平成25年度「理論」問15の(a)は悩むほどではないだろう。
線間電圧200Vを√3で割って相電圧にして、単相回路に変換した等価回路を書いて一相分のインピーダンスを計算し、電流を求める。そして電力は、3×電流の二乗×抵抗 で求める。
(b)は、かなり焦っていたから解けなかった。実教出版の解き方は式の展開が面倒臭そうなので、俺にとって一番解りやすい解き方を書く。
前問で求めた電流の実数分と虚数分を考えてみる。単相回路の合成インピーダンスと誘導性リアクタンスのインピーダンスからsinθを求め、電流×sinθで電流の虚数分が求まる。(言うまでもないが力率はcosθだよ)
並列にコンデンサ回路を接続して力率が1になったということは、コンデンサ回路に虚数分と同じ大きさの電流が流れている、ということだ。
ベクトル図を書けば解りやすい。横軸が実数分(抵抗や有効電力)、縦軸が虚数分(リアクタンスや無効電力)、その合成が、実際に流れる電流や皮相電力だ。
そして単相の等価回路を書いてみる。デルタ結線のコンデンサをスター結線に変換するなら、静電容量を3倍にすればいい(抵抗の逆の計算)。
まず3倍のままで容量リアクタンス値を計算し、そこから静電容量を求め、最後にそれを3で割れば答えが出る。
ところで、俺は受けてないけど平成19年度の問15も似たような問題で、これは抵抗とコイルのインピーダンスの値は書いていないが有効電力と無効電力の値が出ているのでそこから力率を求める。あとは同じ。過去問5年分どころか10年分くらいやっておかないと危ないかもね。これは試験前に解いてみたから、冷静になれば解けたはずなんだけど。
そして一般的な解き方?だと、まずRL直列回路インピーダンスを複素数で表し、そこからRL部分の電流を求める(複素数で)。共役複素数(虚数分だけ符号を反転)を分子と分母にかける、というテクがいる。これをやると分母の虚数部が消えるからな。
そして、力率が1になったということは、 RL部分の電流の虚数分と、コンデンサ回路に流れる電流が等しい、ということだ。あとは同じ。
というわけで、自分の試験はとっくに終わっているのにまだ拘るような変態ではないとこの試験の合格は難しい、ということをご理解いただけたと思います(笑)
ところで平成26年度(2014年)の「理論」の三相回路の問題はどんな問題だったのかと思ったら、予想以上に嫌な問題だな(問16)。俺だったらパニックになって(a)も(b)も解けないな。
だけど(a)は冷静に見てみれば、三相抵抗回路の他にリアクタンスの回路が並列に接続されてるだけだから、抵抗回路だけで電力を、リアクタンス回路だけで無効電力を計算すればいい。
そんで(b)の回路は、電源側から見た無効電力が(a)の場合と同じだっていうんだから、誘導性リアクタンスの無効電力を計算して、そこから(a)の無効電力を引き算したのがコンデンサ回路の無効電力だ。その先は平成25年度と同じ。
電験三種の参考書で学ぶ知識があれば解ける問題だが、ひねくれ問題だな。毎年ひどくなってるんじゃね?