ターボ式冷凍機、吸収式冷凍機の冷凍能力を示すために、"USRT”という単位が一般に用いられている。これは「アメリカ(United States)冷凍トン」の略号であり、「日本冷凍トン」(JRT)より広く用いられている。
JRTは0℃の水1トンを24時間で0℃の氷に変えることの出来る能力であり、1時間で3320kcalの熱量を奪う力がある。USRTもそれに近い大きさである。
以下は東京電力のWebサイトより転載。
■冷凍トン(RT)
1冷凍トンとは0℃の水1トンを24時間で0℃の氷にする冷凍能力をいい、日本冷凍トン(JRC)はメートル法表示で、次の通りとなります。
1JRT =3,320kcal/h
=(79.68kcal/kg*1,000kg)/24h
(79.68kcal/kg : 水が凝固するときの潜熱)
アメリカ冷凍トン(USRT)はヤード・ポンド法によっており、0℃の水2,000ポンドを24時間かかって冷却する能力とされ、次の通りです。
1USRT =(144BTU/lb*2,000lb)/24h
=12,000BTU/h
=3,024kcal/h
(1BTU=0.252kcal 1lb = 1ポンド)
1USRTは約3,000kcal/hのため、計算がしやすいので、日本でも広く使われています。このほか、法定冷凍トンがあります。
●1BTU(英熱量単位=British Thermal Unit)は、
1ポンド(0.4536kg)の水を 1°F(約0.555・・℃)上昇させるために必要な熱量であり、
メートル法表示に換算すると0.4536kg×0.555・・℃=0.252kcalとなる。
●質量1ポンドかつ水温0℃の水を、氷に変えるために必要な熱量(潜熱)は、
144BTU/lb(メートル法表示なら約36.2kcal)
(0.252kcal×144≒36.2kcal≒【1kg当たりの凝固する為の潜熱79.68kcal】×0.4536g)
●質量2000ポンドかつ水温0℃の水を、24時間かかって氷に変える場合、
一時間あたり144×2000÷24=12000BTU/hの潜熱が必要となる。
(36.2×2000÷24≒3024kcal)
●これが1USRTであり、1JRTに近い大きさである。ある冷凍機が1000USRTの能力を発揮すれば、1千トンの水の温度を1時間でおよそ3℃下げることができる。
(約3000kcal×1000÷100万kg=3℃)
注 : アメリカでは華氏が用いられており、摂氏0℃は華氏32°Fである。
華氏から摂氏への変換は、32を引いて5を掛け9で割る
(華氏温度 − 32)×5÷9 =摂氏温度
摂氏から華氏への変換は、1.8を掛けて32を足す
摂氏温度×1.8 +32 =華氏温度
注 : 顕熱とは物体の温度上昇に費やされる熱であり、潜熱とは物体の温度を上昇させずに状態変化のみに費やされる熱量である。
0℃の水1kgを100℃まで上昇させるのには100kcal(419kJ)の顕熱が必要であり、
それを完全に蒸発させるには539kcal(2257kJ)の潜熱が必要である。
また、0℃の水1kgを完全に凝固させる(0℃の氷へと状態を変化させる)には、
79.68kcal(333.8KJ)の熱量を奪う必要がある。
・・・ところで、最近では冷凍能力を示す単位としては、KW(キロワット)が一般的なようです。こちらをどうぞ