【追記のお知らせ 2017年4月9日】
 記事「【5月7日】雁屋哲さんの講演+井戸川克隆さんと対談」に、「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」から福島現地での鼻血の症状についての報告例を引用しました

2014年09月12日

無実の星野さん解放へ!「ソリダリティ 〜団結」

 例年?の9月の行事も終わったが、職場の状況やパソコンの不調、その他の理由で、相変わらずブログ更新・管理が困難な状況にあることをお断りしておきます。そういうわけで今更だけど6月の集会のことを書きます。季節感が無くてごめんなさいね。
 2014年6月29日に上野公園野外ステージで、1975年に冤罪で逮捕されて以来獄中闘争を貫く星野文昭さんを支援する【6・29全国集会】が行われ、ミュージシャンの丸尾めぐみさんと福山竜一さんが、星野さん解放を願う「ソリダリティ 〜団結」「取り戻そう 星野」「あの坂を登って」の3曲を披露した。YOUTUBEにアップされているので貼り付けます。






 「ソリダリティ 〜団結」の作詞は星野文昭さんと獄中結婚した暁子さん、作曲は丸尾めぐみさん。歌詞を週刊『前進』よりコピペさせて頂きます。
♫ ソリダリティ〜団結〜
作詞 星野 暁子
作曲 丸尾めぐみ
一  君と生きる
   僕は続く
   壁をこえて
   君に 届け!

   ソリダリティ
   立ち上がる ソリダリティ 僕に
   奮い立つ 僕に
   聞こえるよ 君の呼びかけ

二  君は無実  
   声をあげる 
   海をこえて 
   真実よ 届け!
 
   ソリダリティ
   立ち上がる ソリダリティ わたし
   奮い立つ わたし
   とり戻すよ 君のすべて

三  君の愛す
   辺野古の海
   あらがう民と
   心ひとつに

  *ソリダリティ
   立ち上がれ ソリダリティ 生命(いのち)
   奮い立て 生命(いのち)
   とり戻すよ 君のすべて

  *くりかえし

 これらの曲を胸の内で口ずさみながら、星野さん解放のために闘っていきたいものだ。

 1971年11月14日、渋谷で行われた沖縄返還協定批准阻止闘争で一人の機動隊員がデモ隊に殴打され死亡した。多くの学生が逮捕され不当な取調べが長時間行われ、虚偽の自白の強制によってデモ隊のリーダーだった星野さんが殴打に加わっていた、というストーリーが作られてしまった。物証どころか目撃証言すら存在しない。そもそもデモ隊のリーダーだった星野さんに個別の戦闘にかまけている余裕など無かった。
 学生から「きつね色の上着を着ていた男が殴打していた」という供述を得た権力は、「その男は星野だった」という自白をするように強制した。往々にして冤罪事件とはこのように発生するようだ。犯罪を取り締まるべき立場のはずの警察・検察が犯罪を生み出している。この学生は後に法廷の証言台に立ち、この虚偽の供述が強制された過程を語っている。しかも彼は被告席の星野さんを見て、(星野さんこそ「きつね色」の服の男だとは)「ちょっと絶対に言えないことだと思います」と語ったという。
 そもそも当日の星野さんの服装は「きつね色」ではなく「薄青色」だった。これは後の再審請求で裁判所もようやく認めたが、それでも「学生は申立人の服装を間違えて記憶していただけ」として請求を却下した。殴打していたのは「きつね色」の男だという供述を悪用して星野さんを起訴した過程が根底から崩れても、なお結論を譲らない。実に馬鹿げたことだ。

 2013年12月1日に行われた星野全国集会で再審弁護団の岩井信弁護士が、星野さんの絵画展に読売新聞の記者が訪れたときのことを報告した。この記者は「絶対に星野さんは無実だと言えるのか?」などと質問したという。服の色を間違えた供述を採用して無期懲役に追い込んだことが、冤罪以外の何物でもないことを示しているではないか。そもそも被疑事実が事実かどうか立証しなければならないのは被告側ではなく検察側ではないか?まあ読売の記者の知性など期待できないが、この記者も岩井弁護士の説明によって一応は納得したらしい。
 許しがたいことに日本の司法制度では(星野さんの事件のように)関係者のあやふやな供述のみで被告が冤罪判決を受ける例が多々あり、被告側が無実の立証を迫られる。しかし星野さん再審を目指す弁護団には有力な証拠がある。

 1971年の事件の当日、星野さんは代々木八幡駅から学生デモ隊を引き連れ渋谷の中心部に向かい、機動隊員殴打の現場(渋谷神山町11-10前の路上。アップリンクの近く)を通り過ぎ東急本店前を通ったが、そこで警察官によって撮影された。その写真の星野さんの手の鉄パイプは白い紙が巻かれていたが、一切の損傷・汚れが見当たらないのだ。機動隊員が死亡するほど殴っていたなら、当然何らかの損傷が見受けられるはずだ。この写真のネガが入手できればより鮮明な解析が行え、星野さんが殴打と無関係だったことが立証できるはずだ。しかし弁護団からの開示請求にも、裁判所からの開示勧告にも、検察は応じていなかった。

 2014年6月29日の集会では、星野さん弁護団、全証拠開示運動の講師陣、労働組合・活動家・学生など多方面、ご家族の方々、星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議、そして暁子さんが発言。





 岩井信弁護士は、今年は袴田さんが解放されるも、「どこからか圧力があるのか」名張毒ぶどう酒や大崎事件などで再審棄却され、飯塚事件では突然裁判長が交代し棄却決定するような情勢の中で、信念の下に星野さん再審のため闘うことを宣言。星野さんの写真のネガが入手できる見通しだと報告した。
 (そして7月11日東京高検は星野さんの写真を含むネガの「高精度スキャニングデータ」を開示した。しかしデモ隊ではない目撃者11人の供述調書の開示は拒否された。開示拒否の理由は「わずかの時間だけ目撃したにすぎない」「異常な現場での目撃ということから・・・どれだけ注意力を集中して観察できたか」という。わずかな時間、異常な現場での目撃に証拠価値が無いというなら、殴打を目撃していたとされる学生の供述こそ、証拠価値が無いだろう。それにしても証拠価値が無いと決めつけているなら開示してもいいのではないか?)

 藤田城治弁護士はビデオ国賠訴訟を報告。事件があった渋谷闘争のテレビニュースは警視庁が録画していたが、裁判所に証拠として提出され、その後警視庁が預かっていたが、気が付いたら紛失していたというのだ。警視庁なんぞに預ける裁判所も呆れたものだが、それを「失くした」と開き直る警視庁も狂っている。恐らく星野さん無実を裏付けるシーンもあったのではないか・・・?
(2014年9月9日この訴訟の判決が下り、東京都と国にたった20万円ずつの賠償が命じられた。)



 今年2月の都知事選を闘った鈴木達夫弁護士は、袴田巌さんの冤罪事件に言及。袴田さんの無実を証明する証拠は最初からあったが、検察官は出さなかった(そのせいで袴田さんは死刑判決を受け、48年間も投獄されていたのだ)。袴田さんの弁護団長は「同じようなことを警察や検察が何度やって、何人を死刑台に送ってきたんだ」と憤ったという。無実のゴビンダさんを支える会事務局長の客野美喜子さんは「無実を明らかにする証拠は実は、検察庁の倉庫にあるんだ」と指摘。たしかにその通りだろう。鈴木弁護士は、だからこそ全ての証拠開示が必要だと訴えた。

 しかし日本政府は逆方向を目指している。7月7日刑事司法制度改革の法制審議会特別部会が法務省案を了承した。法務省は、刑事訴訟法などの改正案を来年度の国会提出を考えているという。捜査の全面可視化は裁判員制度が適用される事件に限られる一方、証拠開示についてはリストを提示するのみで、さらに傍受適用の拡大、司法取引を導入しようというおぞましい内容だ。

◇ 取り調べ可視化、裁判員裁判などで導入へ 司法取引も 法制審特別部会が改革案了承
◇ 刑事事案に「司法取引」導入へ 取り調べ可視化と併せ 冤罪引き起こす恐れの指摘も
◇ 冤罪生む捜査、無限定に拡大/可視化、証拠開示後退/法制審特別部会 「試案」の危険な中身 (救援新聞)

 今まで数々の冤罪事件が、取調官による「お前が正直に言えば、お前の容疑は見逃してやる」「お前が喋らないならお前の方を起訴してやる」などという卑劣な脅迫によって起こされてきた。司法取引が導入されればこうした脅迫が合法化され、さらに多くの冤罪事件が発生するだろう。たとえばデモ隊のリーダーを弾圧したければ、デモ参加者を「任意同行」という名目で監禁し、司法取引を持ちかけて虚偽の供述を押し付ければいいだけだ。通信傍受の際の通信事業者の立会いが不要になれば、個人情報・通信内容は権力の前に丸裸にされてしまう。この恐るべき法改悪は絶対に阻止しなくてはならない。
 もっとも、警察や検察が被疑者の人権を蹂躙し不当な捜査を行い、裁判所も検察の言いなりという、言わば統治機構が主(あるじ)で市民はそれに従う者、という構造の中では、冤罪事件は何度でも起きるだろう。
 我々市民は、誰しも自分自身が被疑者・被告人・受刑者の立場に、あるいは星野さんのように冤罪被害者になり得ることを自覚し、偏見を捨て、共に闘い、この構造を倒さなければならない。


・・・このブログに於ける星野文昭さんの闘いは「国際労働運動2013年2月号 第438号」より引用している。また、昨年10月に「無実で39年 獄壁超えた 愛と革命 星野文昭・暁子の闘い」(星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議/編集・発行)が刊行された。星野さんの絵画+暁子さんの詩、星野さんの半生、二人の出会いと獄中結婚(暁子さんが裁判を傍聴し、その後文通、面会が始まった)、冤罪判決に至る不当な捜査、再審に向けた闘いが収録されている。星野さんと暁子さんの闘いがこの一冊で理解できるだろう。是非ともご一読を!
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posted by 鷹嘴 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 冤罪事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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