2012年07月01日

【鈍行の旅】一ノ関(野宿)→盛岡→大館

 2年前初めて夜行バスというものに乗った。鉄道や飛行機より全然安いし、夜遅く出発して早朝到着するんだから便利だ。しかし思ったより窮屈だし、カーテンを閉めろって命令されるし、つーか運転席と乗客席の間もカーテン閉めやがるから何にも見えないし、所詮はバスだから揺れるし道路の凹凸の衝撃がウザイし、なかなか寝つけなかった。サービスエリアで運転手が交代していたようだが乗客は降りれないし(車内にトイレあるから降りる必要ないけど)、あれじゃ荷物扱いだよ。
 4月の関越道夜行バス事故は、無茶な運転を強いた会社側だけでなく規制緩和した国土交通省にも大きな責任がある。トラックなら眠くなればサービスエリアで休憩できるだろうがバスじゃそうはいかねえだろ、交代場所まで我慢だろ?しかも客乗せてんだからタバコも吸えねえよな、居眠りしないほうが不思議だ。それこそ運転手が二人乗車して100kmごとに交代するくらいじゃなきゃ、また同様の事故が起こるだろう。そして犠牲になるのは一般の乗客と労働者だ(あの事故の運転手は個人請負だったってね)。だから労働者同士の立場を守るという観点からも、安さが売りの夜行バスなんぞ敬遠するべきじゃねえか?と思う。

 そういうわけで二度目の花岡はJRで行ってみた。ただし、なるべく安く上げるため全て在来線で行こう、と思いついたんだよ!!鉄道ファンだからな。つーか変態?

 6月28日は夜勤明け、とりあえず地元南浦和まで戻って改札を出た。距離的に往復乗車券を買えば割引になるはずだし、そういう乗車券なら途中下車も可能ではないか?と思ったからだ。浦和から在来線だったら早朝に出なければ大館市までたどり着けず盛岡で降りることになる。
 そんで窓口で、南浦和⇔大館(盛岡経由)の往復乗車券を購入した。片道600km以上を往復で買ったから1割引で1万8千円(端数は忘れた)、10日間有効。つまり、たとえば仙台で下車して二泊ぐらいしてもまだまだ使えるってこと。便利なシステムだね。盛岡で降りてサウナかネットカフェで時間を潰して花輪線の始発に乗ればいいんだな(二度目の花岡だから、慰霊式の前日は早めに行ってあちこち廻って調べておこうと思ったんだよ)。つーかこんな常識を知らずに俺は今まで生きてきたのか!
 つーか若い係員が「盛岡から大館方面は、好摩駅までIGRいわて銀河鉄道です」とか言うんで不安になって「盛岡から大館までダイレクトには行かねえのか?」と聞き返すと「行きません」というお返事。って乗り換えあるってこと?「ダイレクト」っていう外来語の使い方の問題に過ぎなかったみたいだ。盛岡から大館まで乗り換え無しで行けたよ。ところで彼が言うには「盛岡から好摩までは別料金を請求されるかもしれません」って言ってたが、けっきょく車内で車掌さん来なかった。この辺は全くの杞憂だったのだが・・・

 大宮から東北本線に乗り、宇都宮で乗り換え、黒磯で一旦改札を出てビールとツマミを調達したところまでは順調だった。しかし14時50分ごろ福島県内で震度4の地震発生!二本松まで運転を見合わせて線路を点検するとのこと、新白河で1時間も待たされた。動き出してからも自転車のようなスピード、郡山に15時半頃つくはずが、なんと17時半になってしまった。
 18時の電車で仙台に着いたのが20時40分頃、小牛田に着いたのが21時40分ごろ。次の東北本線(終電)は21時55分の一ノ関行き。ガーン!盛岡までたどり着けない!
 とりあえず改札を出てみたが、サウナやネットカフェなんてあるわけない、コンビニすらない。居酒屋が数軒あるだけ。小さいビジホがあったんでとりあえず一泊いくらか見てみようと思ったら満室の張り紙が!さてどうしよう、仙台まで戻るか?って悩んでいるうちに21時47分の仙台方面最終が行っちまった。しかたなく一ノ関行きに乗り、着いたのが22時43分。さて始発までどうしようか?

 一ノ関駅西口は5月に行った柏崎よりは賑わっていたと思う。居酒屋もビジホもあるし、ナースがあれこれしてくれそうな怪しげな店もあった。つーか「女性従業員募集18才〜30才代まで」という張り紙があったし。いや別に美人ナースだったら39才でも構いませんけど。しかしサウナやネットカフェは見つからない。
安そうなビジホは4800円くらいだったが、それじゃわざわざ鈍行で出かけた意味が無くなるじゃん。それにベッドで寝ちゃったら起きられなくなるよ、ただでさえ夜勤明けなんだから。とりあえず居酒屋で飯でも食うか。朝5時までやってるってゆうし。
 生ビール二杯飲んで、地元のワイン飲んで腹いっぱいになって、粘っこくて切れの悪い糞して、さあ朝まで寝ようかと思ったが、遠くの席で三ヶ国語くらいで議論してんのが気になって寝られん。2時ごろ店をでちゃった。さああと3時間47分どうするか?東口に行ってみるか、サウナかネットカフェがあるかも。なにしろ新幹線も止まる大きな駅だ、かなり歩いた。
 しかし東口はNECの大きな工場や倉庫以外は住宅地、コンビニすらありゃしない。しかたなく一回りして西口に戻った。こんな時間に真っ暗な住宅地を大きなリック背負って歩いてるなんて不審者以外の何者でもないな。俺が権力だったら「任意ですけど署まで同行して下さい!」って言うだろうね。

 そして西口の公衆トイレでまた粘っこい糞して、近くにベンチがあったんで寝っころがった。意外と寝れたが、4時くらいでもう薄明るくなってきやがって、唯一見つけたコンビニでコーヒー買って一服したりして。始発はまだかなあ。つーかこの夜は絶望で死にたくなるような気分だけど、今となっちゃほろ苦い思い出?だわな。
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 そろそろ電車動かしてよ〜

 そういうわけで眠れぬ夜が明けて5時47分東北本線下りに乗った。始発だからガラガラだったが、徐々に混んできて気がつきゃ満員。みんなは仕事や通勤なのにごめんね、二晩続けて風呂入ってないせいで臭かったでしょ?みちのくの女子学生はエロ可愛いなあ。
 そんで盛岡に着いたのが7時過ぎだが、IGRいわて銀河鉄道経由花輪線大館行きは9時46分だ。東口のサウナに入ろうかと思ったがブラブラしてるうち時間が過ぎた。浦和より全然都会だが、大きなビルが並んだ西口を少し歩けば(二晩まともに寝てない中年男が歩ける距離)、こんな大きな川が(雫石川ってゆうらしい)。岩手ってワイルドだぜぇ?
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 それから駅のトイレで、今度こそ腹の中の物を出し切った。なんか岩手に糞しに立ち寄ったみたいだな、ごめんなさい。
 そしてバスのような音がするがバスより静かで揺れない花輪線に乗れたが、しばらくは多少席が埋まっていたがだんだん空いてきて、ついに貸切状態。進むうちに山の中というより森の中を走っているような眺めになる。
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 そのうち山間部を抜け、雄大な景色が広がった
 これはずっと乗ってても飽きないよ。ぜひ一度乗ってみてね。十和田南駅でしばらく停車したあと、バックしたんで驚いたが、これが「スイッチバック」というものらしい。

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 大館駅についたのが12時半過ぎ、先行部隊の皆さんと合流。夜はビジホにチェックイン、また糞してから大浴場に入り、ベッドで大の字。前の晩は野宿だったのになんというゴージャスな環境でしょうか!俺みたいなネトサヨ崩れのアニヲタ中年が一人で泊まるのはもったいないようなキレイな部屋だ。同志のユキちゃん(闘う労働者)を誘えばよかったかな、とか妄想したりして。

 そして6月30日は花岡慰霊式に参加し、7月1日は集会に個人参加した(別記)。もちろん、世間でいま何が起きてるのかチェックも怠らなかったぞ。携帯でツイッター見ながら官邸前デモの規模に驚き、大飯テントの闘いをドキドキしながら応援してたよ。
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 ところで大館駅前よりバスターミナルや市役所や俺の泊まったホテルのあたりのほうが賑やかだった。最終日は大館駅まで30分くらい歩いたぞ。つーか地図を見ると東大館駅のほうが近かったな。ハチ公は大館生まれだってさ。
 そして7月1日16時すぎの花輪線に乗り、盛岡からは今度は新幹線(やまびこ)に乗って帰ってきた。最初に買った帰りの乗車券+特急券だ。翌日は出勤だからしょうがないよ。盛岡駅で買ったのが「世界文化遺産平泉」って弁当、1300円だけど消費期限21時までだから半額。小さいけどアワビとかウニとか入ってて旨かったぞ。

 それにしても往復乗車券+帰りの特急券で2万3千円を超えたじゃん。しかも最初の予定通り盛岡のサウナで夜を明かしたらプラス約3千円だ。夜行バスなら大宮⇔大館往復で1万6千円とちょっとだ。それに夜行バスなら22時出発だから7月1日夜の集会も出れたのに。鈍行列車を堪能できたけど別にいいけど。またこういう無計画無鉄砲な旅に出てやる!
posted by 鷹嘴 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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