【追記のお知らせ 2017年4月9日】
 記事「【5月7日】雁屋哲さんの講演+井戸川克隆さんと対談」に、「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」から福島現地での鼻血の症状についての報告例を引用しました

2011年12月11日

日比谷集会+銀座デモ / 肥田先生講演+浦和デモ

 (「内部被曝の脅威」(肥田俊太郎・鎌仲ひとみ/共著 ちくま書房)より引用して追記済

 同居人のママチャリを有償レンタルして通勤に使っていたが、やっとMTB復旧を断念し新しい自転車を買った。最近はやりのクロスバイクってやつ。けっこう早くて気持ちいいんで、休日はこの寒いのに乗り回してる。そういうわけでますますブログ更新が滞りそうな情勢。これが今年最後の投稿になるかも。しかも年内に仕事とかプライベートで厄介な用事が残ってるし。年賀状も書いてないし。

 10日は日比谷野音で行われた「さようなら原発1000万署名」の集会&デモに行ってきたよ。
111211hibiya_urawa 001.jpg
 集会は13時10分からだが、その前に公園内でNAZENの皆さん、各地の労組の皆さんとともに。ポリ公が無届集会だとかイチャモンつけてくるけど、これは集会じゃなくて、これから行う集会の打ち合わせですから!

111211hibiya_urawa 002.jpg
 そして13時10分から、元頭脳警察・パンタ氏のライブ。

111211hibiya_urawa 004.jpg
 司会は講談師の神田香織さん。発言は鎌田慧氏、大江健三郎氏、そして駅前アクション、パルシステム千葉、カトリック正義と平和協議会、ハイロアクション福島原発、福島県平和フォーラムなど各団体から。

111211hibiya_urawa 005.jpg
 そういえば去年、鎌田慧氏を至近距離で見たよな。いや、この話はやめておこう・・・

111211hibiya_urawa 006.jpg
 神田香織さんが「23歳でノーベル文学賞を受賞した大江健三郎さんです!」と紹介したが、場内は微妙なざわめき。大江氏は「私は早熟でしたが、23歳で受賞したのは芥川賞です」と苦笑しながら説明。そうか、知らんかった。そのあと神田さんは「失礼しました、私は講談師なのでつい話が大きくなってしまいます」と弁解。ドンマイ!
 入場したときはガラガラだったんで心配したが、気がつきゃほぼ満員。てゆうか席の後ろは立ち見で大混雑。5500人が結集したとのこと。

111211hibiya_urawa 008.jpg
 そして15時頃デモ出発、東電前から銀座に抜けて常磐橋公園解散の定番コース。この写真には写ってないけど前の梯団の緑色の旗は見ないふり。

111211hibiya_urawa 011.jpg

111211hibiya_urawa 014.jpg
 弾圧もなく無事終了。元全学連委員長で、NAZEN事務局長の織田陽介さんの音頭で団結ガンバロー、そのあと俺がお世話になっている某ユニオンで本日の総括、再び団結ガンバロー。これがなくちゃデモやった気がしないよね。


 11日は「埼玉反原発action」主催の集会&デモに行ってきた。さいたま市の「ときわ会館」にて、低線量・内部被曝の脅威を訴え続ける医師・肥田舜太郎先生の講演会。そういえば4年前ここで消防設備点検資格者の講習を受けたな。ちょうどそのとき安倍が辞任表明したんだっけ。懐かしい思い出だなあ。以降は当日の講演内容から引用。

 肥田舜太郎先生は元軍医で、広島で被曝した。無医村で特別に子供の診療をしているときに(注射を打つまえに注射器の空気を抜いたときに)、建物や自分の身体を貫くような激しい閃光と熱を感じたという。
 小学校の校庭には1000人以上の被曝者が寝かされていたが、聴診器すら無くなにもできなかった。負傷者にはオニギリが配られたが、口内炎によって「口がやけた」と感じる負傷者は食べることができず、お粥にして横たわる負傷者の口に上から流し込んだ。負傷者の多くは高熱、出血など亡くなっていったという。
 今年3月15日の福島第一原発3号機水素爆発事故以降、肥田先生の下に放射能被曝の症状ではないかという問い合わせが相次いだ。下痢、口内炎、鼻血などで、受診しても原因不明というが、これは広島原発と同様の放射線被曝の初期症状。低線量のため数週間で回復するというが、数年後あるいは数十年後に新たな症状が現れるかもしれない。言うまでもなく空気中の放射線量が低下したからといって安心できるものではない。半減期30年のセシウム、2万4千年のプルトニウムを体内に吸収していれば、生涯に渡って内部被曝に侵されることになる。

 人体内部からの低線量被曝が危険な理由は、放射線による細胞膜の破壊がDNA損傷をもたらすため、らしい(追記参照)。損傷したDNAを持つ細胞が分裂を続けるうちに癌や白血病など発病する危険がある(だから妊婦や成長途中である子供の被曝を防がなくてはならないと、みんな言ってるんだよな)。
 かつてカナダの研究所で、放射線によって細胞膜を破壊する実験が行われていたが、偶然、高い放射線量を短時間照射するよりも低い放射線量を長時間照射したほうが確実に細胞膜を破壊できることが発見された。つまり、紙一枚で遮断できるというアルファ線を発するプルトニウムが微量でも体内に残留していれば、長期間に渡って細胞膜の破壊→DNAの損傷が続く。恐ろしいことだ。
 これは発見者である医師のアブラム・ペトカウの名を取り、ペトカウ効果と言われている。しかし肥田先生によると、ペトカウの発見はアメリカの外圧によって妨害され、研究結果を出版することもできない。そのためペトカウは世界各国の医師に手紙を送り、この発見を知らしめたという。

 チェルノブイリ原発事故の被曝者を診察したカルテには、「放射線疲れ」という症状が記されていた。普通の「だるさ」とは違う、説明のつかない「だるさ」に悩まされていた患者が多かったという。
 アメリカで行われた原爆実験では、実験のたびに新しい部隊が召集され、兵士が塹壕に入り、実験の後に通常の戦闘を想定しての演習が行われた。後に彼らはチェルノブイリの被曝者と同様に倦怠感に襲われ、働くことも出来ず、治療法もなく寝たり起きたりの生活のまま「なんで死んだか分からない状態で死んでいった」
 またGHQによる日本占領期、日本政府は広島・長崎原爆の被曝者に緘口令を布くよう指示したという。診察を受けるにしても「1945年8月6日に広島に居りました」、なとと告げてならないとされた。医師に対しても被曝者を診療すること自体は止めなかったが、学会での研究発表などはアメリカ軍の機密に属する、として堅く禁じられたという。
 どちらにせよ低線量被曝の患者を治療することは不可能だった。原爆で被曝して以降、特に原因も無いのにとにかく身体がだるい、仕事のやる気が起きない、診察を受けても原因不明・・・という患者が多発していた。これは「ブラブラ病」と呼ばれていた。以前に投稿したが原発労働によって被曝した労働者たちと同様の症状である。広島で被爆した肥田先生自身も、後に謎の倦怠感に悩まされたという。「人類が経験したことの無い症状」であるから、治療法は存在しない。
 それにしても福島事故以降、原子力発電と原子力爆弾(核爆弾)の相違点は、放射能漏れに際し閃光や爆風が伴うか否か、だけではないか・・・という思いが強くなっているが、肥田先生は「放射能を一度に漏らしてもいい量を決めているのが原発、その制限が無いのが原爆」だと喝破する。
 たしかに、原発を運転する限り程度の差はあれ放射能が少しづつ漏れていく。使用済み核燃料はどこかに埋めるしかない。廃炉するにしても原子炉、配管、建屋構造物はひどく汚染されている。結局回りまわって環境中に放出されるわけだ。原発も原爆も、放射能を撒き散らして動植物を死滅させ地球環境を破壊するという点で、同じシロモノだな。

 肥田先生は「一番の敵は内部被曝」であり、福島県民は大人も子供も生涯に渡って健康障害がもたらされる危険があると警告する。しかもこの日本の社会では「医師が福島原発事故のせいでは?と疑っても袋叩きに遭うことだろう、誰も因果関係を証明できないのだから」・・・。
 「一番大事なことはすぐ原発を止めること」なのだ。事故が起きたからら避難しろと言っても簡単にできることではない。自分の住居・財産・職業・地域のコミュニティ、いわば今までの人生の積み重ねを全て捨てることであるから。ゆえに「自分の身体は自分で守らなければならない」。

 最後に肥田先生は、我々が今後どのように生きていくべきか説いた。日本人の主食である米は、唾液に含まれる酵素で分解されないと、小腸で栄養分として吸収できない。「だから昔の人は、早起きしてお米を30回噛め」と教えた。免疫力の維持のため、健康のため、「30分早起きして」朝食を良く噛んで食べなければならないのだ。
 会社の命令で残業が止められないヒトは、「自分の人生の主人公になっていない」。そういうヒトは「命よりお金が大事」なのだろう。というか日本はそういう社会になってしまっている。このような、収入のために健康を犠牲にする社会、「大企業の利益優先」の社会を変えなければならない。もう94歳の肥田先生は、質疑応答を含めると約2時間熱心に語った。

 たしかに「先進国」の統治機構と大企業は、労働者を搾取し、弱者を切り捨て、地方や「途上国」の人々を犠牲にすることで成り立っている。しかも連中は最悪の原発事故にも懲りずに、原発を他国に売り込もうとしている。我々労働者に対しては、できるだけ長時間働いて稼ぎ消費しろ、と煽る。こうして我々は『“豊かさ”に駆り立てられ』ている。こうした現代の社会構造・経済構造を打倒しなければならないだろう。

 そして16時頃、会場を出て中山道を通って浦和駅までのデモ出発、百数十人が参加。浦和で行われるデモに参加するのは3回目くらいかな?つーか田舎だからデモなんか滅多に無いけど。
111211hibiya_urawa 021.jpg

111211hibiya_urawa 022.jpg
 都内のデモに比べると、やはり沿道の野次馬・通行人が少ない。所詮田舎だもんね。緑色の旗は見なかったことにしよう。ヘイスピみたいに運動の足を引っ張っちゃいけないからね。

111211hibiya_urawa 025.jpg
 弾圧も過剰な警備もなく無事終了。人数は少なかったが充実したデモだったよ。またよろしく!

111211hibiya_urawa 027.jpg
 そのあと同居人と合流し、「居酒屋力(りき)」で飲んだ。初めて入ったぞ。東京新聞に「レッズが弱いと居酒屋力も客少ない」とか書いてあったが、日曜の夜なのにほぼ満席でしたが?

 翌日は日勤、まっすぐ帰ろうと思ってたのに同居人からメールがあり、浦和駅近くの調神社(つきのみや神社)のお祭り「十二日まち」に行くことになってしまった。神社の境内どころか中仙道も屋台で占拠され、まるでこの一帯がラウドパーク会場になったかのような混雑。いったい浦和のどこにこんなに人間が住んでたんだ?反原発デモもこのくらい集めてみたいもんだね。


※追記 内部被曝とは、生物の体内に吸収された放射性物質がアルファ線やベータ線を放射し細胞を破壊していくメカニズムである。
 アルファ線は空気中では45mm、体内では40μm(マイクロメートル)しか飛ばず、一枚の紙で遮断できるが、これを放射する物質を吸収してしまった場合、徐々に細胞を破壊されていく。細胞内の新陳代謝活動より桁違いに大きなエネルギーを持つアルファ粒子は(※)、近くの細胞を傷つけると同時に体液中の酸素分子に衝突し、活性酸素の一種である「フリーラジカル」に変化させる。
 これは酸素分子から水素が一つ欠けた“hydroxyl radical”であり、「電気的エネルギーで内部を守っている細胞膜を破壊し、大きな穴を開ける」。そしてその穴から放射性物質が細胞内に入り込み「新陳代謝を混乱」させ、遺伝子に傷をつける。修復している間にも次々とアルファ粒子が放たれ、DNAの鎖を断ち切っていく。こうして遺伝子が損傷した細胞が分裂を繰り返した末に突然変異が起これば白血病や癌を発病する。生殖細胞が傷ついていれば子孫に影響をもたらす。
 この“hydroxyl radical”の数が多すぎれば、互いに反応して元の酸素分子に戻ってしまう。低線量の放射線によって少数の“hydroxyl radical”が発生したほうが、細胞膜の破壊が容易になる。つまりペトカワ効果説の通り、低線量の長時間被曝が大きな健康被害をもたらすということだ。

 被曝線量による健康障害については「確定的影響」と「確率的影響」という二つの推定があるという。「確率的影響」は被曝線量と健康障害の確率が比例するという推定であり、「確定的影響」はある被曝線量(しきい値)以下では健康障害は発生しないという推定である。かつ低線量の被曝は細胞を活性化させ免疫力が高まり、放射線に対する抵抗力も増すという「ホルミシス効果」論もある。
 肥田先生も多くの患者を診察した経験から「ホルミシス効果」を全否定はしないという。しかし「確定的影響」論ではあり得ないはずの、広島の爆心地から5〜6km離れた場所で脱毛症状が現れた被曝者の存在することから、「癌や白血病だけでなく脱毛や白内障でも『しきい値』のない確率的影響を適応すべきだ」と説く。ペトカウ効果説が証明された以上、「しきい値」など幻想に過ぎない。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は内部被曝についても「しきい値」を定めているが、欧州放射線リスク委員会(ECRR)は、内部被曝はゼロ以外は安全でないと警告する。それこそ半減期2万4千年のプルトニウム粒子を一粒でも体内に吸収してしまえば、危険なアルファ線を死ぬまで体内から照射され、癌を発生する可能性は十分にある、というのだ。
 ICRPは「確率的影響に関しては『しきい値』を設けない」としながらも「全ての放射線被曝は合理的に達成できる限り低く保つこと」と主要する。肥田先生はこれをICRPの自己矛盾だと指摘する。要するに低線量被曝の危険性を認識しながらも、「合理的に達成できる限り低く保つこと」、つまり原子力産業の持続に支障を来たさない程度に努力しなさい、というのだ。核兵器の製造・原発の維持に必要な程度の被曝量なら認めるというのだ。どうやら核兵器や原発を有する国々を利する機関のようだな。

 ところで原発事故以降「ホールボディカウンター」という装置があることを知ったが、俺も知らなかったがこの装置で測定できるのはガンマ線だけである。体内に吸収された放射性物質が放つアルファ線やベータ線は測定できない。測定できっこない。ちょっと考えりゃ分かることだ。厚い鉛の板が無いと遮蔽できないガンマ線は人体なんか自由に突き抜ける(つまり体外から測定できる)。薄っぺらい紙やプラスチックの板すら突き抜けないアルファ線やベータ線を測定できるわけがない。要するにアルファ線やベータ線を発する放射線物質を、吸い込んだか吸い込んでいないか判定すらできないのだ。つまりは人体に害が無いと言える被曝量など存在しないのだ。安全な原発労働など存在しないのだ。
 それに内部被曝の脅威に晒されるのは原発労働者だけではない。「除洗」を行ってもアルファ線を発する放射性物質が何かの隙間に僅かでも残っていれば、それを体内に取り込んだ場合のことを恐れなくてはならない。線量計の数値の問題ではない(一般的な線量計というのはガンマ線を測定するものだってね)。子供を遊ばせてもいい、絶対に危険は無い!と断言できるほど完璧な「除洗」を行いたいなら、それこそ建物ごと森林ごと土壌ごと除去しなければならない。人類は放射性物質に近づいてはならなかったのだ。


  生体内では0.25〜7.9電子ボルト程度のエネルギーがやり取りされているが、陽子2個、中性子2個から成るアルファ粒子(ヘリウム4の原子核)の1個のエネルギーは420万電子ボルトのエネルギーを持つという。要するに体内が桁違いなエネルギーで蹂躙されてしまう、ということ。以上全て「内部被曝の脅威」(肥田俊太郎・鎌仲ひとみ/共著 ちくま書房)より引用。
 手持ちの資料によると電子ボルト(eV)とは、素粒子などのエネルギーを表す単位であり、1eVは約1.6×10のマイナス19乗ジュール。「1個の電子が真空中で1ボルトの電位差があるところを通過することにより獲得するエネルギー」とのこと。
posted by 鷹嘴 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 集会、デモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>前の梯団の緑色の旗は見ないふり。
JR〇連さんですね(^^)/
Posted by あるみさん at 2011年12月18日 21:26
かなりの人数でした。あの動員力は羨ましいです(笑)
Posted by 鷹嘴 at 2011年12月22日 23:39
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/240889520
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック