今回も事務局メンバーと学生の皆さんで1時間ほど前に集合し、マイクアピールとビラ配布を行いましたが、数百枚準備したビラがあっという間に無くなってしまいました。ビラを受け取ってくれる確率が今回はいつもより高かったように感じます。
毎度お馴染みの西村修平を中心とする右翼グループは、何故か今回は現れませんでした。昨年の6月30日に始まったこの裁判の中で初めてのことです。いつもより静かな環境(笑)の中で落ち着いて宣伝活動を行うことが出来ました。
開廷時間が近づき傍聴席の抽選が行われましたが、傍聴席40に対し抽選券の発行は22枚という寂しい人数でした。抽選券発行枚数が傍聴席数を下回るのも、この裁判の中で始めてのことです。次回(7月27日)に向けてより強くアピールしなければならないと反省しました。
今回の公判は原告・被告双方の提出した書面や「書証」の確認が主な内容でしたが、被告側(東中野氏弁護側)が提出した第6準備書面が引用している資料に疑問点があり、原告側(夏さん支援側)から原文を明らかにして欲しいという要請がありました。
というのも、被告第6準備書面は「目撃者の南京事件」(滝谷二郎/著 三交社)から、この事件に関する記録の訳文を引用しているのですが、
「家主マーの八歳になる娘は重症を負いましたが、母親の死体に隠れて助かりました」(P-86)
という記述になっています。
「マー」とは正しくは「哈(ハー)」で、夏さん一家と同居していた4人家族の姓です。この家族は全員殺害され、生き残ったのは「シャー(夏)」一家の幼い姉妹(つまり夏淑琴さんとその妹)だけです。
著者の滝谷二郎氏がどのような資料から日本語に翻訳したのか、被告側は明らかにしなければならないでしょう。
また原告側の渡辺弁護士から裁判長に、「判決日の決定は余裕を持って決めて欲しい、夏さんをお招きしたいがビザの関係などで3ヶ月前に決定されれば充分」という要請がありました。
すると被告側弁護士は「夏さんが来日するのなら、尋問を行って欲しい」と言い出したのです!
しかしこの要求は裁判長が、「事件があったかなかったか審理するつもりはなく、原告の名誉がどのように傷つけられたか判断するので、本人尋問など不要」と退けました。
そもそも「夏さんは事件の被害者と別人」などと東中野が記述したことが発端です。それが正しいというのなら、東中野本人こそ出廷し尋問を受け、自分の判断が正しいことを立証するべきではないでしょうか?
次回7月27日の最終口頭弁論も同じ法廷(709号)で行われ、原告・被告双方が15分程度の弁論を行う予定です。7月23日提出予定の原告最終書面は、被告側の理屈を徹底的に粉砕することでしょう。判決は10月になると見込んでいます。
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閉廷後、弁護士会館で報告集会を行い、まず米倉弁護士からこの裁判の進展についての説明があり、そして大谷猛夫先生(「史実を守る会」共同代表)、星徹さん(ルポライター)からお話をしていただきました。
大谷先生は教諭時代、あの西村修平一派から「偏向教師だ」と散々嫌がらせを受けていたそうで(学校だけでなく教育委員会にも嫌がらせ電話が来たそうですが、教育委員会は「指導要領に従って授業をしています」と一蹴したそうです)、今日は「因縁の対決だ」と覚悟しておられたそうです。しかし今回は珍しいことに西村らはやってきませんでした。もしかして大谷先生が裁判所前宣伝活動から参加されることを察知し、逃げ出したのかもしれません(笑)
ルポライターの星徹さんは、李秀英さん名誉毀損訴訟を記録した「南京大虐殺 歴史改竄派の敗北」の執筆者の一人です(本多勝一先生と、この裁判でも弁護人を務める渡辺晴己弁護士との共著)。
展転社は「『南京大虐殺』への大疑問」(松村俊夫/著)という本も出版していて、夏淑琴さんと、1937年12月南京の安全区の避難所に侵入してきた日本兵に刀で切りつけられ重傷を負った李秀英さんを「ニセ被害者」扱いしています。
これに対し李秀英さんは名誉毀損訴訟を起こし、東京地裁は2002月5月、松村氏と相澤宏明氏(発行人)及び展転社に150万円の損害賠償を命じ、2003年4月の控訴審判決も一審判決を維持しました。「南京大虐殺 歴史改竄派の敗北」はこの裁判の経過を記録し、また夏淑琴さんにも取材しています。
(李秀英さんは2004年4月に逝去されましたが、2005年1月、最高裁は被告の上告を棄却、李秀英さんの勝訴が確定しました)
夏淑琴さん名誉毀損訴訟を支援するに当たって、李秀英さん裁判も大きな参考になると思います。
また私は、読売新聞の社説に於ける南京大虐殺&百人斬り裁判判決の歪曲に対する当会の対応について、噛みまくりながら(笑)報告させていただきました。現在読売新聞の論説委員に対し、面会を要望している段階であります。
・・南京への道・史実を守る会・・・・・・・
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