教育基本法改正案、衆院で可決 野党は採決を欠席
2006年11月16日13時35分
安倍政権が今臨時国会の最重要法案と位置づける教育基本法改正案は16日午後の衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決した。同日中に参院へ送られる。民主、共産、社民、国民新の野党4党は15日の衆院教育基本法特別委員会で与党が単独で採決したことに抗議して16日の本会議を欠席した。一部の参考人質疑を除いてすべての国会審議を拒否しており、与野党が正面から激突したまま舞台は参院に移る。
国会の会期は12月15日までで、与党は会期延長も視野に入れている。ただ、年末の予算編成を控えて実質的には大幅延長は困難な情勢で、厳しい国会運営を強いられるのは間違いない。
民主党の高木義明国対委員長ら野党4党の国会対策責任者は16日午前、自民党の二階俊博国対委員長ら与党国対委員長と国会内で会談。高木氏は前日の衆院特別委で与党が単独採決に踏み切ったことについて「巨大与党の数の暴挙だ。教育タウンミーティングの『やらせ』の上に築かれた欠陥基本法で審議も不十分だ」と抗議、16日の衆院本会議開催を取りやめて審議を特別委に差し戻すことを求めた。
これに対して、二階氏は「そろそろ採決するのは当然だ」と述べ、要求には応じられないとの姿勢を示した。 河野氏は高木氏ら野党4党の国対責任者を国会内の議長室に招き、衆院本会議への出席を促したが、高木氏らは応じなかった。
野党は16日午前、国民投票法案を審議している衆院憲法調査特別委員会の小委員会と、いじめ問題を審議している衆院青少年問題特別委員会の2委員会だけ出席、参考人質疑を行った。だが、その他の衆参の各委員会では野党が審議を拒否。与党は、教育基本法改正案が衆院本会議で可決された後、防衛庁の省昇格法案を審議する衆院安全保障委員会など各委員会を単独で開く構えだ。
私大教連など共同抗議声明 教育基本法改正案の衆院可決
2006年11月16日18時51分
教育基本法の改正案が衆院本会議で可決された16日、全国大学高専教職員組合と全国公立大学教職員組合連合会、日本私立大学教職員組合連合の3団体が共同の抗議声明を発表した。
声明では「戦後日本の民主的教育原理を根本的に否定する性格を帯びているが故に、本質的な議論が十分になされなければならなかった。にもかかわらず、政府・与党はこれを回避し続けた」と批判している。
日教組と全教、教育基本法改正案の裁決に抗議
2006年11月15日22時21分
日本教職員組合(日教組)は15日、与党の教育基本法改正案の単独採決に抗議し、審議のやり直しを求める声明を出した。東京都内で記者会見した森越康夫委員長は「非常に残念。いじめ自殺など直面する緊急の課題に何ら答えていない」と与党を批判。衆院本会議での採決回避を、議長に申し入れるという。
全日本教職員組合(全教)も15日、基本法改正は憲法改正につながるとして、単独採決に抗議する談話を発表した。