首都圏で140万戸停電 交通乱れる 送電線に船が接触
2006年08月14日
14日午前7時半ごろ、東京都と千葉、神奈川両県の一部で大規模な停電が発生した。一時、計140万戸が停電し、JRや私鉄、地下鉄もストップ。信号機が点灯しなくなったり、エレベーターで人が閉じこめられたりする事故も相次いだ。けが人の情報はなく、停電は約3時間後に復旧した。東京電力によると、東京都江戸川区と千葉県浦安市の間を流れる旧江戸川にかかる送電線を、航行中のクレーン船が傷つけたことが原因と見られる。
警視庁と千葉県警によると、東京都江戸川区南葛西7丁目の旧江戸川の中央部分で、航行中のクレーン船(全長36メートル、幅12メートル、380トン)が、水面から約16メートルの高さの送電線と接触した。クレーン船は三国屋建設(茨城県)の所有。浚渫(しゅんせつ)工事をする予定だった。乗務員は「橋をくぐった後、長さ33メートルのクレーンを上げたところ、送電線に接触した」と話しているという。
東京電力によると、送電線は2系統あり、一方が損傷しても、もう一方が予備の役割を果たすが、クレーンは送電線を2系統とも損傷させたという。この送電線は、発電所から送電する50万ボルトに次ぐ2番目に大きな送電線。この送電線につながる各変電所では、損傷によって過電流保護装置が働いて電流が遮断されたため、次々に停電が起きたという。
停電が起きたのは中央、千代田、新宿、世田谷、渋谷など14区1市(計約97万戸)と横浜、川崎両市(同22万戸)、千葉県浦安、市川の両市(同20万戸)で計約140万戸。停電は同10時44分に解消した。
東京メトロは午前7時半過ぎから一時全線で運転をストップ。順次再開したが、東西線は高田馬場―葛西駅間で約1時間運転を見合わせ、計10万3000人に影響が出た。東京都営地下鉄の各線やJR京葉線、東急や京浜急行、京王電鉄、東京モノレール線、新交通システムゆりかもめなど私鉄各線でもダイヤが大幅に乱れるなどし、計約34万5000人に影響が出た。
東京消防庁によると、都内では、午前7時40分ごろから、停電が原因とみられるエレベーター内の閉じこめ事故での救出要請が58件あった。同時刻に火災の通報が数件あったが、大きな火災や交通事故の連絡はないという。119番通報も100件近く寄せられたため、緊急時以外の無線の使用を控えた。
千葉と神奈川両県では計13件の閉じこめ事故があったという。
警視庁によると、都内では、計約400カ所の信号が正常に点灯しなくなるなどのトラブルが起き、警察官が出動して手信号で交通整理にあたった。
別ルートで送電再開 復旧までは短時間 首都圏広域停電
2006年08月14日13時11分
朝の首都圏を襲った大規模な停電は、網の目状に張り巡らされた送電網で、機器を守るための送電ストップが相次いだために、被害が広範囲に広がった。ただ、一方で、この網の目状の送電網があったため、送電が別ルートで再開でき、2時間足らずでおおむね復旧、長時間に及ぶ被害は避けられた。
接触事故が起きた送電線は、2番目に高い電圧の送電線だ。首都圏の需要をまかなうために、大規模な送電を担っている重要な送電線だった。この送電線のすぐ上流部はループ状に整備されているが、事故現場の下流部の変電所で、過電流から設備を保護するための装置が働き、送電を遮断した。
電気は、各変電所の下流部の変電所を通して、通常の送電線の6600ボルトまで下げて配電することになっている。送電を遮断した変電所の下流部の変電所でも同様に保護装置が働き、一時的に電流が遮断された。この影響で、都内だけでなく千葉、神奈川各県にも停電が広がった。
一方、東京電力では送電線事故など送電トラブルを回避するために、主要送電線をループ状にするとともに、各変電所間も網の目状に系統を展開している。このため、別のルートで送電するよう順次切り替えることができた。ただ、復旧は、担当者が各変電所で安全を一つ一つ確認しながら手動で行うため、それなりの時間がかかった。
99年には、埼玉県狭山市の入間川河川敷に航空自衛隊のジェット機が墜落した際に、やはり27万5千ボルトの送電線を切断、計80万戸で停電し、復旧に3時間余かかった例がある。
停電、クレーン船「送電線に気づかず」
2006年08月15日03時00分
首都圏で14日朝に発生した大規模な停電で、送電線に接触して停電の原因となった三国屋建設(茨城県神栖市)所有のクレーン船に乗船していた同社千葉事務所長(43)が、千葉県警の調べに「係留作業に気を取られ、送電線に気が付かなかった」と話していることが分かった。
クレーン船が接触し傷つけられた送電線の復旧作業をする作業員=14日午後4時15分、千葉県浦安市で
浦安署によると、同船は浚渫(しゅんせつ)工事のため、旧江戸川を時速約4キロの速度で上流に向かっていた。工事現場は送電線よりも約500メートル上流で、送電線の手前からクレーンのアーム(長さ約33メートル)を持ち上げ、クレーン船の係留に向け、金属製のくいを川底に打ち込む準備をしていたという。
調べでは、アームは接触時は角度約75度まで上がっており、下から17メートル付近に黒く焦げた跡がある。アームは最大78度まで上げられるという。
同船には2人が乗船。事務所長の指示で、男性社員(30)がクレーンを操作していた。
浦安署はこの2人と先導したボートを運転していた男性社員(23)の計3人から任意で事情を聴いており、刑事責任が問えるかも含めて事故当時の様子を調べている。
また、金融機関や企業に株価などの金融情報を提供する、日本経済新聞社グループのQUICK社のシステムでは午後1時26分ごろ、障害が発生し、東京証券取引所の株価動向を示す指数である日経平均株価や日経ジャスダック平均株価など6種類の指数の算出・配信ができなくなった。日経平均の算出ができなくなったのは初めて。
東京電力によると、今回、140万軒で停電した。東電は「損害賠償請求も検討中」としている。
(8/14)停電3都県で139万世帯、3時間後に全面復旧
14日午前7時35分ごろ、東京と神奈川、千葉の3都県で約139万世帯に及ぶ広範囲な停電が起きた。約3時間後に全面復旧したが、JRや私鉄、地下鉄などが一時運行できなくなり、計約31万7000人に影響が出た。エレベーターに人が閉じ込められる事故も多発した。東京電力は東京都と千葉県境を流れる旧江戸川にかかる送電線にクレーン船が接触したことが原因と断定した。
東京電力によると、停電したのは東京都区部と町田市の計約97万世帯のほか、千葉県の浦安、市川の両市、横浜市と川崎市の北部など。午前10時45分までに全面的に復旧した。
千葉県警によると、接触事故が起きたのは東京都江戸川区と千葉県浦安市境を流れる旧江戸川。クレーン船がしゅんせつ現場に向かう途中、長さ33メートルのクレーンが川にかかる2本の送電線に接触、損傷させた。船の作業員3人は「初めての現場で、送電線の存在を知らなかった」と話しているという。
首都圏大停電
一転『送電線知っていた』
首都圏で十四日午前に起きた大規模停電で、東京電力の送電線と接触事故を起こした作業船の乗組員のうち二人が「過去に上流の工事のため、現場を何回か通ったことがあり、送電線があることを知っていた」と、千葉県警浦安署の事情聴取に説明していることが十五日、分かった。乗組員らは当初、「送電線があることに気付かなかった」としていた。
これまでの調べでは、十四日午前七時四十分ごろ、東京都江戸川区と千葉県浦安市の間の旧江戸川でクレーンのアームを上げて航行していた作業船が高さ約十六メートルの送電線に接触し損傷させた。
船に乗っていた三国屋建設(茨城県神栖市)千葉事務所の所長(43)とタグボートの乗組員(23)の二人は「作業中だったので送電線のことは頭になかった」と、作業に没頭していて送電線に気付かなかったとしている。クレーンの操縦士(30)は旧江戸川の現場に行くのは初めてだったという。
一方、東京電力は十五日、現場で送電線の復旧作業を続けた。
東電広報部によると、損傷した送電線のうち、上流側の線は同日午前零時五十分ごろ工事を終了。損傷が激しかった下流側の線は同日午後八時ごろまでの予定で作業を進め両方とも復旧してから送電を再開する予定。
浦安市、元請けの大林組を指名停止に 停電事故2006年08月15日19時13分
千葉県浦安市発注の浚渫(しゅんせつ)工事に向かう三国屋建設のクレーン船が送電線に接触して首都圏の大規模停電につながった事故を受け、同市は15日、元請けの大林組との契約解除と6カ月間の指名停止処分を決めた。大林組は7月28日の指名競争入札で同工事を2500万円で落札していた。
市の指名停止措置要綱に基づき、一般に多大な迷惑をかけたことや安全管理を怠ったことなどを理由にした。
「知らなかった」のか「知っていた」のかなんて、知ったこちゃねえが(笑)、クレーンを持ち上げた状態で送電線の下をくぐれるかどうかなんて猫でも判断できるぞ(笑)つーか「気付かなかった」って?目ん玉をケツの穴の中につけてやがんのか?トンデモねえ奴等だな。まあ賠償額なんて天文学的数字になるから払えっこねえだろうから、大人しく倒産して下さい。
つーか俺の現場は全然大丈夫だったんだってさ。今後に備えて停電事故の時にどう対処するのか勉強しとかないとね。自家発があるけど当然全ての負荷に供給するような容量はない。どの負荷を生かすのか、エレベータのような重大な負荷は生かすはずだけど、どの遮断器から給電しているのか、何台もあるエレベータのうちどれを動かすのか、やっぱ都市ガスも来なくなるのか、中央監視装置のUPSはバッチリなのか、つーかリモートステーションが死んだら両目両耳を塞がれたも同然じゃねえか・・・などを。仕様書とか結線図とか、図面の山の中から探しとかないとね。
病院とかじゃ大変だと思うよ。手術中に停電して、自家発が動いて給電されるはずなのに、うまくいかなくて・・・なんてことになったら夜逃げしたくなるじゃん?