2013年11月19日

【ワイン7900本】秘密保護法成立すりゃ、やりたい放題【海外派兵】

 特定秘密保護法は、警察権力を増大させ市民・マスコミを委縮させるとともに、行政の予算の使い道や不正・不当な行為を一切覆い隠す目的があると言える。また東京新聞より引用。


 1998年3月、社会党の職員だった島田正博氏が那覇市に対し、那覇防衛施設局が市内に建設する対潜水艦戦作戦センター(ASWOC)の、建築確認関連書類の開示請求を行った。これに対し防衛庁職員が本土からも訪れ非公開を執拗に要求していたが、当時の市長は半年後に開示を決めた。しかしあろうことか国は、非公開を求めて那覇市を提訴した。
 裁判で国側は、(図面に記された壁の厚さから)「攻撃に耐えられる能力を察知される」「消費電力から電子機器の能力、ひいてはASWOCの能力を察知される」などと主張した。消費電力からそこまで分かるわけがねえだろう馬鹿。国側の弁護団は20人ほど、市側の3倍近い人数。開示請求を受け付けた市の職員は「絶対公開するなって脅しのように感じた」と語る。
 審理は5年も続いたが結局地裁は、国が市に対してその種の裁判を起こすことはできないと判断し却下した。壁の厚さも「一般の事務所と特段異ならない」と指摘。攻撃に耐えられるどうのこうの言うようなレベルじゃないのにそんな屁理屈並べてやがったんだから呆れたものだ。国は最高裁まで争ったが2001年7月に敗訴が確定。島田氏に開示されたのは請求から12年後だった。中身は建物の図面や電気容量の表など。「なんだ、ゴミのような資料だ」と拍子抜けしたという。
 那覇市の情報公開制度が始まったのは国より10年以上早い1988年。この裁判に証人出廷した真栄里泰山氏は、「戦時中は軍機保護法の下、住民は何も知らされず、多くが命を失った。米軍の占領下に置かれるときも、本土復帰の時も、何も知らされないまま物事が決まった」と苦い記憶を語る。
 「自治体は住民の安全を守るため、基地を監視する必要がある。秘密保護法でそれができなくなるようであれば、もう基地行政はできない」。(以上、11月4日東京新聞特集記事「国家のヒミツB」より)
 なるほど、日本政府はたとえ「ゴミのような資料」でもゴミのような言い訳を並べて開示を拒否するのか。機密を守るためというよりも、市民が国の情報に関心を持つこと自体が許せないんだろうね。

 2010年、パリ郊外にある経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部の大使公邸の地下室に7900本のワインが貯蔵されていることが明らかになった( ゚Д゚)。30年間は「おもてなし」が出来る本数だという(参考)。酒屋か飲み屋でも始めるつもりか?そんなのとても使い切れないだろう。俺が毎日1本ずつ飲んでやってもいいぜ。さらに別の三つの公館でも年度末にワインを大量に買い込んでいた。「余った予算を消化していた可能性もある」。外務省機密費(報償費)が流用されていたようだ。
 情報公開市民センターはこの報償費の開示請求を行い、拒否されたので東京地裁に提訴した。当時の理事長だった高橋利明氏は、「報償費っていうのは、情報を取るための食事代や情報提供の対価なんだろう」と思っていた。しかし実際はこの費用の一部はワインや絵画購入に充てられていた。
 法廷で外務省は、「ワインの購入先が分かると在外公館の安全確保が困難になる」「銘柄が分かると、他国との信頼関係を失う」などと空虚な反論をしていたという。銘柄だけ公開とする判決が確定したが、外務省は銘柄非公開の方針を変えていない。高橋氏は「日本は安全保障もワインも同じレベル。都合が悪けりゃ何でも一級の秘密になってしまう」と皮肉る。

 長野県ではバブル期に、ゴルフ場やスキー場開発で環境が破壊されていった。この苦い記憶から長野冬季五輪に反対していた江沢正雄氏(染色家)が、ボブスレー・リュージュの施設の図面を長野市に情報公開請求したが、「テロ防止のため」という理由で拒否された。
 情報公開市民センターの現理事長・新海聡氏は「五輪とテロは表裏。東京五輪で施設の建築資料を開示したら秘密の漏えいになるんだろうか」と危惧する。
 「納税者として公金の使い方を知るのは当たり前の権利だが、行政はあの手この手で隠そうとする。秘密保護法ができたら秘密の範囲はさらに広がってしまう」(江沢氏)(以上、11月5日東京新聞特集記事「国家のヒミツA」より)

 「納税者として公金の使い方を知るのは当たり前の権利」というのは全くその通りだ。「知る権利」というのは言うまでもない当たり前のことだ。元々は俺らが払いたくもないのに払わされてる税金じゃねえか。政治家や役人が贅沢に暮らせるのは俺らが税金払ってるお蔭じゃねえか。金を払っている側に、金の使い道を説明しなくてどうするんだ!
 基本的に政府というのは国民に何も知らせずに好き放題やるものだと理解するべき。我々にはこれを監視し情報開示を求める権利があるはずだが、自公政権は秘密保護法によってこれを完全に否定しようとしている。2020年に向けて新国立競技場の建設など税金をドブに捨てようとしているが、いかに不正や無駄な工事が行われようとも一切知らされることはないだろう。
 それにしても、ワイン買いだめの件さえ開示しようとしないのに、軍事情報だったらさらに固く口を閉ざすのは当然かもな。秘密保護法なんてものが成立すれば一切ダンマリを決め込むだろうね。

 前回引用した部分の続き。10月24日参院予算委員会での森雅子内閣府特命担当相の「政府や当局の違法行為や重大な失態は特定秘密の対象にならない」という答弁について、公益通報に詳しい阪口徳雄弁護士が厳しく指摘している。例えば防衛庁が官製談合をした場合、特定の企業にしか発注できない仕様書は、談合の重要な証拠にはなり得るが、安全保障上の理由で特定秘密に指定されるだろう。「特定秘密は、省庁の違法行為を隠す役割を担うことになる」(10月31日東京新聞)
 実に分かりやすい。戦車や戦闘機の装備自体は秘密事項だろうが、談合は犯罪だ。企業が提出した図面や資料が談合の証拠になるなら開示されなくてはならない。しかし「特定秘密」に指定されていれば開示されない。かくして防衛省と死の商人の蜜月関係は誰にも邪魔されなくなる。
 ところで防衛省が軍需企業と契約を巡って訴えられたり訴えたりしたことがあったけど、秘密保護法が成立すれば「特定秘密」を扱うんだから密室裁判になるんだろうな。我々の税金の使い道に関する裁判なのに。ともかくこんな悪法が成立すりゃ、税金が何に使われてるか全く知らされなくなるんだよ。

 自衛隊イラク派遣差し止め訴訟の原告だった近藤ゆり子氏は、航空自衛隊の空輸活動についての情報公開請求を繰り返し行っていたが、開示される文書の主要部分はいつも黒塗りだった。その当時、航空自衛隊が何を運んでいるのか明かされていなかったのである。当然米軍の物資・兵員を輸送しているのだろうと見られていたが。
 黒塗りされていることについて異議申し立てを行い、ようやく2009年9月になって「不開示部分を開示する」との通知が添えられた文書が届いた。航空自衛隊が2年5か月間イラクで空輸していた物資や人員の資料だった。それによると米兵の輸送が7割近くを占めていた。「あらためて人道復興支援とはほど遠い活動内容が浮かび上がった」。単純にアメリカのイラク侵略の片棒を担いでいたのだ。
 近藤氏にこの資料が開示されるより7か月も前に、航空自衛隊はイラクから完全撤収していた。前年4月には名古屋高裁で、「武装した米兵の空輸は憲法九条違反」とする判決が出ていた。
 自衛隊がイラクに派遣されていた当時、内閣官房副長官として官邸で自衛隊派遣を統括していた柳沢協二氏は、「イラク派遣のときは、ずいぶん黒塗りの資料を開示した」と振り返る。近藤氏に資料が開示されたときには官房副長官の職にはなかったが「空輸実績は撤収前は差しつかえがあったが、撤収後なら公開して問題ないものだった」と語る。こういう問題はリアルタイムで公表するべきものだが。まあ隠し通すよりマシか?
 しかし柳沢氏は退職後、政府は「国民への説明責任」を重んじるべきだと考えるようになった。特定秘密保護法案についても「権力の集中は間違いを起こす可能性を高める」ので、懸念を感じているという。(以上、11月5日東京新聞特集記事「国家のヒミツB」より)
 言うまでもなくこの法案が成立し、再び自衛隊が海外に派兵されることになれば、具体的な任務も兵員も携行する兵器も「特定秘密」に指定され、一切明かされないだろう。日本のマスコミには何も明かされないまま、自衛官は戦地で危険な任務を負わされるかも。ジャーナリストや活動家が現地に赴き見聞きしたことをツイッターやフェイスブックに書けば、成田に戻った途端にお縄だろうな。

 11月8日の衆院特別委員会で、自民党の橋本岳氏が、「イラクに派遣された自衛隊の装備や収集した現地の情報は特定秘密にあたるのか」などと質問すると、真部朗防衛相政策局次長は「一般論として該当する可能性がある」と答弁した。さらにイラク派遣時の広範な情報についても、「特定秘密に該当する可能性がある」という答弁を繰り返す真部氏に対し、橋本氏は「それじゃ全部じゃないですか」と懸念を示したという。
 話が前後するが、航空自衛隊のイラク空輸活動について当時の額賀防衛庁長官は、国連の人員・物資を空輸すると説明していた。しかし東京新聞は自衛隊関係者から取材し、武装した米兵を空輸していたことを報道した。秘密保護法が成立すれば、真相を話した自衛隊関係者も東京新聞の記者も逮捕だろうな。
 そういえば自衛隊宿営地の近くにロケット弾が着弾したことも数回報道されたが、これも隠蔽されるだろう。今になって脱原発を唱えはじめたどっかの誰かさんの「自衛隊が派遣されている地域が、非戦闘地域」などという倒錯発言も、覆すことはできなくなるだろう。(以上、11月12日東京新聞より)

posted by 鷹嘴 at 01:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 悪法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
特定秘密法案が成立してしまったら、公務員が「職場の雨漏り」を家族や職場外の友人に愚痴ったら「官庁の庁舎設備の問題はテロ対策のために漏えいさせることはまかりならん」といって特定秘密法違反でしょっ引かれることになるのでしょうか。考えたくない世界にまた一歩近づくことになるのでしょうか。
Posted by 黒天使 at 2013年11月19日 19:22
同感です。どんな言いがかりをつけられるのかわかったもんじゃありません!
Posted by 鷹嘴 at 2013年11月19日 23:11
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