日本で生まれ、日本で育ったのに、両親が結婚してないから日本国籍は与えないんだとさ。
国籍確認で、フィリピン人女性の子が逆転敗訴 東京高裁
2007年02月27日19時55分
9組のフィリピン人女性と日本人男性の間に生まれ、両親が法律上の婚姻関係にないことを理由に日本国籍取得を拒まれた子9人が、国を相手に国籍確認を求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。宗宮英俊裁判長は「国籍を取得できるとする規定は存在しない」と述べ、子に国籍を認めた一審の東京地裁判決を取り消した。原告側は上告する方針。
母が外国人で日本人の父が出生後に認知した子について、国籍取得には父母の婚姻が必要と定めた国籍法3条の規定が争点となった。宗宮裁判長は「だれが国籍を有するか決めるのは国家の権限。法律を厳密に解釈するべきだ」と指摘。国籍法に定めのない国籍取得の要件を法解釈から導き出すのは立法権限に属し、裁判所には許されないとした。
2審は日本国籍認めず 日比父母の婚外子9人
フィリピン人女性と日本人男性の間に生まれ、父が生後認知した7−13歳の少年少女計9人が日本国籍を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は27日、国籍取得を認めた1審東京地裁判決を取り消し、9人の請求を棄却した。
昨年3月の1審判決は「結婚の有無で大きな差が生じる国籍法の規定は憲法違反で無効」と認定したが、同高裁の宗宮裁判長は「仮に違憲だとしても日本国籍の取得制度が創設されるわけではなく、請求には理由がない。立法は国会の機能であり、裁判所には許されない」と判断した。
訴訟でまず争点となったのは、原告のように母が外国人で日本人の父が生後認知した子には、その後父母が結婚すれば日本国籍を認め、非婚の場合は認めない国籍法3条1項が、憲法の保障する「法の下の平等」に反するかどうか。
宗宮裁判長はこの点についても「3条1項は、出生が父母の結婚前か後かで国籍取得に不均衡が起きないように定められたものであり、非婚カップルは対象外」として、原告側の違憲主張を認めなかった。
(共同)
(2007年02月27日 16時28分)
ページ更新時間:2007年02月27日(火) 20時05分
フィリピン女性との子供の国籍、逆転敗訴
「日本国籍」を願った少女の思いは届きませんでした。結婚していない日本人男性とフィリピン人女性との間に生まれた子供たち9人が日本国籍を求めた裁判で、東京高裁は日本国籍を認めた一審判決を取り消し、原告側逆転敗訴の判決を言い渡しました。
「負けちゃった・・・」。うつむき加減に東京高裁から出て来た9歳の少女。そして彼女が流した涙・・・。
この春、小学4年生になるタピル・マサミさん(9)。父親は日本人。母親はフィリピン人です。日本で生まれ、日本で育ちましたが、マサミさんの国籍はフィリピンです。
「日本人だよ。日本語しかしゃべれないんだから。『国籍違う』って意味わかんない」(タピル・マサミさん)
日本の国籍法では、両親が結婚していない場合、母親が日本人なら日本国籍が認められますが、日本人でない場合は原則として認められないのです。
一昨年、マサミさんは同じ境遇の子供らと、日本国籍を認めて欲しいと裁判を起こしました。結果は勝訴。一審の東京地裁は、国籍法の規定は憲法違反にあたるとする初めての判断を示しました。
日本国籍を認める判決から4か月、マサミさんはいつになく元気でした。
「うれしい。学校でいじめられなくなった」
そして27日。「国籍取得のためには両親の結婚が必要で、父親の認知と法務大臣への届け出とで日本国籍を認めると、国籍法に定めのない新たな国籍取得の要件を作ることになる」。逆転敗訴でした。
「ちょっと悲しい」「頑張ります・・・」(タピル・マサミさん)
マサミさんらはこの後、上告して、日本国籍を求める事にしています。(27日17:38)