数は約400人で全国11の道府県に支部がある、比較的大きな市民団体である。この市民団体のメーリングリストで、花岡訴訟の和解の評価を巡って困った事態が起きた。このブログでは既に書いたけど。
■ 2008年に精神科医の野田正彰氏が岩波書店「世界」にて花岡和解を批判して以来、受け継ぐ会のMLでも、この問題についての論争が始まった。しかし「和解」を評価(というか擁護)するのは、ドイツ在住ジャーナリスト梶村太一郎氏ら数名だけで、彼らは他の参加者から厳しい批判を受けていた。すると同会事務局長・ML管理者の熊谷伸一郎氏によって、花岡和解の議論中止が言い渡され、異を唱えた参加者はML登録を解除されてしまった。どうやら梶村氏・熊谷氏の、花岡訴訟の弁護団・支援者との「しがらみ」が、このような措置を必要としたようである。
しかし花岡和解についてML参加者の見解が統一されるわけがなく、小規模な議論が断続的に続いていた。梶村太一郎氏が論敵に「馬鹿者」などと暴言を吐くなど混乱が続いたため、送信されたメールは熊谷氏ら管理者の承認後に配信することになった。(梶村氏への警告は無かった)
以降、送信したメールが配信されないケースも多くなった。特に花岡和解に関する話題は警戒していたようだ。しかしこの方針によって、熊谷氏ら管理者が今度こそ完全に信頼を失う事態が起きた。
■ 2011年2月10日室蘭にて「日の丸・君が代の強制を許さない市民の会」主催の「天皇制と日の丸・君が代」集会が行われ、野田正彰氏が講演した。北海道在住の受け継ぐ会ML参加者が2月6日に、この集会の告知をするためMLにメールを送信したが、そのメールはMLに配信されず、そのうち集会の2月10日を過ぎてしまった。
集会の内容は花岡和解とは全く関係が無かったという。単に野田正彰氏は花岡和解を批判しているから、という理由だけで配信が拒否されたわけだ。しばらくしてこの処置が明らかになり、非難が殺到した。
もっとも「そんなことに目くじらを立てなくとも」と笑われるかもしれない。たしかに「受け継ぐ会」は単なる市民団体だ、仲良しグループだ。不満があるなら出て行けばいいだけの話だ。MLだって仲間内の情報交換・雑談の場に過ぎない。配信が拒否されることによって経済的あるいは社会的損失を蒙ることはない。集会を告知したければ、このML以外にも方法はいくらでもある。
それでもあえて言わせてもらうが、このMLに右翼の集会告知や、日本の加害責任を否定するような内容を送信すれば、配信拒否されて当然であろう(そもそもそんな人間だったらMLに入会できないが)。しかし配信拒否されたのは日の丸・君が代の強制に反対する集会である。「受け継ぐ会」は日の丸・君が代の強制に反対ではないのか?歴史を語り継ぐと共に軍国主義の復活を阻むことがこの団体の主目的ではないのか?「受け継ぐ会」にとって、広く告知しなければならないテーマの集会ではないのか?
そもそもMLというものは参加者が送信すれば(システム障害が無い限り)直ちに送信されるものである。管理者によって配信か削除か選別するというのは極めて異常な処置だ。こういう処置を設けているだけでも、言論の自由・思想信条の自由に非積極的だと言える。
たとえば、学校の不正を抗議するチラシを受け取った学生から、教職員がうまく言いくるめてそのチラシを取り上げても、法律違反ではないだろう。しかしその学校は言論の自由を阻害しているではないか?「都合の悪いものは隠す」という姿勢が、平和や民主主義、人権と敵対していることを、今更言うまでもないだろう。
熊谷氏は、「野田氏の講演告知だから配信するべきでない」という愚かな判断によって、それこそ学校の門前の路上での君が代起立強制に反対するチラシ配布を妨害するような、あるいは弾圧に加担するような連中と、同じ側に立ってしまった。もはや彼には、君が代不起立教員への不当な処置に抗議する資格も、日本の加害責任に言及する資格も無いだろう。それにしてもこんな人間が岩波書店「世界」の編集員だから情けない。
■ さすがに熊谷氏も配信拒否したこと自体は謝罪したが、「忙しくてチェックする暇が無かった」という。しかし今までの経験から言うと、微妙な内容のメールだといくら待っても配信されないが、当たり障りのないメールだと遅くても翌日には配信されていた。本当に忙しいかどうか別にして、「チェックする暇が無かった」というのは単なる言い訳であろう。
そして熊谷氏は、非難されることに耐えられなくなったのか、予想もしなかった通告を行った(2月27日)。
1. 今後このMLは、受け継ぐ会の公式MLではなく、私(熊谷氏)個人のMLという位置づけになる
2. そのうち公式MLが作られると思う。私がそれの管理者を引き受けることはない
3. MLにおいて抗議を行う方々は、公式MLに移行してほしい。そして現在のMLは自主的に登録解除してほしい(脱退してほしい)
個人のMLだから今後はメールの選別についてクレームを受け付けない、というつもりか?しかも今まで熊谷氏の行為に抗議を行ってきた方々には、MLから抜けるように促すメールがCCで届いた(もちろん俺にも)。
■ それにしても、今まで「受け継ぐML」が「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」の公式MLだと信じて疑わず、集会告知など利用してきた俺たちは騙されていたというのか?そりゃたしかにこのMLは、「受け継ぐ会」発足以前から熊谷氏が始めたものだと思うが、今更個人のMLなんて冗談じゃない。実際に多くの会員が利用している現状を踏まえ、公式MLとして運用させるべきではないか?忙しくて管理に手が回らないなら、管理人を辞退して誰かに任せればいいじゃん?(つーか熊谷氏本人が前から管理人辞めたいって言ってたじゃんか)。
どーしても現行のMLは公式MLとは認められないってゆうんだったら、「撫順の奇蹟を受け継ぐML」という、撫順の奇蹟を受け継ぐ会の公式MLと勘違いしかねない名称は、至急改めるべきじゃねえか?「熊谷伸一郎ファンクラブ」みたいにしろや。
現在でも「受け継ぐML」の紹介ページでは、受け継ぐ会公式MLと勘違いしかねない内容であり、「中帰連のWEBサイトの登録フォームから登録手続きをおこなってください」という案内もある。この案内を含めて、全文を改訂するべきだ。
また「中帰連のWEBサイトの登録フォーム」も、決して公式MLではなく、熊谷氏個人のMLへの登録であることを明記するべきだ。
このように「受け継ぐML」が受け継ぐ会公式MLだと勘違いしかねない現状であり、かつ公式MLがまだ設置されていないので、今のMLから出て行け、という要求は受け入れられない。いっそのこと現在のMLを閉鎖し、熊谷氏個人のMLが必要なら新しく開設したらどうか?そもそも俺がなぜ、熊谷氏の個人MLに加入していてはいけないのか?
そういえば、今まで多くの人々が、管理方針に背いたという理由で追放されたよな。たとえば「花岡の議論は中止」という勧告に従わなかった、という理由で追放された人もいたし、「週刊金曜日への批判をしつこく続けられると新しいメンバーをMLに勧誘できない」という理由で追放された人もいたよな。このMLが「受け継ぐ会」の公式でなくなったというのなら、これらの処置は無効になるはずだ。
たしかに同じテーマの議論が延々と続くのは、関心の無い者にとっては苦痛だ(実際そういう声もあった)。しかし市民団体の公式MLなら別として、個人のMLならそんな配慮は無用のはずだ。なによりも個人のMLだったら、花岡和解関係者への気遣いも必要もねえよな。どんなに辛辣な批判が出ても「いやこれは受け継ぐ会公式MLではなく個人のMLですから」と言い訳できるじゃんか。ともかく従来の方針を全て見直し、新しい管理基準を明示するべきではないか?
そりゃ個人のMLであるなら、なにをやってもやらなくても、嫌いな者を排除しても、開設している個人の勝手だけどさ。一般論としてね。しかし最低でも受け継ぐ会公式MLと勘違いしかねない記述は変更してほしいんだけど。現在でもこの「受け継ぐML」は、受け継ぐ会の公式ML的な位置にある。「個人のMLとなりました」という宣言は、邪魔者を排除した上でMLを存続させるための、方便ではないか?
■ ・・・という抗議のメールを、迂闊なこというとML追放されんじゃねえかと悩みつつ(ってゆうか原発事故のせいですっかり忘れてたけど)、3ヶ月も経ってからやっと、熊谷氏本人とCC全員、及び受け継ぐMLと討論用MLに送信してみた(5月26日14時41分)。
もちろんMLに配信されることはなかった。それどころか約2時間後(16時56分)に「受け継ぐML」の案内ページを開いてみたら「このグループに参加する?」のメッセージが出てきた。あれ???
つまり外されたってことか。他の人の場合と同様に、一切通告なくいきなり登録抹消である。熊谷氏がいつも忙しい忙しいって愚痴ってるのは、MLの管理が忙しいってことか。まあ仕方ないけどね。これであの偽善者との縁も切れたってことか。討論用MLもいつの間にか消えてるし。
ところで公式MLを設置する予定もあるらしいんで首を長くして待ってるよ。梶村氏は依然として受け継ぐ会顧問の座に居座っているらしい。情けねえなあ。
それにしても熊谷氏に実際に合ったことのある人なら、「こいつお調子者だ」と感じたかもしれない。短い間だが彼の立ち上げた活動に参加して、散々そう思ったよ。たとえば面倒臭い仕事はすぐ人に押し付けるし、報告集会が終わったあとなど話が長くなりそうな人から質問を受けたときなど、「タカハシさんのメールを読んで来てくれた人だよ」と押し付け、自分は初参加の若い女性と話をしてる。オルグってゆうかナンパだったりして。
もちろんそういうお調子者であろうとも、正しい歴史認識を育てるために、戦争被害者の名誉回復のために、真摯に活動してるなら我慢してやってもいいけど、全然そうじゃねえもんな。自分の立身出世のために利用してるだけだからな。ともかく熊谷氏や梶村氏やその取り巻きや、花岡和解を評価する連中は、口先でどんな立派なことを言っても、その本性は「しがらみ」のために動く人間だということを忘れてはならない。それこそ、自分らの信念に従い煙たがられるのを承知で突っ走る「ヘイスピ」のほうがずっと好感が持てるなw
ところで今年は花岡に行かなかったけど、またそのうち訪れてみたいと思う・・・。
◇ 花岡事件:大館で慰霊式 犠牲者遺族ら150人悼む /秋田 (魚拓)
◇ 花岡事件忘れない、殉難者慰霊式 大館市、中国人遺族ら冥福祈る (魚拓)
2011年06月30日
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