2018年04月29日

ブラックメタルの元祖はBATHORYだったらしい・・・

 ラウドパーク17(2017年10月14日だけ行った)の感想を書いている途中だが、毎度の如く脱線したくなった。この日に出演した「エンペラー」というバンドは、ヘヴィメタルの中でも「ブラックメタル」というジャンルに属するそうだが、そもそもこのジャンルの定義についてよく分かってない。「スラッシュメタル」の中の区分だと思っていたが違うんだってさ。この系統の中でも特に過激な「デスメタル」とも違うんだってさ。いつもは「ジャンルに拘るのはナンセンス!」って言ってるクセに、詳しく知りたくなっちゃったよ・・・

 何度かラウドパークに出演している「リバプールの残虐王」ことCarcassや、アルバムジャケットのエグさで評判のCannibal Corpseや、ラウドパーク12のエクストリームステージに出たCryptopsyや、Possessed(参考)はデスメタルなんだってさ。Possessedのアルバムジャケットは悪魔崇拝っぽいイメージだけど。そういや"Death Metal"ってゆうそのものずばりの曲があるな。Death(参考)もデスメタルだ。ごく一部の愛好家以外には内容どころか文章自体が意味不明ですよね、すいません。
 Napalm DeathやBrujeriaはデスメタルというより「グラインドコア」なんだって。ラウドパーク常連のアーチエネミーやチルドレン・オブ・ボドムは「メロディックデスメタル」って言うんだって。
 もはや何を言っているのか自分自身でも分からなくなってきているが・・・これらデスメタル系と、ブラックメタル系のどこがどう違うのかと言われても・・・たしかに言われてみると違うかなあ。まあ普通のメタルファンには理解できないだろうし理解して頂きたいとは毛頭思わないが。そもそも俺自身がよく分かってないのでいろいろググってみたぜ。


 ウィキペディアなどによると、ブラックメタルのルーツは1982年のVENOMのアルバム”Black Metal”に遡そうな。当時はスラッシュメタルという言葉は無かった。日本の音楽雑誌の論評は、モーターヘッドの子分というか・・・色物的な扱われ方だったな。
 スウェーデンのバンドBATHORYの1984年のデビューアルバム”BATHORY”が、最初のブラックメタルの作品だと一般的に認識されているらしい(参考)。このバンド名は、中世ハンガリーの「血の侯爵夫人」と呼ばれるバートリ・エルジェーベトに由来するものと思われる。鉄の処女(Iron Maiden)と呼ばれる拷問器具で侍女を殺し生き血をすすったとか。このバンド名だけでも音楽性が想像できるだろう(日本盤は発売されていない)。
 ノルウェーのバンドを中心にブラックメタルが話題となったのは1990年代だが、バソリーの1988年のサードアルバムUnder The Sign of The Black Mark は既に、ブラックメタルとして完成した作品だったという(もちろん後からそのように言われたんだろうけど)。下記リンク先を参考のこと。“Sigh”というブラックメタルバンドを率いる川嶋未来さんの論考。

◇ SPEAK OFF THE CUFF ! EXTREME THE DOJO

◇ SIGH 川嶋氏コラム-BATHORY!|HMV&BOOKS onlineニュース

 このバソリーというバンド・・・普通のメタルファンだったらまず知らないだろう。スウェーデンのバンドというのが(当時は)馴染みが薄かったし、普段メタリカやスレイヤーを聴いている程度では受け入れられないような過激さというか汚さだったからな(笑)。当然、日本の音楽雑誌はほぼ黙殺だった。サードアルバムが出たときだったか、「Burrn!」で「ヴェノムが好きなのね、もっと工夫しなさいね♪」とかいうふざけたことが書いてあったので思わず壁に叩きつけたw
 実質的にQuorthonという人のソロプロジェクトみたいなもんだ。初期は全てのパートを一人でやっていたらしい。俺が一番好きなのはファーストアルバムだけど。

 特に6曲目と8曲目がお気に入り。

 まあ一般人には単なるノイズにしか聴こえないだろうけどさ。ハードコアパンクの影響も感じられるが(Quorthon自身が、初期の作品はハードコアパンクバンドのG.B.H.の影響を受けていたと公言していたそうな)、それ以前に・・・ヴォーカルは吠えてるってゆうか唸ってるってゆうか、ダミ声で叫び続けるだけ。ギターは引っかきまわすような同じリフを繰り返すだけ。そういえば「ギターとドラムが全然合ってない。このバンドなんなの?」ってゆう辛辣な批評もあったな。しかも音質もひどい。なにより曲自体が、これ音楽として成立してるの?・・・ってゆう印象だったかも、普通の(笑)メタルファンには。なにしろ「初期のキャッチフレーズは、ゼロ・メロディ」 だったそうな。たしかにそう聴こえたかも。いやその通りかも(笑) 曲によってはサビの部分にコード進行が無いってゆうか、ずっと同じ調子で吠えてるだけ(それがまた凄さを感じたんだけど)。
 しかしこのアルバム、それなりの評価を得たと記憶している。英語読めないくせに買った海外のメタル雑誌にスラッシュメタルランキングなる企画があり、ベスト20の中に入っていた。「それにしてもバソリーって誰なの?メンバーとかいるの?」という疑問が提示されていたが。どこが良かったのか言っても普通の(笑)メタルファンには通じないだろうが、なんてゆうかひたすら汚い音だけど、小股の切れ上がったというか(笑)、独特のビートというか・・・鋭さがあったな。ミディアムテンポの曲も禍々しくてかっこいいよ。これはこれで完成した音楽だ。メタル史上に残る名盤の一枚、と言わせてもらうぜ。


 ところでこの曲は知らなかった!恐らくごく初期だな。それにしても単調なドラミングだねえ。もちろんQuorthonが叩いてるんだろう。粗削りすぎるからファーストアルバムに収録しなかったんだろうか。だけどこれはこれで、この道?を極めている、と言わせてもらおう。ちなみにこの色違いのジャケットはレア物らしい。俺なんか色違いのポケモンもどんどん捨ててるけどw



 この曲も知らなかった。ほとんどパンクなところが気に入った!


 これは1983年のデモテープだと(コンピレーションアルバムに収録)。バソリーってパンクバンドだったのか(笑)


 もっとも川嶋未来さんによるとこのアルバムは、VENOMの”Black Metal”の影響がかなり強いと言えるそうだ。俺はVENOMが分からんけど。スラッシュメタルの元祖だから聴かなきゃダメだと思って2枚くらい買ったけどほとんど聴かなかった。
 ところでセカンドアルバムの”The Return”以降、ちょっと趣きが変わったというか・・・思いっきり速くやろうとするのはいいんだけど、まるでドラムがただ連打しているだけのように聴こえてしまう(俺の雑な耳のせいか?)。それとも不気味さの演出だろうか?こういう路線はブラックメタルの元祖と言われるサードアルバムにも引き継がれた(セカンドアルバムよりは丁寧に叩いてるかな?)。

 これはセカンドアルバムを出した頃じゃないかな多分。やっぱファーストアルバムの頃とはかなり違うでしょ。え、全部同じに聴こえる?

 YOUTUBEでブラックメタルと言われるバンドの曲をいくつか聴いてみたけど、バソリーのサードアルバムの系統の音楽だ、って言われてみれば、そだね〜と思った(笑) バソリーくらい速い曲もちゃんと叩いてる(ように聴こえる)。ブラストビートとか言われているらしいが、速くやるのもこのあたりが限度だろ。耳が追っつかないし、そもそも叩けねえべ?
 別に速くったって速くなくなっていいけどやっぱ俺は、クロスオーバー・スラッシュとか、デスメタルとか、グラインドコアとか、メタルコアとか、Nu Metal(と呼ばれていたアーティストら)のほうが好きだな。
 だけどブラックメタルのほうが正統派メタルじゃないの?メタルを極めようとしてブラックメタルに行き着いちゃったんじゃないの?だいたい悪魔っぽいコンセプトってブラックサバスの時代から普通にあったし。それに、仰々しい展開とか大作志向とか、ステージの派手な演出とかさ、メタルの王道?だろ。要するに”音”を極めたいんだろ。かっこよさを極めたいんだろ。普通のメタルと同じだろ。お好きにどうぞ、俺はついてけないけど。あ、俺の中でバソリーのファーストアルバムだけは別格だけど(あのアルバムをブラックメタルと呼んでほしくない)。

 それにしてもさ、ブラックメタルの人たちだって、元々普通のミュージシャンだと思うけど、おぞましい犯罪に手を染める人たちもいるのはどうしてだろうか。(しつこいけどまたリンク載せる)
◇ ブラックメタルの名のもとに起きた衝撃的な10の事件 カラパイア
 俺だって欧米に生まれてりゃアンチキリストになったと思うが、教会放火というのはヘイトクライムじゃねえか。キリスト教という権威に反抗するはずが、なんでヘイトに走るのか?なんでノンポリがそっち方面に行っちゃうのか?ちょっと分かるような気がするけど。
 いや、もちろんブラックメタルのミュージシャンの中でネオナチだったり犯罪に関わるようなのはごく一部のようだが。今じゃノルウェーの観光資源と化しているとか。オスロ市の助成金を受けたロックフェスにメイヘムが出演することが明らかになり、市の抗議によってメイヘムは出演を辞退したが、2016年に同じオスロ市で行われた別のロックフェスにはメイヘムも出演したがオスロ市から助成金が出たという。なんなんだ!
◇ 怖い?今、ブラックメタルは本場ノルウェーでどうなっているのか 。世界中から押し寄せるブラックパッカー(鐙麻樹) - 個人 - Yahoo!ニュース
 今後もブラックメタルは細々と続いていくだろう。まあ俺は関心無いけど、出来ればラウドパークには呼んでほしくないなあ。そういう資金があるんなら、出来ればデスメタルとかグラインドコアのバンド招聘に使ってほしいよ。
 ところでバソリーのファーストアルバムの発表は1984年6月、クォーソンは1966年2月生まれだからやっと18歳だ!才能を開花させるのも早かったがこの世にオサラバするのも早かった。2004年6月、自宅で亡くなっているところを発見された。死因は心不全らしい。
 というわけでブラックメタルとバソリーの関係についていろんなサイトからパクって書いてみたよ。以降は雑談。



 クォーソンとファンの交流が泣かせる。ちなみにこの映像の年代は不明だが、この曲を発表した頃は「俺のご主人様はサタンだあぁぁ!」みたいな曲はやってなかったと思う。ライブやってたかどうかすら知らんが。


 へえ、エンペラーがバソリーの曲をやってるぞ。やっぱこの業界の皆さんから、ブラックメタルの元祖としてリスペクトされてるんだろうか。もっともこの曲は・・・後述。




 バソリーの4枚目のアルバム”Blood Fire Death”は、「ヴァイキングメタル」への変貌が見られるそうな(後からそう言われたんだろうけど)。そうかなあ4枚目も早くて過激な曲があったけどな?まあそう言われてみれば仰々しくなったよな。5枚目の” Hammerheart”はヴァイキングメタルの象徴的な作品らしい。たしかに速い曲は全然なし、これ以降はアルバムを買わなくなった。それにしてもブラックメタルを作ったりヴァイキングメタルを作ったり、大きな功績のある人だったんだなあ。
 後にクォーソンは、「サタンを歌うのはもうやめた。『茶番(キリスト教)が別の茶番(サタン)を産んでいるに過ぎない』。サタンはキリスト教が生んだものじゃねえか。だから歴史の好きな俺はヴァイキングの時代を選んだ」・・・ということを語ったらしい(ウィキペディアより
 以前、別のメタル系のアーティストが似たようなことを述べていたなあ。「アンチキリストを叫ぶことは、キリスト教を賛美することに等しい」とか。

 またブラックメタルのアーティストらは、アンチキリストなのはもちろんのことだが、「ペイガニズム」を信奉する人々も多いという。「自然崇拝や多神教の信仰を広く包括して」示す言葉らしい。「ペイガンメタル」というジャンル分けもあるとか。キリスト教は他国から持ち込まれた物だから排除し、土着宗教を復活すべきだという主張もあるという。キリスト教を否定するだけでなく、キリスト教伝来以前の信仰を、社会を取り戻そう・・・という発想か。
 そりゃヨーロッパにキリスト教が持ち込まれてから社会のあり方がだいぶ変わっただろうな。元々クリスマスのお祝いは収穫祭だった。これをキリスト教がイエスの誕生日のお祝いとして取り込んだそうな。ところが村の男女が飲んで食って踊るうちに乱交パーティに発展するが、これは「サバト」であるとして戒めたそうな。・・・という説を聞いたことがあるが、元々洋の東西を問わず庶民は性におおらかだったようだぜ。江戸時代の農村には、若い男女が集まって自由に恋愛する風習があったとか。

 ところでさ日本にも古代文明を称賛したがる人もいるようで・・・以前、とある写真家の講演に行ったことがあるが(クレーム来たら嫌だから名前は書かない)、縄文式土器の写真をライフワークにしているその写真家が言うには、日本では縄文時代から農耕が行われており、また古代の日本の漆塗り技術は中国よりはるかに進んでいたそうな。ありふれたウヨの人かなと思ったら、「天皇家みたいな、あとから来た連中は・・・」どうのこの言い出すんで意外だった。やっぱ天皇一族って「あとから来た」のか?渡来人なのか?それはどうでもいいけど、天皇をディスってみても、言ってることはありふれた「日本すごい」じゃねえか。

 だからこういう情熱っておかしな方向に行っちゃうんじゃないかと思うんだよ。たとえばさ、キリスト教は元々外国から入ってきたものだから追い出そう!というのなら、キリスト教どころか今現在も次々と移住してくる外国人労働者や難民こそ、真っ先に追い出さなきゃならない、ってゆう衝動が生まれやしないか?実際に一部のブラックメタルのミュージシャンらは数々のヘイトクライムに手を染めているわけだし。だいたいこの発想自体が、ナショナリズムとか民族主義とかを満足させるためじゃないの?違う?
・・・受け売りだが、いま地球上に住んでいる人類は全て、いろいろな場所から移住を繰り返して現在の場所に住み着いているんだよ。何しろ人類はアフリカ発祥って言うじゃんか。それに宗教、文化だってそうだ。仏教はインドで生まれて中国経由で日本に伝わった。天皇一派が渡来人かどうかは知らんが、大和朝廷ってのは所詮は中国の王朝のパクリだ。そもそも俺たち日本人は中国で発明された漢字を使ってるじゃんかよ。

 もっともさ昔の社会・文化を掘り下げてみるという発想自体は有意義だと思うよ。たとえばさ日本では、ほんの百数十年前に人々がどんなものを食べていたかすら、分からないだろ。。白米のご飯など食えるのは一部の特権階級だけ、庶民は雑穀が主食だったようだが。「クジラも食べていた」とか言う奴もいるが、冷蔵庫なんか無いぜ、一部の漁村だけだろバカ。
 それにさ小さな神社のポケストップを訪れると、「ここにはお寺もあったが明治の神仏分離によって廃寺となった」とか書いてあったりして。昔はお寺も神社も一緒くただったらしいよな。
 もちろん現代より江戸時代のほうがいい時代だったなんて言うつもりは毛頭ないぞ。だけど、昔のことを知ることがなぜ有意義なのかというと、そうすることで現代社会の異常さが見えてくるだろ。政権と資本家によってどのように社会が歪められているのか、我々人民が騙され洗脳され操縦されている現状が見えてくる、と思うんだよね。
posted by 鷹嘴 at 00:54| Comment(0) | ヘヴィメタルとか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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