2015年07月31日

【電験三種試験・メモ】正弦波交流の瞬時値の式

 今年の第3種電気主任技術者試験を受験する皆さん、お疲れ様です!この猛暑の中、休日は一日中勉強という日々をお過ごしかと思われますが、たまには気分転換にこんなブログでもご覧ください(笑)

 まず、交流回路の勉強の初歩の初歩である、正弦波交流の瞬時値の式を書いてみる。
 e = m ・ sin(ωt + φ)
   = m ・ sin(2πft + φ)


 ここで、
 e = 瞬時値[V]
 m= 最大値[V]
 (最大値が√2×100[V] ならば、瞬時値は100Vとなる)
 ω = 角速度[rad/s]
 f = 周波数[Hz]
 t = 時間[s]
 φ = 位相[rad]
 π = 円周率

 本当はパイはこういう字
       π.jpg
 で表現したいけどよ。シーサーブログだとパイは小文字のnみたいな字になっちまうのさ。画像にして貼りつけるしかないのか?


 正弦波とは・・・サインの波形だ。ラジアン表示だから、
 π[rad]=180°=半周、
 2π[rad]=360°=1周だ。

 言うまでもないがサインは0から1の間をグルグル回る。
 0°のときはsin0°⇒ 0
 90°(π/2) ⇒ 1
 180°(π) ⇒ 0
 270°(3π/2) ⇒ -1
 360°(2π) ⇒ 0

 これを延々と繰り返すだけ。要するに交流というのは電圧の向きがプラスになったりマイナスになったりを繰り返しているんだ。90°と270°のとき、最大電圧が現れる。
 ちなみに周波数の逆数が周期。50 Hzだったら1/50だから0.02秒。角度が0°から360°(2π)に変化する(要するに一周期)の時間だ。
 なお位相φについて、進んでいるときは +φ で表現する。波形は左にずれる。
 遅れているときは −φ で表現する。波形は右にずれる。

sin π.jpg



 ある電源の最大値が√2×100[V]、周波数50Hz、
 経過時間が1周期の4分1(=0.005秒)、つまり角度が90°(π/2)、
 位相を無視すれば、
 e= √2×100×sin(2π×50×0.005)
  = √2×100×sin(2π×0.25)
  = √2×100×sin(0.5π)
  = √2×100×sin(90°)
  = √2×100[v]
  ≒ 141[v]
 
 また、経過時間が1周期の8分1(=0.0025秒)、 つまり45°(π/4)なら、
 e= √2×100×sin(2π×50×0.0025)
  = √2×100×sin(2π×0.125) 
  = √2×100×sin(0.25π) 
  = √2×100×sin(45°) 
  = √2×100×1/√2 
  = 100[V]
これは実効値だ。電源が100Vというのは実効値のことを言っているんだ。

ちなみに、経過時間が1周期+8分の1(=0.0225秒)、角度が360°+45°なら、
 e= √2×100×sin(2π×50×0.0225)
  =  √2×100×sin(2π×1.125) 
  =  √2×100×sin(2.25π) 
  = √2×100×sin(405°) 
  = √2×100×1/√2 
  = 100[V]
要するにsin45°もsin405°も同じってことです。



 経過時間が0、位相がπ/6(30°)進んでいるなら、
 e= √2×100×sin(0+π/6)
  = √2×100×sin(30°)
  = √2×50[V]
となる。正弦波のスタートがt=0のポイントよりπ/6だけ早く始まる、ということ。つまり波形は左にずれる。

 逆に、経過時間が0、位相がπ/6(30°)遅れているなら、
 e= √2×100×sin(0 - π/6)
  = √2×100×sin( -30°)
  = −√2×50[V]
となる。正弦波のスタートがt=0のポイントよりπ/6だけ遅れて早く始まる、ということ。つまり波形は右にずれる。



 これだけじゃつまらないんで、手持ちの参考書から例題などを。
 「電験三種実践攻略 理論」(平成13年10月25日 オーム社)のP-40例題5(平成5年 B問題)より。

(a)
 I・sinωt
 I /√3 sin(ωt − 90°)
 
 この二つの電流の合成電流最大値 m を求める。
 片方は遅れ・進みなし、片方は90°遅れだから、三角関数の計算の要領で求めればいい(しかも最大電流の形で求めろってゆうんだから手間が省けるw)
Im.jpg

(b) この合成電流を正弦波の式で表す。
 まず位相角を求める。Iは進み・遅れが無いから、これを横軸にとればいい。あとは(a)の答えを瞬時値の形式にあてはめるだけ。
cosθ.jpg
 力率cosθがこの値になる時の角度は言うまでもないよな、30°だ。
 ところで合成インピーダンス(実数部と虚数部の合成)の、
 一辺が1で、もう一辺が1/√3ということは、
 この両方に√3を掛け算すれば、√3と1だ。すると斜辺(合成)は2。
 実数部が√3なら力率は√3/2だ。実数部が1なら力率は1/2だ。
 こういうのはサッと頭に浮かばなきゃね。



 もう一つ。同じ参考書のP-41 例題6(平成12年 A問題)より。
 抵抗とコイルが直列に接続された回路に交流電圧を印可し、電流の式を求める。
 e = 200 sin(ωt + π/4)
 R = 10√3 Ω
 X = 10Ω
 まず抵抗値とインダクタンス値から、合成インピーダンスと位相角を求める。
電源電圧の実効値と合成インピーダンスから負荷電流の実効値を求める。
そして電源電圧の位相と、電圧・電流の位相を合成する。
impedance 1.jpg
 要するにさ、電流は電源電圧より30°遅れるんだけど、電圧は最初から45°進んでいるから、45−30=15°だけ進みってことになるのさ。
 つーか、R=10√3 Ω、X=10Ωだから、10で割ると√3と1だろ。そしたら斜辺は2、力率は実数部÷合成値だから√3/2、偏角は30°だ。これはスパッと頭に浮かばなきゃね。
    イメージ図 
triangle.jpg

posted by 鷹嘴 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | お勉強ノート? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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