石川島播磨、政治活動理由の昇進差別など168人と和解
2007年01月19日19時08分
労働組合活動や特定政党への支持を理由に昇進などの差別を受けたとして、従業員ら計168人が石川島播磨重工業(本社・東京)に謝罪や損害金の支払いを求めていた問題で、19日、和解が成立した。会社側が差別を認めて再発防止を約束し、解決金10億円程度を支払う。
差別を受けたと主張していたのは東京、神奈川、愛知、兵庫、広島の6事業所の従業員44人と元従業員124人(5人は遺族が訴えを継承)。
従業員側の弁護団によると、会社側は共産党の支持者であることや組合活動を行ったことなど思想信条を理由に、60年代後半から差別を続けてきた。昇進が阻まれ、職場の懇親会からも排除されたという。
和解協定書で会社側は「いやしがたい苦痛を感じたことを、重く受け止める」と反省の意を表明した。従業員側の弁護団は「企業による思想信条差別を巡る問題では、和解の対象者が過去最大規模。会社側が反省の意思を明確にしたのも画期的」としている。
00年3月に従業員ら8人が、東京地裁に損害賠償などを求め提訴。会社側が過去の差額賃金や解決金約1億6800万円を支払うことで04年3月に和解が成立した。今回和解した168人は裁判外で、会社側と交渉を続けていた。
石川島播磨が謝罪と解決金 共産党員差別が和解
共産党員や支援者であることを理由に昇進、昇給の差別的な労務政策をしたとして、退職者を含む168人が賃金の差額や差別人事の是正を石川島播磨重工業(東京)に求めていた問題で、同社が19日、差別の実態を認めて謝罪し、全員に解決金を支払うことなどで和解が成立した。
差額賃金などを求めていたのは、東京、神奈川、愛知、兵庫、広島の6事業所で造船や設計などに携わる50歳から75歳の現職とOBの従業員。
和解協定によると、同社は長年にわたり「差別的な人事管理が行われたと受け止められてもやむを得ない状況があった」として謝罪。現職従業員の賃金水準を是正し、OBの差額分も含めて解決金として支払う。額は同社が半年間の非公開を求めたため、双方とも明らかにしていない。
(共同)
2007年1月20日(土)「しんぶん赤旗」
石川島播磨
40年の思想差別反省
労働者175人と和解 再発防止を約束
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「会社に思想差別を反省させた」―。総合重機大手の石川島播磨重工業(本社東京都)は十九日、日本共産党員やその支持者とみなした労働者に対する思想差別を反省し、詳細な再発防止策を約束しました。
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労働基準監督署に是正指導を申告していた「人権回復を求める石川島播磨連絡会」の現役労働者や退職者ら百七十五人と東京都内で和解協定を締結。「大企業が初めて思想差別と人権侵害について明確に『反省の意を表明』したのは、画期的な意味を持つ」(弁護団の菊池紘弁護士)ものです。
「ただいま調印しました」。弁護士が、かたずをのんで控室で待機していた労働者や家族二百人に報告すると大きな拍手。肩をたたき合って喜び合い、目頭を押さえる人の姿も目立ちました。
同社は、「ZC(ゼロ・コミュニスト=共産党員撲滅)計画」を作成し、賃金・資格での差別、仕事の取り上げ、歓送迎会や職場行事からの排除など四十年にわたり、系統的な差別をくりかえしてきました。さらに、個人名をあげて党員らを監視、管理する「厳秘」の「個別管理計画」の存在も判明しました。
和解で結ばれた再発防止協定では、労基署に申告していた労働者に差別的な人事管理が二度と行われないよう労務政策を徹底すると表明。「従業員に対する思想差別、性差別、不当労働行為を行わない」とし、やってはならない差別行為を具体的にあげ、全社員に徹底するとしています。行事などは全員に声をかけ、声をかけない場合は中止勧告をすることを取り決めました。また、在職者の差別賃金を抜本的に是正し、退職者を含めて解決金を支払います。
調印後の報告集会には約三百人が参加。「よかったな」と声をかけあいました。日本共産党の笠井亮、高橋千鶴子両衆院議員もかけつけました。
「私がエレベーターに乗っていると、誰も一緒に乗らないという差別を受けてきた」と話すのは、横浜市の金子茂男さん(60)。思想差別で不当な評価を受け、定年後の再雇用を拒否されていましたが、和解で再雇用されることになりました。「あらゆる差別を許さない職場をつくっていく足がかりができました。職場に戻って実現したい。たたかってきて良かった」
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再発防止協定の概要
(1)会社は申告者・原告に対し、賃金・資格、仕事、行事参加などで差別的な人事管理が行われたと受けとめられてもやむをえない状況があったことを認め、反省の意を表明し、今後、労務政策として再発防止を徹底することを確約する。
(2)会社は従業員に対する思想差別、性差別、不当労働行為を行わない。
(3)コンプライアンス・ガイド(法令順守の手引書)を作成し、ホームページへ掲載する。基幹職の教育で必読資料として活用する。
(4)和解内容をすべての従業員へ周知し、職場融和のための働きかけを徹底する。行事は全員に声をかける。声かけを励行しない従業員・団体には行事の中止を勧告する。
(5)申告者が在籍している関係会社にも同様の措置を会社が求める。
(6)履行に疑義が生じた場合は、会社は協議の場を設け、誠実に対応する。
すごいことする会社だねえ。でもこういうのは三菱や東芝でもあるよ。
三菱重工も極秘に社員の中の共産党支持者をマークし、「主義者」の名簿もあったという。
東芝府中工場では「扇会」というスパイ組織があり、勤労問題に意見を述べるような社員を警戒していた。社員の身辺を嗅ぎまわり、共産党員になった社員がいると上司に連絡が入り、上司からその社員に共産党から抜けるように忠告が行われたという。もちろん組合もあるが会社のいいなり。大企業ってホントにろくでもないな。


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