12月29日朝日新聞特集記事「細る労組 試練の波」より引用。(残念ながらアサヒ・コムにはUPされず!)
今年6月、労働組合に加入している者の割合(組織率)が、18.2%と過去最低を記録したという。おかげで労組の力は弱る一方。
27日の、残業代ゼロOKにしようという稀代の悪法を審議した「労働政策審議会」でも、
「連合」の労働側委員は、「反対しつつも報告を出すことには応じた」。
せっかくの労組の代表が政府と財界に屈してしまったのである。「連合が裏切った。席を立つべきだった」という失望の声も出た。
連合幹部も「経営側と本気で戦える組織ではなくなった」とぼやいている。「席を立ちたくとも立てなかったというのが多くの見方だ」
逆に自民党の「雇用・政策調査会」では、「賃金が安く不安定な非正社員ばかり増えている。企業は利益優先でいいのか」「いくら働いても生計が立たず、結婚できない若者もいる」と、「まるで労組幹部のような」発言が相次いだという。この調査会の幹部は「連合なんか正規の労働者ばっかり。自民党こそ非正規の味方」と息巻く。後藤田正純氏も「労組の存在意義はなくなっちゃうんじゃないですか」と語る。
ところで、現在でも「従業員1千人以上の企業の組織率は46.7%」(そりゃそうだ、大企業って大抵労組は強制加入だもんな?)。しかし鉄鋼や電機などの「重厚長大型産業」は組織率が高いが、サービス業は低く、「労組がほとんどない従業員100人未満の企業が増えている」。またバブル崩壊後にリストラが激しくなった時期には、「労組は正社員の雇用維持を優先し経営者側の生き残り策にも協力してきた」。これが非正社員の増加に拍車をかけ、組織率の低下をもたらしたのではないか?
一方、「ほとんど唯一拡大が期待できるのが」現在では総労働者の3分の1にも達しているパートなど非正社員の組織率。パートの組織率はわずか4.3%だが、それでも年々上昇しているという。
しかし賃金の低い非正社員にとって、「低いところで」月1千円程度の組合費でも、「負担感が大きい」。また連合によると「労組に入るだけで、会社が契約の更新を断る」という不当労働行為の相談もあるという。
連合も非正社員の組織化を重視し、来年の春闘では「パートの時給最低1千円」を要求するらしい。しかし組織の一部には、「非正社員の処遇を改善すると、正社員が下がるのでは」という恐れもあるという。連合の調査では「非正社員の組織化に取り組む予定はない」と答えた労組は、「重厚長大型産業を中心に6割に上る」。
ちっこい会社ばかりを渡り歩いてきて労組とはほとんど縁のない俺にとっては、所詮労組とは正社員の立場を守ろうとするだけでないか?と感じてしまう。
・・・一方、労組のない中小企業の従業員が個人で地域労組に加入して労働トラブルを解決するケースも広がっている。
都内の産廃処理会社の運転手をしている30代の男性は、「個人請負」から正社員に切り替えると言われたが実際は1年間だけの契約社員で、長距離や深夜などの手当ても引き下げになる。抗議しても「のめないなら辞めてもらう」と突っぱねられた。
この男性は地域の労組に入り、会社に組合結成を通告。「非正社員の運転手が次々と加わり」140人に達し、本社ビルを取り囲んで抗議行動を行った。すると会社は態度を一変させ、労働条件を以前に戻し全員を正社員として雇用することを約束した。
「これまでは言いたいことを言っても会社側に聞き流されるだけ。組合を作ったら全然違った」
しかし地域労組には専従職員が存在せず、組織力が不十分で相談を受けるのも難しいという。もう一つの弱みは、せっかく労組に加入した者も、自分の問題が解決してしまうと組合を脱退してしまうこと。そのため運営費も不足がちだという。
「派遣ユニオン」の幹部は、
「やめるなとは言いにくい。『みんなが続けているからあなたの相談に対応できるのですよ』と話しているのですが」
と語る。自分さえよければいい、という考えじゃだめだよね。深く考えさせられた特集記事でした。
ちなみに、俺が今年前半まで勤めていた会社には一応労組があった。しかし組織率1割程度。会社のいいなりで労組の呈をなしていない、と評判が悪かったので俺も加入してなかった。
5月に実質倒産して解雇されたんだが、直前に労組の委員長とかいうのが現場に来て、全員に対し「今すぐ労組に入ってくれ!」と勧めた。未払い賃金の交渉の際、労組が窓口になった方が全然スムーズに進むんだってさ。そういうわけで俺も生まれて初めて労組に加入したんだが、まだ未払い分も退職金も貰ってないなあ(笑)
2006年12月30日
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