2006年11月24日

従業員の賃金を下げるための賢い方法?

俺がやってる「ビル管理」って業界にうっかり入っちまうと、20万かせいぜい30万円程度しか給料貰えないんだよね。もっと安い所もあるだろう。
しかし言うまでもなく会社自体は一人当たり50万だか60万だか知らねえけど、本人に払うよりはずっと高い額を顧客から受け取っている。
ま、くやしいけど仕方ないことで、手取り25万・税込み30万の場合でも、社会保険料の事業主負担分もあるし、(安いけど)ボーナスの分も確保しなきゃなんねえし、工具や機材を用意したり作業着を買ってやったりする現場経費もあるし、本社の営業や事務の人間も食わせなきゃならない。社員に税込み30万払っているのに一人当たり35万しか貰ってなかったらやっていけねーよ。つーか企業なんだから利益が出なきゃしょうがねえもんな。

分かりやすく言うと、
俺が毎日働いている「有楽町●●ビル」の管理組合は、俺が勤めている「ビル設備おまかせ梶vに対し、
俺ら一人当たり50万か60万ぐらい毎月払い、俺はその約半分を受け取っているわけ。
もしも「有楽町●●ビル」と個人で直接契約して月50万ぐらい貰えたらうれしいなあ、という冗談も出ることもある。
そんなことできっこないけどね。

ところで11月22日朝日新聞夕刊社会面の記事。(アサヒコムに掲載されず!)

大阪市の中馬武士さん(24)は「02年10月、東京都内に本社があるイベント企画会社に、カード販売促進スタッフとして時給制のアルバイトで採用され、スーパーなどに派遣されて新規会員の募集などをしていた。
だが1年後、『業務委託契約』に切り替えられ、『個人事業主』扱いに。
何の説明もなく『契約書』を書かされ、本社異動後も『事業主』のまま長時間労働や休日出勤をさせられた上、残業代や交通費なども出なくなったという」。

つまり「有楽町●●ビル」が「ビル設備おまかせ梶vと「業務委託契約」をしているように、
このイベント企画会社は、中馬さんただ一人だけと「業務委託契約」を結んだわけだ。
こういう形式にすればこの会社が中馬さんを雇用しているわけではなくなるので、雇用保険や労災保険の面倒を見なくてもいいし、残業代も払わなくていいし有給休暇も与えなくても最低賃金を守らなくてもいい。この会社の労働者ではないからね。
でもこの会社は中馬さんに50万か60万ぐらい毎月支払うようになった・・・わけではないようだ。

中馬さんら20代の男女4人は先月中旬、この会社に対し不払い残業代や慰謝料を求める訴訟を東京地裁に起こし、労組も結成した。
要するに「業務委託契約」を結ばされたものの、今までと同程度どころか残業代をカットされてしまったわけだ。
中馬さんは怒りを込めて「『そういうものだ』と疑いもしなかったが、会社は巧妙だった。浮かした金を使いたいのだろう」と語ったという。本当に労働者を馬鹿するにもほどがある。

しかしまあ、最近の会社ってのは次から次へとあくどい手段を考え付くもんだね。地獄に落ちろ!

(追記)ビクターも同じ手口をしてるようだね。
2006年11月21日(火)「しんぶん赤旗」
個人請負も「会社の労働者」
ビクターに府労委命令
「団体交渉に応じよ」
posted by 鷹嘴 at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック