東電福島第一原発、検査中に7時間半臨界か 制御棒脱落2007年03月23日00時43分日誌には余計なこと書くなと命じられたのか、自発的にやったのか・・・まあ都合の悪いことは隠したい気持ちは分かる。そういう立場も分かる。
東京電力の福島第一原発3号機(福島県、沸騰水型、78.4万キロワット)で78年、定期検査中に制御棒5本が脱落し、核分裂反応が連鎖的に続く臨界事故が起きていた可能性の高いことが分かった。22日、東電が発表した。約7時間半も制御不能の臨界が続く深刻な事態だったとみられる。東電は「当時は報告を義務づける法令がなく、国や県に報告していなかった」としているが、当時の総理府令違反との見方もある。運転日誌などに一切記されておらず、東電は隠蔽(いんぺい)の有無も調査中としている。
福島第一原発3号機での制御棒脱落
これまでにわかった制御棒トラブル
定検中の制御棒脱落は全国の沸騰水型炉で相次いで発覚しており、常態化していた疑いがある。
東電によると、78年11月2日午前3時ごろ、原子炉圧力容器の点検準備中に、137本ある制御棒(可動範囲3.6メートル)のうち5本が30〜90センチ抜けた。4本が隣接していたため、局所的に核分裂が起きて臨界状態になったとみられる。制御棒を操作する水圧式の駆動装置で、弁の操作を誤ったことが原因とみている。
原子炉メーカーの東芝の社員が残したメモには、核分裂で生じる中性子の計測器の針が7時間半にわたって振り切れたとの記載があった。夜が明けた午前10時ごろから制御棒を挿入して、事態を収めたともあった。
短時間に大量の放射線や熱の出る臨界が制御不能状態で続くのは、原発で最も警戒されることだ。作業員の被曝(ひばく)や放射能漏れは「調査中」としている。
記者会見した東電の小森明生・原子力運営管理部長は「局所的な臨界で核分裂は安定していたと思われる。法令違反にも当たらないと考えるが、たいへん重く受け止めている」と謝罪した。ただ、78年当時も重大な問題が生じた場合は、旧科学技術庁長官への報告が義務づけられていた。
福島第一原発では5号機で79年に、2号機で80年に、いずれも定検中にそれぞれ制御棒1本の脱落があったことも判明した。3号機と同じく配管弁の操作ミスが原因とみられる。臨界状態には至らなかった。東芝から指摘を受けた東電が、社内調査で確認した。
北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故は99年で、福島第一原発3号機の事故はその21年も前に起きていたことになる。
<志賀原発臨界事故>記録つなぎ合わせ巧妙に工作 原本紛失3月24日19時6分配信 毎日新聞メッセージプリンタから出てくる、折りたたみ式の紙を、ヤバいとこだけ切り取ってつなぎ合わせたわけですか。賢いねえ。パッと見じゃ分からんもんねえ。
北陸電力志賀原発1号機で臨界事故があった時間帯の原子炉運転状況などを記録したデータ原本が失われていた問題で、重大事態が印字された部分が切り取られた後に、問題のない前後の記録紙がつなぎ合わされていたことが複数の関係者の証言で分かった。一見しただけでは分からないように巧妙に“工作”されていたことになる。
データは制御棒の動きや緊急停止信号の状況を秒刻みでモニター用紙に記録、中央制御室でチェックしている。だが、99年6月18日未明に起きた臨界事故では、データの原本が、原子炉が制御不能になった15分間を中心に部分的に失われていた。記録は法的な保存義務はないが、社内では10年の保存を規定している。
記録紙には、細かい数字とアルファベットがすき間なく印字されていく。用紙がいっぱいになると、折りたたまれて次の紙に移る。問題の時間帯については、折り目部分から切り取られていたという。
ある関係者は「疑惑の目でじっくり見れば分かるが、ぱっと見ただけでは分からない」と証言している。当日は午前10時ごろ、同原発近くに常駐している国の原子力安全・保安院の検査官が定時検査をしたが見抜けなかったという。【近藤大介、泉谷由梨子】
最終更新:3月24日19時6分
やっぱ、たとえば火力発電所で重大な事故が起きてもチェルノブイリみたいなことにはならないからさ、こういう隠蔽って原発にありがちなんじゃないかなと。原発ならではの隠蔽じゃないかなと。
トラブルが招く被害の重大さと、隠蔽の発生度は正比例するのかもね。
臨界示す値に「点検」 志賀原発、事故隠蔽かうんうん、計測グラフの異常なデータを示している部分も、「点検」と書いてあれば、「なんか計器の交換とかしてたんだな」と思っちゃうよね。
2007年03月25日17時12分
北陸電力による志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、事故当時、原子炉内の中性子量を調べる計測器の記録紙に、同一人物の筆跡で6カ所に「点検」と書き込まれていたことが分かった。記録紙には、臨界状態に達していた15分間、中性子量が突出し、計測器が振り切れた異常を示す直線が残っていた。計測器の点検時にも同様の記録を残すことがあり、同社は、所長らが事故を隠蔽(いんぺい)するために、点検だったように見せかけていたとみている。
志賀原発1号機の中性子量計測の記録紙。計測器が振り切れたことを示す直線の上下に、二つの「点検」の文字が書き込まれている
同社などによると、臨界状態となった99年6月18日午前2時18分から15分間、原子炉内の中性子の状態が、測定の位置や感度が異なる少なくとも5種類の記録紙に打ち出されていた。これらの記録紙には、計測器が振り切れたことを示す直線の上下に、手書きで「点検」の文字が計6カ所書き込まれていた。文字の特徴から同一人物が書いたとみられるという。記録紙は、いずれも巻き取り式で保存期間は10年とされる。
記録紙の数値は、半月に1度、原子炉主任技術者の資格を持ち、原発の保安監督を担当する次長がチェックする決まりになっていた。だが、次長は事故後、所長や所長代理(現常務)らとともに緊急招集され、事故の隠蔽を申し合わせたとされる。
同社は02〜03年にかけて実施した社内調査で保存されていた過去の原発の記録類なども調べたが、隠蔽を見抜けず、「不正なし」と結論づけていた。「点検」と書き込まれた時期と、書き込んだ人物についてははっきりしておらず、同社が当時の関係者から事情を聴いている。
こんな子供だましの手段で臨界事故を隠蔽しようとした奴らなんか死刑にして欲しいけどさ、俺も電気とか設備とかずっと関わってきている人間だから、そういう立場は痛いほど理解できるわけよ。俺なんかに批判する資格ねえだろうってね。
なんつーかこういう職業ってのは、設備やプラントを安全に操業したり、トラブルを発見し報告するためにあるのではなく、
トラブルや事故を如何に隠蔽し、当たり障りのない報告をするためにあるのではないかと、それが飯のタネなんじゃないかと、思ってしまう。