2007年01月21日

1月19日夏淑琴さん名誉毀損訴訟の報告

こんばんは、南京への道・史実を守る会です。

1月19日、東京地裁にて「損害賠償等 平成18年(ワ)第9972号」(夏淑琴さん名誉毀損訴訟)の第4回口頭弁論が行われました。傍聴に参加していただいた皆様、地裁前での宣伝活動に参加していただいた皆様、ありがとうございました。
当日の模様と、弁護士会館で行われた報告集会についてご報告します。

*昨年12月8日の第3回口頭弁論の模様は、JANJANの記事になっています。
夏淑琴さん支援活動を右翼が妨害
夏淑琴さん名誉毀損訴訟、裁判傍聴記

●この日も開廷より1時間ほど前に集合し、事務局のメンバーと学生の方々でビラ配布などを行いましたが、またもや西村修平を中心とした右翼グループが現れ、挑発的なプラカードを掲げるとともにハンドマイクで下品な怒鳴り声を上げていました。
相変わらず西村らが大音響で叫んでいる内容は無意味そのものでした。「南京で強姦などなかった、なぜなら混血児が出生していないからだ!」と、使い古された否定論を述べておりましたが、日本兵に強姦され妊娠した女性が堕胎のために病院を訪れていたこと(当時南京に滞在していたアメリカ人医師が記録に残していた)も知らないようです。
また、元日本軍将校で戦後に中国の撫順戦犯管理所に拘留され、加害事実を告白し帰国した方々への侮辱も行っていました。これは看過できないことです。

また、中国で法輪功の信者が虐殺され臓器を摘出された、というチラシを拡大コピーして掲げ、私たちに向かって「中国人の人権を守ろうというのなら、なぜこれを非難しないのだ?」と叫んでいました。これは私の自宅ポストにも何者かによって投函されたことがあります。(参考)
この件についての真相はともかく、中国での臓器移植の現状について「死刑囚の臓器が無断で摘出された」として遺族が訴訟を起こした例もあると、朝日新聞が報じたこともあります(参考)

他にも土木事業や環境破壊で農民が弾圧を受けている事例があります。彼らが主張しているように中国では人権が保護されているとは言えません。
しかし、かといって中国人の戦争被害者の名誉を回復してはならないことにはなりません。そもそもこの裁判とは全く無関係なことです。1月19日の昼間に東京地裁前で行わなければならないことではありません。
それに、現在の中国人の受けている被害を訴えたいのなら(もし本当にそういうつもりがあるのなら)、なぜ日中戦争当時の中国人の受けた被害を認めたくないのでしょうか?どちらも被害者は中国人です。
所詮彼らは戦前戦中の日本の行動を全肯定することしか興味が持てないようです。

●ところで彼らは今回奇妙な行動に出ました。前回(昨年12月8日)までは私たちは地裁正面玄関を出て左側の歩道、彼らは右側の歩道に集まっていたのですが、なぜか彼らは左側の歩道の車道側、つまり私たちの目の前に集まりました。
彼らが前回まで集まっていた場所(地裁に出入りする際に目立つ場所)は空っぽのままです。

tisaimae.JPG
(参考図)

どうやら彼らは四六時中、中国共産党や「反日左翼」のことばかり考えているせいか、私たちのことが大好きでどうしても相手にして欲しかったようです(笑)。せっかく彼らが絶好のポジションを放棄してくれたので、史実を守る会の横断幕を掲げていた3名(私を含めて)はその場所に移動しました。
しかし彼らの挑発は激しく、揉め事の発生を恐れた警察官の指示によって双方とも前回と同じ位置に戻りました。10名弱の警察官は猛獣でも警戒するかの如く右翼グループを取り囲んでいました。

●ところで残念なことに私たちが用意したハンドマイクに故障がありマイクアピールが出来なかったのですが、連日地裁前で借地権に関する判決に異議を訴え続けている方にお願いして借用することが出来ました。この場を借りてお礼申し上げます。
そして学生の方々を中心に熱のこもったアピールを行うことが出来ました。もっとも右翼側の大音響が大きな障害でしたが。
また、通行される方々がチラシを受け取って下さる確率も今までより高くなっていると感じました。

●余談ですが、この日ジャーナリストK氏はどうしても外せない仕事のため残念ながら参加できませんでした。ところが右翼の連中は、事務局メンバーのX氏に向かってK氏の名前を叫んでいました。どうやら彼らには霊能力があり、X氏に取り付いているK氏の生霊が見えたのでしょう(笑)
それとも単なる思い違いでしょうか?この件についてはK氏とX氏の双方とも非常に不満を感じていると察しますが・・・メンバー内に不和をもたらす可能性があるのでこれ以上の言及は控えます(笑)

●そして午後12時50分の傍聴抽選券配布時間が迫り、抽選券を受け取って並びました。今回は40人分の傍聴席に対し希望者が42人という、非常に高確率の抽選でした。今後はより一層この裁判をアピールしていかなくてはなりません。
ところで私たちが並び始めたときも相変わらず西村らは元気に叫んでおりました。傍聴できなくても構わないのでしょうか?もちろん他人の心配をする余裕はありませんでしたが。
これは閉廷後の報告集会での学生の方のお話ですが、前回(昨年12月8日)抽選に並ぶため裁判所内に入ったところ、西村らは背後から「おい、逃げるのか!」と罵声を浴びせたそうです。いったい何の目的で彼らは地裁前に集まっているのでしょうか(笑)

さて今回の第4回口頭弁論も、前回と同様に原告被告双方が提出する書面を確認し、今後の争点について確認するだけでした。公判の直前に被告側(東中野氏弁護側)から第4準備書面が提出されました。原告側(夏淑琴さん支援側)は被告側第3準備書面に対する反論を提出する予定です。
また東中野氏の著書「南京虐殺の徹底検証」は英訳され海外でも出版されていますが、これは夏淑琴さんへ対する名誉毀損が拡大したことになるので、原告側は賠償請求の拡張を要求しています。これについても被告側も「認否だけ書面で」反論するそうです。
一方被告側は、「第4準備書面の裏付け」として20通にも及ぶ「書証」を準備中で3月中旬に提出する予定だそうです。

ところで被告側の第4準備書面は、「夏淑琴さんが自分の年齢を間違えたのは疑問だ」などと記されているそうです。さらに「新路口事件(夏淑琴さん一家の事件)を証明してみろ!」という内容もあるそうです。彼らはこの期に及んであの事件は事実ではないと主張するつもりでしょうか?
これについて原告側の渡辺弁護士は「被告側は『真実性の主張』については触れないと決めていたはずなのに、やはり裁判でこれを争点にしたいのか?」と追及しました。
しかし被告側は「やるともやらないとも言っていない」と、何をしたいのかさっぱり分からないことを口にしました。漫画ならば「ずっこけ」の擬音が入る場面です(笑)
それはともかく、原告側は第4準備書面への反論も行いますが、三代川三千代裁判長は「必要な範囲だけで」と念を押しました。よほどこの準備書面には、必要ではない部分(ありふれた南京虐殺否定論)が多いのでしょう。
次回の口頭弁論は3月9日金曜日、午後2時から同じ709号法廷で行われます。早ければその次の公判で結審するかもしれません。


●閉廷後、すぐ隣の弁護士会館にて報告集会が行われ、米倉弁護士、渡辺弁護士からこの裁判の状況と被告側の動向について説明がありました。
あきれたことに被告側の第4準備書面には、「南京大虐殺の被害調査記録である『戦争とは何か』(ティンパレー編)は国民党政府のプロパガンダだ!」という主張もあるそうです。
この件についてはK−K@南京事件資料集さんが東中野氏に直接、この主張は間違っていることを諭しています(史実を守る会 会報第3号「亜細亜大学の中心で東中野に謝罪要求を叫ぶ」をご参照下さい)。東中野氏があの恐ろしい出来事(笑)を忘れるはずがありません。どうやら弁護団との連携が取れていない模様です。

穂積弁護士からは百人斬り訴訟で完全勝訴(最高裁で上告棄却)を得たことの報告がありました。
さらに穂積弁護士は「百人斬り訴訟とは関係のないことですが」と断りつつ、中国人強制連行の訴訟で最高裁が弁論を再開すると決定したことについて説明しました。(参考)

百人斬り訴訟は最高裁で上告棄却になったのですが、この強制連行訴訟は最高裁で弁論が再開されるということは、逆転敗訴になる可能性があります。
しかも、1972年の「日中共同声明で中国人個人の損害賠償請求権が放棄されたかどうかについて初判断を示すとみられ」るそうです。
つまり「この共同声明によって、中国人が個人で日本政府や日本企業に対し、賠償の請求は出来ないことになっている」という解釈がなされる可能性があるということです。

しかし「中華人民共和国政府は、日中両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」という文言を、どのように曲解すれば中国人個人の賠償の権利まで奪ったものであると判断できるのか理解に苦しみます。
これについては夏淑琴さん訴訟の弁護団の一員である南典男弁護士が朝日新聞紙上で「外交問題に直結」し、「国際的、人道的な観点」からも問題があると見解を述べています。

最高裁でそのような判断が下されれば、他の戦後補償訴訟もその判例に従うことになるかもしれません。現在、従軍慰安婦問題、強制連行問題、毒ガス問題など様々な訴訟が争われていますが、「全滅」することになるかもしれないのです。これは極めて重大な問題であることが穂積弁護士の説明によって理解できました。

●また今回宣伝活動と傍聴に参加した学生の方々にも発言していただきました。最近の妙な風潮に流されず、自身で物事を判断し、行動している姿勢に頼もしさを感じます。私のような中年組もしっかりしなければと感じました(笑)

●最後に米倉弁護士から、今後の宣伝活動について提言がありました。
「今回、警察官は右翼グループを取り囲むように警戒していたが、警察が彼らのことを危険な集団だと判断したのは実に有利なことである。警察と通行人を見方につけることが大事である」
そして「こちらからの挑発的な行動」は決して行ってはならず、彼らの挑発に決して乗せられず、自分たちのペースで宣伝活動を続けることが大切だと述べられました。
「裁判所から出てくる方々は、一瞬右翼グループをギョッとしたような目で見て、それからこちら側の配るチラシを受け取っていった。右翼グループの主張が異常で、こちら側の主張が正しいことは、宣伝している態度からも理解できると思う」
この提言を肝に銘じ、今後の活動に役立てていきたいと思います。

・・南京への道・史実を守る会・・・・・・・
URL: http://www.jijitu.com


・・・東中野氏の主張の問題点については、これらのサイトで詳しく論じられています。
南京大虐殺 論点と検証
夏淑琴さんは「ニセ証人」か?−東中野修道氏『SAPIO』論稿をめぐって−
続・夏淑琴さんは「ニセ証人」か?−東中野修道氏『「南京虐殺」の徹底検証』を検証する−
よろしければ拙ブログの記事もご覧下さい。



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posted by 鷹嘴 at 18:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 夏淑琴さん裁判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
映画「南京の真実」
http://www.nankinnoshinjitsu.com/

突っ込みどころ満載の映画になると予想されるのに、このような代物を全世界にばらまくほうがよっぽど”反日”だと思いますけどねぇ・・・。
日本ではネオナチみたいな連中が社会的なステータスを持って大手を振って歩いていると思われてもかまわないのかと。
Posted by 名無しさん at 2007年01月22日 07:28
>梁英聖
日本語上手ですが、在日の方ですかそれともシナ人ですか?
Posted by 知りたがり at 2007年01月22日 19:28
朝鮮学校卒の都立大の学生のようです。反日在日と一緒に、シナのために反日活動に励んでるのですか?
それでもあなたたちはづかしくないのですか?
それとの皆さん、日本語堪能な在日外人の集まりですか?

桜チャンネルの南京事件討論会に肯定派の論客として出席して否定派を論破してください。本多さん、梁英聖さんも是非お誘いください。楽しみにしてます。
Posted by 知りたがり at 2007年01月22日 20:21
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