市中心部から十数キロ離れた場所だが、アモイ大学教授らは「有毒物質を扱う工場の建設地が市街地に近すぎる」として計画中止を提案していた。これがネットや週刊誌で明らかになり、反対運動が広まった。
ちなみにウィキペディアのパラキシレンの項目によると、
3種類の異性体、オルトキシレン(1,2-ジメチルベンゼン)、メタキシレン(1,3-ジメチルベンゼン)、パラキシレン(1,4-ジメチルベンゼン)が存在する。いずれも可燃性で、煤を出して燃える。極性溶媒に難溶、非極性溶媒に可溶。毒劇法により医薬用外劇物に指定されている。日本では製造・使用・廃棄に関して、管理・届け出が必要な化学物質としてPRTR法の第一種-30 にて指定されている。また、シックハウス症候群の原因物質のひとつであるといわれている。ということ。いわゆるシンナー臭の元となる、時代遅れの有害な物質らしい。このような工場が中国に建設されれれば重大な環境破壊が引き起こされるかもしれない。
石油中に含まれ、薬剤等の原料として用いられる。医学・生物学分野では、古くから組織の切片標本の作製の際、組織を包埋するパラフィンや、封入剤として用いるカナダバルサムの溶媒として用いられてきたが、人体への毒性のため無害の代替品への切り替えが進みつつある。
◆化学工場建設反対のデモを、携帯メールで呼びかけ 中国
◆化学工場建設反対で、千人以上がデモ 中国アモイ市
◆中国で拡大中の「ハイテク」デモとは
(保存)
市民の有志はメールで「6月1日午前8時(市庁舎前で)、黄色いリボンをつけて遊行(中国語でデモの意味)しよう」と呼びかけたが、当局はこの「遊行」二文字を送信出来なくする措置を行った。そのため「散歩」という言葉に切り替えたが、それすらも阻まれたので「××」に変えた。
市民の動きに脅威を感じた市政府は5月30日に計画の一次中断を発表したが、デモ当日は市庁舎前に「アモイの環境を守れ」「子孫の健康を守れ」と声を上げ、横断幕やプラカードを掲げて練り歩く数千人の市民が集まった。もっとも市政府を直接批判すると逮捕される危険性があるので、工場への批判を集中したというが、
参加した20代の男性は「危険な工場建設が市民に黙って進んでいたことを知り、悲しくなった。警察に囲まれていたが怖くなかった」と語った。
上海大学法学院の倪正茂教授は、
「以前はどんなに市民側の圧力が大きくても政府が政策を変えたことはなかった。アモイのケースはきわめて珍しい」と語る。
市民の怒りは市政府を揺るがしているようだ。この計画は白紙撤回に追い込まれるだろう。
中国人民が暴虐な共産党政権を打倒することを期待する。