5月19日朝日新聞朝刊の記事より引用。
ある19歳の女性(ルーマニア出身)は、3年前にイギリスにいた知人から「月3000ポンド(約71万円)になる」ホテルの清掃の仕事がある、と誘われ、トラックに潜んで不法入国した。
しかし渡航費1500ポンド(約35万円)を要求され、殴られレイプされた。そして昨年9月に警察の取り締りで発見されるまで、毎日13時間の売春を強制されていた。
ナイジェリア出身の19歳の女性は、「働きながら学校に通える」と騙されて偽造パスポートで入国したが、やはり監禁され売春を強制された。客を拒むと殴られ、食事を与えられなかった。
彼女らは現在ロンドン東部イーストエンドにある、慈善団体「イーブス」が運営する施設に保護されている。このような被害を受けた女性に最長で1年間、無料で住居を提供している。2003年の開設以来受け入れは130人に達し、リトアニア、アルバニア、モルトバなどの貧しい欧州国や、タイ、中国などの出身者が多い。
2003年のイギリス内務省の統計では、このように売春を強制されている外国人女性は約4000人と推計。「イーブス」は現在では8000人を下らないと見ている。
「イーブス」の責任者は
「女性の年齢や容姿で売買する値段を決めつけ、暴力で恐怖心を植え付け、食事や睡眠を制限する。人間を商品として扱う奴隷制そのものだ」
と憤る。
また売春業者だけでなく、食品のパック詰めやイチゴ摘みなど、外国人を低賃金で奴隷の如く酷使する事業者も多い。先月25日にBBCの報道番組が違法な労働を明らかにした。
リトアニア人記者が労働者を装い、複数の仲介者を通じてイングランド北部「ハル」の会社に潜り込み、養鶏場などで128時間働いたが、手取りはわずか47ポンド(約1万1千円)。給与明細には勤務時間20時間、支給額97ポンドとなっていた。差額50ポンドは住居費だと説明されたが、12人の男女が雑魚寝する部屋だった。給与明細通りに時給額を計算してみても4.85ポンド。イギリスの最低賃金は5.55ポンドである。この会社は取材を拒否したが、放映後イギリス政府は実態調査を行うことにしたという。
このような人身売買・奴隷的労働はイギリスだけでなく全世界で行われていることだろう。
風俗産業が世界各地から女性を呼び寄せ、あるいは外国人労働者を不当な低賃金で(場合によっては「実習」という名目で)酷使している日本も例外ではない。
*外国人労働者に対する奴隷的な扱い(日本の話)
*「外国人研修制度」
*【農業研修のはずが、「性暴力」 外国人実習生が損賠提訴】
*ベトナム人労働者の給料踏み倒し、社長雲隠れ
経済的に貧しい国から豊かな国へ労働者が渡航し、搾取されるという図式は近代以来多く見られるものである。
ところで「ジャパゆきさん」という言葉は「からゆきさん」をもじったものではないか?かつて日本からは多くの貧しい女性が、近隣諸国へ売春目的で渡航していた。
また、貧しさから逃れるためアメリカや南米諸国などへ家族で渡航した人々が多かったことも忘れてはならない。
外国人労働者が集まってくるような国になったのも、ここ何十年かのこと。そもそも日本なんて貧乏な国だったのである。あまり増長していると近い将来、日本人が中国あたりに出稼ぎにいくことになるかもしれないね。
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2007年05月22日
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