回復してから会社の命令で(馬鹿馬鹿しいけど)インフルエンザの治癒証明書を病院に発行してもらい、2月7日から職場復帰。早速8日は夜勤。朝から雪が激しく降っている。雪かきなどトラブル対応に追われ、ほとんど仮眠時間を取れなかった。翌日帰宅し、当然疲労のため夜まで爆睡。飯食ってからまたすぐ寝ちゃった。
もしも俺が都民で、かつ鈴木たつおさんが立候補していなかったら・・・布団の中で悩みに悩んだ末、投票終了時刻を過ぎちまっただろうな(笑)。雪は8日夜に止んで晴れたが路上の積雪が残っていたので投票率が低かったのもうなずける。それにしても宇都宮が細川を上回るとは驚いた。サヨクの皆さんの勝手連的な応援が功を奏したのかもね?
■ それにしても、意外な人たちが宇都宮支持に回ったんで驚いたな。おかげで俺のツイッターアカウントのタイムラインは宇都宮氏称賛で花盛り。細川支持発言より10倍くらい多かったな。それだけ応援するってことは、宇都宮健児弁護士のいいところを良く知ってるのかな??と思ったけど、候補者の経歴や人物像はともかく、東京に脱原発知事を誕生させるため党派を超えて盛り立てようと考えたのかも。小異を捨てて大同につく、ってもんか?あるいは消去法で宇都宮候補を推さざるを得ないと覚悟したのかも。
俺も宇都宮氏がどういう人物なのか全く知らなかった。週刊金曜日の編集委員をやっているような人だからそれなりの見識のある人じゃないかな、くらいの認識しか無かった。しかし日弁連会長を務めていた彼は、裁判員制度を推進する立場にあった。刑事事件の被告人の人権を奪うこの制度を、弁護士が推進するとはどういうつもりか?これだけでも彼を支持できない理由になる。原発問題についても、本気で原発ゼロを目指すつもりがあるのか信用できない(この二件については、当ブログ2月1日付けの記事で指摘済み)。
また宇都宮氏は2012年の都知事選を前にして、オリンピック招致計画について次のように語っていたという。
【賛成、反対ではなく見直し】曖昧な表現だが、招致を問い直そうという姿勢だ。しかし彼は今回の都知事選に際し、オリンピック計画の見直しを示唆しつつも、基本的に推進の立場を表している(宇都宮けんじの希望の政策の特別政策1)。大型計画は止め、新国立競技場建設計画を見直す・・・などと述べているが、誰でも言える程度のことではないか?
国威発揚を掲げた現行の招致計画には反対。現計画は臨海副都心の再開発の隠れみのになっている。石原都政の間に都民のスポーツ環境は悪化しており、スポーツ、オリンピックの意義を問い直すところから再出発。
「国威発揚を掲げた現行の招致計画」によって(しかも安倍の大嘘とセットで)東京開催が決まってしまったのだから、「現行の」開催計画には全て「反対」するのが筋ではないか?決まってしまった以上、計画に対する厳しい指摘は不利になると判断したのだろう。
また、このようなふざけたことを述べている。
東日本大震災の被災者、東電福島第一原発事故の被害者のみなさんからも意見を聞き、被災者・被害者のみなさんにも喜んでもらえる心のこもった大会をめざします。どのようなオリンピックにすれば「被災者・被害者のみなさんにも喜んで」もらえるのか、本人を問い詰めてみたい。オリンピックなどという金のかかるイベントは辞退するのが一番喜んで貰えるのではないか?仮設住宅や、故郷から遠く離れた場所に避難している人々にとって、東京オリンピックのお祭り騒ぎなど、腹立たしい以外の何物でもないと思うが?(それにしても宇都宮氏のマニフェスト、随分多方面をカバーしているなあ。とても彼一人の口から出た言葉とは思えないね。それにHPのデザイン、どっかで見たような気がする。多方面の人たちが彼の下に集まったようだね。まあ他人の勝手だけど)
どうやらこの宇都宮という人は、原発にせよ司法制度にせよオリンピックにせよ、「ブレる」というか、情勢に流される人のようだな。
■ 昨年猪瀬が辞任し宇都宮氏の立候補表明の後、【澤藤統一郎の憲法日記】というブログが【宇都宮健児君、立候補はおやめなさい】という連載を開始した。
「人にやさしい東京をつくる会」(2012年都知事選に於ける宇都宮選対)の、運営会議委員だった澤藤統一郎弁護士による、宇都宮陣営の内情の告発である。澤藤弁護士の息子の大河氏も選対の一員だったが、選対本部の機能不全ぶりに苦言を呈したところ、上原公子選対本部長や熊谷伸一郎選対事務局長らによって不当にも任務を外された。
澤藤弁護士本人もパージされた一人である。2013年12月の猪瀬辞任表明直後の運営会議にて、「現在の運営会議を解散し、新たな協議機関の設立は宇都宮氏と中山武敏氏(会の代表)に一任する」・・・という議案が、澤藤弁護士以外の委員の賛成によって強引に可決された。澤藤弁護士を解任するための茶番劇だった。
これで終わり。(午後)9時40分でした。会議時間は30分余。なるほど、多勢に無勢とはこういうこと。それにしても、これはついこの間、どこかで見た景色。同じことを、やっぱり薄汚い連中がやっていた。
「澤藤解任」の議案では、解任の理由を特定しなければならない。そんな面倒なことをせずに、うるさい私を解任する方法を考え出したのだ。いかにも、労務屋が考えそうな汚い手口。会社解散ということで全員解雇しておいて、会社に忠誠を誓うものだけを再雇用するあの手口だ。革新共闘で選挙に出馬しようという候補予定者のとるべきやり方ではない。宇都宮君、そしてあの会に出席していた諸君、恥ずかしくないか。たしかに国鉄分割民営化のような汚い手口だな。
■ これらの告発については宇都宮側も言い分があるだろうが・・・このブログを読むまで、岩波書店「世界」編集部の熊谷伸一郎氏が選対事務局長を務めていたとは知らなかった。熊谷氏の人格については当「不条理日記」にも散々書いているが(ここや、ここ)、とにかく目立ちたがり屋で、手間のかかることは他人に押し付け、権力者には媚を売り、意見が合わなければ長年の同志だろうと平然と粛清する男だ。口先では人権だの民主主義だのと主張しているが、そういう観念とは対極にいる男だ。熊谷氏の人格を知っているからこそ、このブログの告発にも納得できる。あの男、どこに行っても同じようなことをしているのか、と。
たとえば上記の会議を招集するメールが澤藤弁護士に届いたのは非常識なことに会議前日の夕方であり、議題の内容について全く書かれていなかった。「澤藤解任」のための打ち合わせが行われていたことを思わせる。このメールを発信したのは熊谷氏だったという。これらの計画に彼も加担していたかもしれない。
この一件は、熊谷氏が仕切る「南京への道・史実を守る会」での、「とほほ」こと故・平志朗さん粛清事件を思い起こさせる(参考)。「とほほ」さんの処遇について都内で会議が行われたが、出席者したスタッフは熊谷氏の腹心とイエスマンばかり。広島在住の「とほほ」さんが会議に出れるわけがない。当然俺以外は彼の追放に賛成。
既に熊谷氏はとほほさんを追放する方針を固めていたが、わざわざ会議の席を設け、自分の独断でなくスタッフの確認を取ったうえで処置した、という体裁を整えたのだ。澤藤弁護士解任も同じ手口だ。
また、やはり熊谷氏が事務局長を務めていた市民団体「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」のメーリングリストに於いても、花岡和解問題についての梶村太一郎氏や熊谷氏の見解に反する意見は禁止され、何名もがメーリングリストから追放されてしまった(参考)。そもそも花岡訴訟の弁護団と支援者は、原告を絶望させた「和解」を押し通し、分断を作り出している。
これらの団体に限らず、サヨク組織の中でのこういう排除行為は珍しくないと思う。どうにも日本のサヨクはサヨクの名を汚す行為を躊躇わないようだ。サヨクの暗くおぞましい部分だな。そもそもサヨクを名乗る以前に、村社会的というか「メダカ社会」的な行動基準が染みついて抜けないんじゃないの?
■ 今回の都知事選で熊谷氏が宇都宮選対の中でどういうポジションだったのか分からないが、恐らくは幹部の一人だったのでは。宇都宮氏はそんな熊谷氏らを諌めることは無かった。澤藤大河氏が宇都宮氏に直接選対の実情について訴えても、まともに取り合うことはなかったという。
ちなみに2013年2月に宇都宮選対の運営委員会が、不当に任務を解かれた澤藤大河氏の訴えに応じ事情聴取を行ったが、聴取するのは大河氏を粛清した熊谷氏らだったという。安倍が特定秘密保護法を第三者的にチェックする、みたいなナンセンスな話だな。
案の定、熊谷氏や川添誠氏(首都圏青年ユニオン)は、自民党議員が野党議員の質問を妨害するような勢いで大河氏を罵倒し、怒鳴り散らした(熊谷氏は表面的には人当たりがいいんだけどね。これが彼の本性だろう)。結局、宇都宮氏や中山氏・上原氏ら幹部が裁定することになったが、何の音沙汰もないまま、猪瀬が辞任し宇都宮氏が再び出馬するということになった・・・。問題解決を先延ばしにして、ほとぼりの冷めるのを待つのも、熊谷氏の十八番だ(笑)
また熊谷氏がフェイスブックで語るところによると、昨年宇都宮氏から直接、再び選対事務局長を務めてほしいと要請されたという。熊谷氏のような選対幹部連中の人格を見抜けず(あるいは気づいていてもスルーし)、再び彼に協力を求めるとは・・・全くあきれたものだ。
■ ところで宇都宮氏の選対本部長の上原公子氏や出納責任者の服部泉氏は、選挙運動の報酬を得ていたという。それ以外にも十数名が報酬を受け取っていたらしい。これって選挙違反・・・じゃないの?
これについては宇都宮陣営から反論が出ている。上原公子氏らが受け取ったのは報酬ではなく、法的に認められている交通費や宿泊費の支出である、収支報告書の「労務費」とは単なる記載ミスだ。それに「機械的仕事を担う選挙運動の為にする労務者」に報酬を支払うことは法で認められている・・・という。
この釈明に対しては【醍醐聰のブログ】が批判している。交通費や宿泊費だったらなぜ10万円ピッタリなのか?しかもなぜ一日当たりの金額×日数なのか?と。普通に考えれば日当だよなこりゃ。
それはともかく澤藤弁護士は(法的な問題は別として)、上原公子氏ら十数名には「労務者報酬」や交通費の名目で手当が支払われたが、澤藤弁護士本人も含めて献身的に働いていたほとんどの運動員は「労務費」や交通費も受け取っていない・・・と非難する。たしかに俺も時給どころか交通費だってビタ一文貰わなかったぞ。まあ宇都宮陣営にはそれなりの大人の事情(?)があったってことかね。
澤藤弁護士は前回都知事選の供託金についても言及している。宇都宮氏の供託金300万円は澤藤弁護士の妻が立て替えたが、選挙後も返却されず、澤藤弁護士が請求して2013年4月にやっと返却されたという。宇都宮陣営はこの件についても言及している。
「澤藤氏は宇都宮を『300万円も用意できない人物』などと蔑視するが、それは清廉な弁護士だったからだ。非難されるいわれはない」
それがどうした?澤藤氏は、供託金がなかなか返却されず不安を感じたことを記したわけであり、『300万円も用意できない人物を蔑視』したわけではない。何が言いたかったのだろうか。金が足りなくて知り合いに無心するような人物のように言ってくれるな、とクレームを付けただけか?馬鹿?
そもそも、請求されるまで4ヵ月も返却しなかったことには弁明が無い。それにしても澤藤氏の問い合わせに対し「え〜、まだ返していないの。会計責任者がやっていたと思っていた」とガキのように開き直ったのは誰かな。まさか宇都宮氏本人?
■ 今回の都知事選では、脱原発を掲げる宇都宮氏を、社民党や日本共産党が全面的に支持した。多くの人々が指摘しているように、共産党が唱える脱原発には疑わしいものがある(たとえばこれ)。それに以前も述べたが共産党は、被災地の瓦礫は全国で処理し、除染を進め、子どもの被曝問題は無視し、帰還を促すという姿勢だ。
bcxxx氏など反原連関係者の中の日共シンパなども当然共産党の姿勢に沿った主張を行い、被曝問題を論じる人々を口汚く攻撃している。被曝を論じないで何が「反原発」なのか。被曝を軽視するなら、原発に反対する理由も失われるではないか?
口先では脱原発を唱えながら被曝の問題は無視する共産党とそのシンパの主張は、自衛隊や天皇制の容認に転じたように、変容していくのかもしれない。同党がかつて成田空港建設反対運動にも関わっていたことなど、現在の若い共産党ファン(?)には信じられないだろう。それにかつて同党は東京五輪招致に反対する立場だったが、東京開催が決定した後、五輪推進の立場に変わっている。
◇ 共産党の東京オリンピック推進に阿鼻叫喚!バッシングツイートの数々ざまあみやがれい!
政府・行政の方針に口先では反対しつつも、決定したことは受け入れてしまうのが共産党の歴史的な姿勢だ。こういう共産党にとって、宇都宮氏は御しやすい存在なのかもしれない。
それに上記の日共シンパらは昨年、自衛隊のPKO派遣を容認する発言をしていた。「民間人の命は軍事力で守るしかない」などと言われれば俺には反論の能力が無いが・・・かつて多くの戦争が、「防衛」「平和」を口実に始められたことを忘れてはならないはずだ。
連中は、原発廃止と平和を願う多くの人々とは、何か違うものを見ているように感じる。やがて連中は原発再稼働も集団自衛権行使も憲法改悪も、なし崩し的に認めてしまうのではないか。そして強固に反対する人々を、セクトだの極左だのと攻撃するのではないか。
「革新共闘」と言えば聞こえはいいが、日共シンパとその他多数のサヨクが野合し、熊谷氏らのような職業サヨクが仕切ればどうなるか。権力や資本と折り合い、少数派を排除し、運動を衰退させていくのではないか。都知事選は終わったがこの構図が続くのだろうか。絶望的な気分になるね。
■ 2月9日の宇都宮氏の事務所では、舛添当選が報じられた後に宇都宮氏が支援者を前に挨拶を行い、「選挙が終わったらノーサイド」だと語ったという。
脱原発派が宇都宮支持と細川支持に分裂してしまったが今後も脱原発のために共闘しよう・・・という主旨のコメントだと思うが、分断を作り出す勢力に支援されておきながら、よく言えるよな。本気で「選挙が終わったらノーサイド」だと思うのなら、まずは澤藤弁護士と話し合い、謝罪すべき部分は謝罪し、和解したらどうかな?
まあ今後もご勝手に分裂と野合を繰り返して下さいな。俺はこういう「ブレる」連中と付き合わないから。所詮「体制内左派」だろ。リア充サヨクだろ(笑)。運動の目標よりも、組織の維持や、自分の収入や、面子・評判が大事なんだろ。
自分の生活の方が大事なのは俺も同じだけどさ(笑)、やっぱ、何度右翼や機動隊に殴られ弾圧されても、マスゴミにバッシングされても、日帝や巨大資本と非和解に闘い続ける人々が、運動を大きく育て、情勢を動かすと思うんだ。
「あの大きな岩に当って空しく砕け散る波でさえ、いつか岩の形を変えていく」
(カムイ伝より、百姓一揆のリーダー正助)
— usachanたかぽん (@usachanko) 2013, 12月 31
当ブログを読んでいただきまして光栄です。
今後もよろしくお願いします。
戸田様のご活躍を期待しております。